「猫の金玉」はどうしてそんなに可愛いの?

この数年、猫好きの間で、去勢前のオスの「猫の金玉」(にゃん玉とも言います)を、「プリプリの毛玉みたい」、「思わず触ってみたくなっちゃうほど可愛い!」と評し、話題になっています。

ハンドメイドサイトでは、オス猫のお尻や金玉をモチーフにした作品も人気があるようですし、「猫の金玉」だけをテーマにした写真集もあるとのこと。

今回は、可愛い「猫の金玉」について徹底解剖してみようと思います。

 

「猫の金玉」はなぜ可愛い?

「猫の金玉」、つまり睾丸は、かつては「猫ふぐり」とも呼ばれていました。

ふぐりとは、元々松かさのことで、タマタマが松かさに似ていることから隠語として使われるようになったとされます(袋の意味から、との説もあります)。

哺乳類のタマタマは、基本的にあまり毛が生えていなくて、ちょっと生々しいものが多いのですが、「猫の金玉」は、他の体の部分と同じように毛が生えていて、まるで毛玉のようです。

そのため、猫の可愛いパーツとして、手や肉球、口などとともに、意外と人気が高いのです。

 

毛色はいろいろ

「猫の金玉」の毛色は、その猫の被毛の色で決まります。

茶トラなら茶色、サバトラならサバ色、黒猫なら黒です。茶トラ白など被毛の色が分かれている場合は、その毛色が体のどこで分かれているかによって、毛色は変わります。

茶トラ白でもお尻が白ければ金玉も真っ白であることが多いですし、境界が微妙な時は茶色が混じったり、片方ずつ違う色ということも。

ちなみにスフィンクスのように毛のない猫の金玉には、やはり毛がありません(これはこれで可愛いとの声も)。

 

猫は「金玉」を見せに来る?

オス猫に限らず、メス猫も飼い主さんにしっぽを上げてお尻をわざわざ見せに来ることってありますよね。

これは、1つは母猫に対して子猫がする行動とされ、「お尻を舐めて!」とお願いする、親愛の気持ちを表しているのだそう。

また、親しい猫同士で「お尻の匂いを嗅いで!」と挨拶のために行うともされています。

いずれにせよ、親しい間柄で見られる行動です。この時、オス猫のときは金玉が顔の真ん前にくるので、まるで金玉を見せに来ているようにみえますが、実際は「肛門を舐めてくれ」「匂いを嗅いでくれ」と言っていると思われます。

 

触ると怒る?

お尻を見せにくるからといって、安易に金玉に触ろうとすると、嫌がって怒る猫もいます。

一方、のんびりした性格の猫だと、好き放題触らせてくれることも。

ただ、やはり人と同じように猫にとっても、デリケートな場所ですから、触らせてくれるからといって、乱暴に扱ったり、つつきまわすようなことはしないでくださいね。

「猫の金玉」と去勢手術

オス猫のしっぽをあげると、左右1対の金玉が見えますが、人や他の哺乳類と同じように中に精巣があり、精子を作っています。

また、男性ホルモンを分泌する内分泌器官でもあります。

去勢手術は、袋に入っている精巣を取り除く手術で、金玉自体を取る手術ではありません。

したがって、去勢手術をしたからといって金玉が消え去るわけではなく、しぼんで小さくなってはしまいますが、ちゃんと残ります。

金玉が下りてこない?停留睾丸

子猫に去勢手術をする場合、生後6ヶ月くらいが適当と言われますが、この時獣医師はちゃんと精巣が睾丸の袋に降りてきているか、を確認します。

精巣はもともとお腹の中にあり、胎児のうちに足のつけ根を通り、袋の中に降りてきます(精子は体内の暖かい環境では死んでしまうため)。

しかし、この移動がうまくいかず、生後1~2か月たっても降りてこないことがあり、これを停留睾丸(精巣)または陰睾丸といいます。

移動しそこなった精巣は未発達で、お腹の中や足のつけ根にとどまっています。この場合、金玉が1つしかなかったり両方ないことも。

もし停留睾丸だった場合は、開腹手術が必要なこともありますので、獣医師とよく相談して手術をするか決めるようにしましょう。

去勢した金玉を保存?

死後に愛猫にちゃんと返してあげたいと、去勢した金玉(精巣)を保管しておく飼い主さんもいるようです。

保存にはホルマリン漬けが適していますが、ホルマリンは劇薬指定を受けてふつうの家庭では扱うことは難しい薬品です。

獣医さんに保存をお願いすることもできますが、ちょっと聞きにくいですよね。

猫の死後に返すという目的であれば、密封容器に入れて冷凍庫で冷凍保存する方法が一番簡単です。

ただし、衛生的に問題がないわけではありませんので、何重にもしっかり密封してから保存するようにしてください。

まとめ

今は去勢手術をすることが一般的になり、野良猫でないとりっぱな金玉を見かけることは少なくなりました。

今や、飼い猫にとって金玉は、子猫時代の貴重な「オス猫らしさ」なのかもしれません。

保存するのはちょっとためらうという方でも、写真ならたくさん撮っておけます。

子猫時代の大切な思い出に、金玉の写真というのもありなのではないでしょうか。

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NEKOCLIP

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。