犬にも反抗期があった!理由と症状を知って正しい対処を【獣医師が解説】

子犬が徐々に成長してくるとふと「何か最近いうことを聞かないな」という時期が訪れることが多いです。

あまり知られていませんが、実は犬にもヒトと同じような反抗期があります。

今回は、犬の反抗期に関するお話をさせていただきます。

反抗期の時期や行動、その対処法など子犬を育てるうえで飼い主さんに知っておいて欲しいことをお伝えいたします。

 

犬の反抗期はいつ起こる?

犬にも成長の過程で反抗期があります。

犬の反抗期とは

ヒトの反抗期は、自我が芽生え自分なりの価値観が産まれることで起こると言われています。

その過程で、無意識のうちに家族の愛情を確かめ、自分の立ち位置を作っていくと考えられています。

それは犬でも同じです。母犬や家族に守れる子犬の時期を過ぎ、自我が芽生え始めると、自分の思ったような行動を取り始めます。

生後3~4か月の間は犬の社会化期で色々な物事を覚える時期になり、その後の反抗期はそれをもとに自分なりに考えて行動する時期になります。

反抗期の時期は?

反抗期は一般的には社会化期の後に訪れます。社会化期は生後3~4カ月齢と言われていますので、4~5カ月齢以降に反抗期は訪れます。

反抗期がどのくらい続くのかはその子によって違いますが、多くは1歳、長くても2歳くらいまでの間に反抗期が終わることが多いです。

 

反抗期の行動

自我の訪れとともに、反抗期には自分の気に入ること、気に入らないことがはっきりし、ある意味飼い主さんを試すような行動が多くなります。

気に入らないことに怒る

寝ているとき、食べているとき、遊んでいるときなど、自分が触られたくないときに触られると怒るようになることがあります。

そのような自己主張を行うことで、自分の立場を確かめ、飼い主さんとの関係を少しずつ変化させていきます。

コマンドに従わなくなる・呼んでも来ない

今までお座りやお手に素直に応じていたのに、反抗期になると突然従わなくなることがあります。

また、呼んでも来ないで飼い主さんを無視することもあります。これも自分と飼い主さんの関係を確かめるための行動と考えられます。

他人や他の犬に吠えたり威嚇したりするようになる

犬は社会性動物であり、群れの中で順位を付けて生活します。

その順位付けは犬同士の関係によって決まり、反抗期と同じくらいの時期に確立されます。

そのため、社会化期には友好的に接していた他の犬にも、順位を決めるために攻撃的な行動を取ることもあります。

マーキングが増える・トイレの失敗が出てくる

反抗期には自分のテリトリーを決めるためにマーキングを頻繁に行うようになることがあります。

また、精神的に不安定になると今までトイレが成功していたのに失敗することもあります。

フードの食べが悪くなる

反抗期になると、急にフードの食べが悪くなることがあります。

これは体の成長が少しずつゆっくりになり栄養要求が減ることもありますが、好き嫌いがはっきりし、自分の好きなものをもらえないか試す行動でもあります。

 

反抗期の対応方法は?

