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「純血種の猫を飼いたい」と思ったときはペットショップだけではなく、ブリーダーから猫を迎えるという選択肢もあります。
しかし、健康な猫を迎えるためには、本当に猫のことを考えている優良なブリーダーを見抜かなければなりません。
そこで今回は、良いブリーダーを選ぶポイントをお教えいたします。
猫のブリーダーとは

ブリーダーの種類
ブリーダーとは、血統などを考慮しながら健康な動物を販売する職業のことをいいます。
犬や猫などの愛玩動物はもちろん、競走馬や産業動物の繁殖を行っている方もブリーダーと呼ばれます。
ブリーダー業は企業のビジネスとして行われている場合もありますが、個人で事業を立ち上げているケースも少なくありません。
猫のブリーダーとは?
猫のブリーダーは、目的に応じて様々な種類に分けられます。
例えば、最も一般的なのが子猫を繁殖させるブリーダーです。
こうしたブリーダーはペットショップへ子猫を卸したり、インターネットを介して子猫を販売したりしています。
一方で、繁殖目的ではなく、キャットショーへの出場を第一に考えているブリーダーもいます。
キャットショーで賞を得た猫には「交配をさせたい」という声が多く寄せられるので、このタイプのブリーダーは交配料を受け取ることもあるのです。
猫のブリーダーの選び方

1.見学が可能か
ブリーダーを選ぶときは、見学が可能であるかどうかということを真っ先にチェックしましょう。
その際は、親猫と子猫両方に合わせてくれるようなブリーダーを選ぶと安心です。
見学を快く承諾してくれるブリーダーは繁殖環境が清潔に保たれているケースも多いので、猫の健康状態もよいでしょう。
逆に見学を渋ったり、対面での説明を避けようとしたりする場合は専門的な知識を持っていない悪質なブリーダーである可能が高いといえます。
また、見学時は子猫がどのように過ごしているのかチェックすることも大切です。
子猫期は親や兄弟との関わりの中で、猫界のルールを学んでいく時期です。
この時期に単独で過ごした子猫は、甘噛みの力加減や他の動物との接し方が分かりません。
こうした環境で育った猫は飼い主さんに噛みついたり、粗相などの問題行動が見られたりする場合があります。
2.自宅から近いブリーダーを選ぶ
あまりにも遠方なブリーダーを選んでしまうと、引き渡しまでに手間取ってしまったり、実際に連れて帰るときに移動時間が長くなってしまったりします。
移動時間が長引くと猫は大きなストレスを感じ、体調を崩してしまうこともあるので、まずは、自宅の近くに希望する猫種のブリーダーがいないかどうかを調べてみましょう。
3.ワクチンの証明書を見せてもらおう
子猫は生後1ヶ月を過ぎると、母親の初乳から得た免疫力が徐々に薄れていきます。
そのため、生後2ヶ月からワクチンを接種させるのが望ましいものです。
ワクチンには3種混合、4種混合、7種混合があり、猫カリシウイルス感染症や猫ウイルス感染症、猫汎白血球減少症などといった病気を防いでくれます。
きちんと猫の健康を考えている優良ブリーダーであれば、ワクチンを接種させているはずなので、購入する前にはワクチンの証明書を見せてもらうようにしましょう。
必要な登録
ブリーダーになるために必要な資格は、特にありません。
企業としてブリーダー業を行う場合は採用時に高卒以上の学歴が問われることがありますが、個人で営む場合は学歴や年齢などが問われないため、誰でも手が出しやすい仕事であるともいえます。
ただし、動物を繁殖させて販売するとなると、「第一種動物取扱業」が必要になり、個人で販売を行う場合は、各都道府県へ「動物取扱業」の届け出も行わなければなりません。
また、動物取扱業の登録をするには、「動物取扱責任者」の資格を得る必要があります。
持っていると安心な資格
ブリーダーは、動物の命を守る職業でもあります。
だからこそ、動物看護士や動物介護士といった資格を取得しているブリーダーなら、専門知識を持っているので、困ったときにも力になってくれやすいでしょう。
動物関連の民間資格の中で最もポピュラーな、愛玩動物飼養管理士を取得しているブリーダーを選ぶのもおすすめです。
愛玩動物飼養管理士は動物取扱責任者の資格も得られるので、取得しているブリーダーも多いかもしれません。
また、専門書から猫の交配や繁殖を専門的に学び、キャットケアスペシャリストを所有しているブリーダーもおすすめです。
環境
猫は室内飼育ですが、あまりにも過密な状態で育てられると、ストレスを感じてしまいます。
そのため、インターネット上で写真を見ながらブリーダー探しをするときは広々としたスペースが与えられているか、ケージの中に閉じ込められてはいないかをチェックしてみましょう。
猫の紹介文と共に動画が添えられている場合は、猫用おもちゃがきちんと用意されているか、毛布などで体温を調節してあげているかということにも注目してみてください。
また、キャットショーの常連になっているようなブリーダーの中には、専用のキャッテリーを設けている方もいます。
そうした場合はキャッテリーの中も清掃が行われているか、併せてチェックしてみましょう。
ブリーダーに必要な知識
ブリーダーは特定の猫種に関する知識が豊富です。
猫種によっては、個体としての特徴によって飼育法に違いが見られる場合があります。
例えば、同じ猫でも大型に分類されるノルウェージャンフォレストキャットと小型猫のシンガプーラでは飼育法が異なります。
また、人気猫種としても名高いスコティッシュホールドは、「骨軟骨異形成症」という病気が発症しやすいので、そうした説明もきちんと行ってくれるブリーダーを選ぶとよいでしょう。
ブリーダーから迎えるときの心構え

ブリーダーから猫を迎えるときは、飼い主候補としての心構えも必要になります。
例えば、良い血統の猫を迎えるときは稀にブリーダーから「避妊をしないでほしい」と頼まれることがあります。
しかし、避妊手術には婦人系の病気が防げるというメリットがあるので、手術を行うかどうかは飼い主さん自身が考えていく必要があります。
そして、悲しいことにブリーダーの中には、劣悪な環境の中で猫を飼育している方もいます。
こうしたブリーダーから猫を購入してしまうと、儲けが出て、さらに悲しい思いをする猫が増えてしまうため、環境があまりよくないところからは迎えないようにしましょう。
また、ブリーダーから引き取る場合には条件が出されるケースも多いものです。
自分が育てた猫を大切に思っているブリーダーの中には、定期的な連絡を望む方もいるため、あらかじめ購入後の連絡に関しても話し合っておきましょう。
完全室内飼いが主流になってきた近年は、猫の平均寿命が15歳程度になってきました。
だからこそ、ブリーダーとの交渉は飼育環境を整え、家族も納得してから行うようにしましょうね。
自分の目と足で優良ブリーダーを探そう

ブリーダーを頼れば、ペットショップでは手に入らない珍しい猫種を迎えることも可能です。
現代はインターネット上で希望の猫種を取り扱っているブリーダーをすぐに探せるようになっていますが、優良なブリーダーは自分の目と足で見極める必要があります。
インターネット上のやり取りは便利ですが、100%安全だとは言い難いので、ブリーダーを探すときは、実際に見学に行き、猫の状態などをチェックしてみてくださいね。