犬にナッツを与えるときの注意点と食べると危険なナッツについて【獣医師が解説】

おやつを欲しがる犬は多いですが、ナッツはおやつの中でも犬が喜んで食べるものになります。

ナッツを食べているときにねだられて、ついつい愛犬にナッツをあげてしまう・・・そんな経験ありませんか?

ナッツは犬に与えていけない食べ物ではありませんが、与える際にはさまざまな注意点があります。

また、マカダミアナッツは犬に与えると危険であるため、絶対に与えてはいけません。

犬にナッツを与えたい飼い主さんや、犬がナッツを食べてしまった場合には、この記事を参考にしてみて下さいね。

 

ナッツとは?

ナッツとは、食用の木の実全般を指す言葉です。多くのナッツは硬い殻で覆われており、その中にある実には栄養がたっぷり含まれているため、食用とされています。

代表的なナッツ類

代表的なナッツには以下のようなものがあります。

  • ピーナッツ
  • カシューナッツ
  • ヘーゼルナッツ
  • アーモンド
  • マカダミアナッツ
  • ピスタチオ
  • クルミ
  • ジャイアントコーン
  • ピーカンナッツ
  • 松の実

栗にはナッツのイメージがないかもしれませんが、植物の分類としてはナッツ類に含まれる食材です。

ナッツの特徴

ナッツには共通の特徴があり、それを知っておくことは非常に重要です。

  • 脂肪分が多い
  • 食物繊維が多い
  • 消化が良くない

異常がナッツ類の特徴になります。

また、比較的アレルギーを起こしやすい食材でもあるため、食べ過ぎとアレルギーには注意が必要であることを理解しておきましょう。

 

犬に与えても大丈夫なナッツ

犬に与えてよいナッツは以下のものになります。その特徴と注意点も一緒に見ておきましょう。

ピーナッツ

ピーナッツは、ナッツ類の中でも犬に最も安全性が高いと考えられるものになります。

ピーナッツにはリノール酸やオレイン酸など、皮膚の健康に良いとされる油脂が多く含まれています。

そのため、少量であれば犬にも健康に良い食品と考えられています。

ただし、消化は良くないため、たくさん与えすぎると下痢や嘔吐の原因となり、場合によっては膵炎を引き起こすこともあるので注意してください。

ピーナッツの皮は消化できないため、必ず皮をむいて与えるようにし、塩分過剰にならないよう塩味が付いているピーナッツも避けるようにしてください。

カシューナッツ

カシューナッツも比較的犬に安全なナッツと考えられています。

オレイン酸やビタミンB1が多く皮膚によいとされる一方、ナッツ類の中ではカロリーが低く、太りにくいナッツとも言えるでしょう。

ただし、カシューナッツを与える際には、必ずローストされたり、炒ったりしたナッツを与えるようにしてください。

生のカシューナッツには犬にとっての毒物が含まれますので、生で与えることは絶対にしないでください。

また、カリウムが豊富に含まれるため、腎臓病やホルモン疾患の犬では注意が必要になります。

ヘーゼルナッツ

ヘーゼルナッツは犬に毒性がないナッツと言われています。

オレイン酸やビタミンE、食物繊維などが豊富で、胃腸や皮膚の健康あるいはアンチエイジングにも効果があると考えられています。

ヘーゼルナッツで注意が必要なのはその大きさです。

ヘーゼルナッツは他のナッツに比べて大きく、丸呑みすると食道や腸に詰まってしまう可能性があります。ヘーゼルナッツを与える際には、必ず細かく砕いて与えるようにしてください。

栗は犬に比較的安全に与えることができます。他のナッツに比べると脂肪分が少なく、消化もそれほど悪くはありません。

とはいえ、たくさん与えると消化不良を起こしたり、糖質が多いため太りやすく血糖値を上げやすい食べ物であり、与える量には注意してください。

また、栗きんとんなどの加工した栗は非常に糖分が多く、犬に与えるのはおすすめできません。

生の栗や栗の皮は消化できませんので、犬に栗を与える場合には、加熱して皮をむいた味の付いていない栗を与えるようにしましょう。

 