では、反抗期にはどのように対応したらいいのでしょうか?正しい対処法と間違った対処法を頭に入れておきましょう。

正しい対応方法

反抗期には、以下のような対処をしていただけるといいでしょう。。

一貫した堂々とした態度で接する

犬は、強いリーダーに従うことで安心して生活することができます。

飼い主さんが反抗期に中途半端な態度を取ってしまうと、家庭内での順位付けが不確かになったり、犬が不安になってしまうことも多いです。

反抗期には、一貫した堂々とした態度で接してあげてください。

好ましくない行動を取った場合には無視をする、遊ばない

しつけの時と同じく、犬が好ましくない行動を取った時には、無視をしたり遊びをやめてしまう「社会罰」を与えることが有効です。

反抗期には、どんな行動を取ったら飼い主さんがどのような反応をするのかを確かめていることが多いです。

無視をしたり遊びをやめたりすることで、その行動を取ったら楽しいことが無くなるということを覚えさせましょう。

ストレス発散の方法を考える

反抗期には自我が芽生え、犬の中でももやもやが溜まっていると考えられます。

そのため、体を動かしてモヤモヤを解消するための方法を考えてあげるのも大切です。

ドッグランで思い切り走らせてあげたり、近所に仲の良い犬の友達を作ってあげたりし、ストレスを発散させてあげることで反抗期の問題行動がましになることもあります。

間違った対処方法

一方、以下のような対処方法を取ってしまうと、反抗期やその後の生活に問題が起こる可能性があります。

怒りすぎる

ダメな行動はだめだということはわからせてあげなければなりませんが、やみくもに怒るのは意味がないだけでなく、飼い主さんと犬の関係を悪化させてしまうことになります。

「ダメ」と一言言って、その後無視をする社会罰をうまく使ってください。

また、いい子にしているときには大げさに褒めるようにし、体罰などはできるだけ避けるようにしてください

甘やかす

反抗期は飼い主さんと犬の関係を構築するための行動でもあります。

ダメな行動を取っていても甘やかしていることを続けると、その行動は問題ないという認識になってしまい、さらには「何でも言うことを聞いてくれる」と思ってしまいます。

順位付けもうまくいかなくなってしまうことが多いので、甘やかすことは危険です。

放任

もう言うことを聞かないからほったらかしにしてしまうというのも良くないです。

反抗期の行動は、飼い主さんの愛情を試すという意味合いもありますので、放任されてしまうと、犬も飼い主さんからの愛情を感じなくなり関係悪化が進んでしまうことがあります。

 

犬種による反抗期の違い

反抗期の時期や行動は、犬種によって多少異なります。

小型犬の方が速い

一般的に小型犬は大型犬に比べて成長が速いため、反抗期も早く来て早く終わることが多くなります。

犬種による行動の違い

日本犬や大型犬は家族を守るという意識が高いため、反抗期に他人に対する攻撃性が高まることが多いです。

また、リーダーに立ちたいという意識が強い子の場合、自分の言うことを家族が聞いてくれるか試すような行動が多くなります。

一方、洋犬の小型犬では甘えてわがままな行動が多くなります。

「フードを食べない」「お気に入りのおもちゃじゃないと遊ばない」「甘噛みが増える」などといった行動が増えがちです。

反抗期を乗り越える関係づくり

反抗期をうまく乗り切るためには、犬と家族の関係をしっかり築くことが大切です。

小さいころからの十分なしつけと社会化

反抗期を乗り越えるためには、まずは社会化期にしっかりしたしつけと社会化を行うことが大切です。

社会化期に社会化不足があると反抗期の対処がかなり難しくなります。

甘やかしすぎずしっかり愛情をかけてあげる

愛犬と良い関係を築くためには、甘やかしすぎず、それでも愛情をしっかりかけてあげることです。

この時期の犬はいろいろ飼い主さんを試してきますので、ダメなことはだめとしっかりわかってもらえるよう甘やかさないようにして下さい。

一方で、愛情不足もその後の問題行動につながりますので、遊べる時間には思い切り遊んであげてください。

反抗期の問題行動との勘違いに注意

反抗期の時期の問題行動は、反抗期以外の原因によっても出てきます。反抗期の行動と勘違いしやすい行動にも注意も知っておきましょう。

病気と間違える

以下のような症状がある場合には、病気が原因になっている可能性があります。

粗相をする

粗相が増えて来る場合、反抗期ではなく膀胱炎や膀胱結石が原因となっている場合があります。

トイレの失敗が多い場合は反抗期を疑う前に、尿検査や超音波検査で膀胱炎や膀胱結石の有無を確認してもらうようにしてください。

食べが悪い

食欲不振が出るような病気の可能性もあります。特に若いうちは異物の誤飲や胃腸炎、先天的な病気などの可能性もあります。

犬に不満や訴えがある

以下のような行動は犬の不満や訴えによるものであることもあります。

お家の環境などに不満がある性で問題行動を起こしていることもあるので、環境に問題がないかどうかも考えてあげましょう。

そうすることで、犬と家族の関係が悪化することを防ぐことができます。

唸る・怒る

痛みや恐怖心から唸ったり怒ったりするのは反抗期の問題行動ではなく、生理的な反応です。

体のどこかに痛みがないか、また、何か恐怖心を取ってあげられる方法がないかなど、しっかり考えてあげましょう。

吠える

犬が吠えるのは単にわがままだからというだけではありません。何らかの不満や要求が合って吠えている可能性があります。

たとえば、「散歩の時間が短い」「フードが足りない」「遊んでほしい」などさまざまな要求が考えられます。

理不尽な要求は別ですが、当然の要求をしている場合にはしっかりその要求をかなえてあげるようにしてください。

まとめ

可愛い子犬の時期が終わると、犬にも自我が芽生え反抗期が訪れる子もいます。

反抗期はヒトと同じくある程度避けられないものであり、うまく対処して乗り切る必要があります。

そのためには、反抗期特有の行動やその理由をしっかり知って、適切な対処方法を知っておく必要があります。

今回の記事を参考にして対処してもらい、それでもうまくいかない場合には早めに動物病院やトレーナーさんに相談するようにしてくださいね。

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