食べさせない方がいいナッツ

以下に紹介するナッツは、食べさせていけないわけではないけれど、食べさせない方がいいとされるナッツです。その理由とともに見ていきましょう。

アーモンド

アーモンドはナッツの中でも特に消化が悪いため、少量のアーモンドでも食べると下痢をしてしまう犬は少なくありません。

食べさせていけないわけではありませんが、便の調子をしっかり観察し、消化不良を起こす場合には食べさせないようにしましょう。

くるみ

くるみも消化が悪いナッツになります。

また、古いくるみにはカビの毒である「マイコトキシン」が含まれることがあるとの報告があり、中毒のリスクもあります。

特に海外製のくるみや古くなったくるみは犬には与えないようにしましょう。

ジャイアントコーン

ジャイアントコーンは、ナッツとして出て来ることの多い食材ですが、成分は通常のトウモロコシに近いようです。

トウモロコシは犬に与えても問題のない食材ではあるものの、日本で流通しているジャイアントコーンはすでに塩味が付いていることが多いです。

犬は人に比べて塩の必要量がかなり少ないため、ジャイアントコーンを食べることで塩分の過剰摂取になってしまうこともあります。

ジャイアントコーンも犬に与えない方がいいでしょう。

ピスタチオ

ピスタチオも消化に悪いため、犬に与えると消化不良を起こすことが多いです。

また、ピスタチオのからは消化できないため、殻付きピスタチオは絶対に犬に与えないようにしましょう。

ピーカン

ピーカンはナッツ類の中でも脂肪分が非常に多い食材です。

そのため、カロリーが高く消化にもあまりよくないため、ピーカンは犬には与えない方がいいと考えられます。

松の実(パインナッツ)

松の実は、脂質とリンが多いナッツになります。そのため、松の実を与えると太りやすくなり、さらに腎臓が弱い犬には負担が高くなります。

潜在的に腎臓が弱っていることの多い高齢犬には松の実を与えるのはやめておいた方がいいでしょう。

 

絶対に犬にあげてはいけないナッツ

マカダミアナッツ

ナッツ類は注意点さえ守れば犬に少量与えても問題のないものですが、唯一マカダミアナッツは犬に絶対にあげてはいけないナッツになります。

犬がマカダミアナッツを食べると、数時間以内に中毒症状を起こし、虚脱、嘔吐、運動失調、後肢の不完全麻痺、震え、発熱などが起こると言われています。

マカダミアナッツ中毒のほとんどは、48時間以内に収まってくるとは言われていますが、死亡例があるとも言われており(死亡例がないという記事もあり確かな情報ではありません)、犬に与えるのは危険と考えていただいた方がいいでしょう。

ナッツを食べさせる必要はある?

ナッツ類は、マカダミアナッツを除いて犬に中毒を起こすものではありません。

ただし、以下のように注意点の多い食材であることを頭に入れておきましょう。

  • 消化が悪いのでたくさん与えない方がいい
  • 脂肪分が多く、肥満や膵炎の原因となる可能性がある
  • 殻は消化できない
  • 大きいナッツは丸呑みによる食道閉塞や腸閉そくのリスクがある

基本的に、必要な食材ではありませんので、あえてナッツを食べさせた方がいいということはありません。

まとめ

ナッツは、脂肪分が多く、犬が好んで食べるおやつの一つです。

ただし、消化に悪く太りやすいなど、ナッツを食べるデメリットは少なくありません。また、マカダミアナッツの中毒や古いナッツのカビ毒、大量に与えることで起こる可能性のある膵炎など、ナッツを与えることで犬の命に係わる症状が出てしまうこともあります。

以上のような注意点を踏まえつつ、ナッツを与える場合には少量で適切に処理をしたナッツを与えるようにしてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

後藤大介

岐阜大学農学部・獣医学科(現応用生物科学部・共同獣医学科 ) 卒業。大阪・北海道の動物病院に勤務し、2018年、岐阜市にアイビーペットクリニックを開業。生まれ育った地元で、ペットと家族の幸せのためのお手伝いをしたいと考えています。病気の治療だけでなく、ペットの健康のための情報発信や、地域の飼い主さん同士が交流できるような動物病院を目指しています。