猫とヘビの不思議な関係。猫はヘビを怖がるの?咬まれたらどうなるの?

猫が怒ったとき「シャー」という威嚇の声を発することがあります。

この音がヘビの威嚇音とよく似ているため、猫はヘビを真似していると考える研究者もいます。

確かによく似ていますが、本当にそうなのでしょうか。

今回は、猫の「シャー」という声の謎と猫とヘビの関係、実際に猫がヘビと出会ってしまった際の対処法についてお話します。

 

猫とヘビの関係

猫にとってヘビとは、どのような存在でしょう。獲物?それとも天敵?結論から言えば、どちらも有りうるといえます。

猫の直接の祖先、リビアヤマネコの主食は、基本的には小型のげっ歯類か鳥類ですが、食べるものが少ないなど限られた状況では、ヘビも十分獲物となります。

また、稀なケースですが、大型の毒ヘビ(バイパーやコブラ)を食べたとする記録すらあります。

しかしその一方、大型の毒ヘビはリビアヤマネコにとって、捕食者とまではいきませんが、恐ろしい存在であることは確かです。

飼い猫にとっても同様に、小さなヘビであれば獲物と捕らえるでしょうが、大型のヘビは避けるべき動物として認識しているのかもしれません。

 

猫がシャーという理由

冒頭でも述べましたが、シャーという音がヘビの威嚇音とよく似ているため、猫はヘビを真似しているとの説があります。

さらにその説を支持するような研究があります。

南米の野生猫マーゲイが、タマリンという小型のサルを捕食する時、その子供の鳴き真似をして親を呼び出しているとの報告で、以前から現地住民の間で信じられてきた話を、実際に科学者が目にして確認したという内容です。

この報告から、ネコ科動物が獲物の声真似をするということが確かめられました。

しかしその反面、この研究報告自体が、信ぴょう性に欠けるとの評価もあり、シャー音についてはいまだ議論があります。

このシャーという威嚇方法は、多くのネコ科動物が行いますので、もしかしたら進化の過程のわりと早い段階で取り入れられたのかもしれません。

 

万が一猫がヘビと対面してしまったら

もし、家の中にうっかりヘビが入ってきてしまうなどして、猫と出会ってしまったら飼い主としてどう対処すればよいでしょうか。

1.まずは猫を避難

猫も最初はびっくりして固まっているでしょうが、そのうち確かめようと手を出して咬まれてしまうかもしれません。

猫とヘビが対面している時は、ヘビをなんとかしようとは思わず、まず先に猫を別の場所に退避させることが大切です。

その際、猫は取り乱していることもあるため、引っ掻かれたり咬まれたりしないようバスタオルで包んで運んでください。

もちろん、飼い主さん自身がヘビに咬まれないように注意しましょう。

2.ヘビを捕獲する

毒性のない小さなヘビであれば、ほうきを使って塵取り(柄の長い塵取りがあればなお可)に入れて捕まえ、家の外に出しましょう。

もし毒があることが分かった場合、またはわからなくて対処に困った場合は専門業者を呼びましょう(有料)。

その際、業者が来るまでヘビを部屋に閉じ込め、そこに人も猫も残らないようにしてください。

そして、ドアの下などのすき間をタオルや雑巾で塞ぎ、ヘビが逃げ出さないようにしましょう。

もし、ヘビが死んでいるようであれば、よく種類を確かめて毒蛇かどうか確かめることができます。

ただし、死んでいてもヘビは筋肉の反射によって咬みつくこともありますので、不用意に触ってはいけません。

捨てる際は、やはりほうきで塵取りに入れ、そのまま外に持って行って捨てましょう。

3.猫が咬まれていないかチェック

猫を避難させたら、咬まれたところがないか、毛をかき分けてチェックしてください。

特に、顔や前足といった、咬まれやすい場所を念入りに調べるようにしましょう。

 

万が一猫がヘビに咬まれたら

猫がヘビに咬まれたら、無毒のヘビであっても傷口が化膿することもありますので、直ちに動物病院へ連れていきましょう。

その時、どんなヘビに咬まれたかを報告してください。

ヘビの種類が分からないときは、捕獲前に写真を撮っておけば、獣医師が写真を見て判断できます。

なお、絶対に咬み跡に口をつけ、毒を吸い出そうとしてはいけません。もし口の中に傷があった場合、飼い主さんの体にも毒が入ってしまいます。

日本にいる注意すべき毒蛇「マムシ」

ニホンマムシは、茶色い体に銭形の黒っぽい斑点が特徴の、体長50㎝~1mの小型のヘビです。

日本全国に広く生息し、人家の近くにも出没するため、猫が最も遭遇しやすいヘビといえます。

出血毒で、その毒性は沖縄のハブよりも強いそうです。しかし、体が小さいため量が少なく、危険性は低いとされます。

咬まれると腫れあがって出血し、重篤になると腎不全や呼吸不全を起こして命に関わることも。

しかし猫の場合は、そこまで重篤になるケースは稀で、ほとんど報告がありません。

まとめ

日本では、猫のヘビによる咬傷事例はあまり多くはないので、神経質になり過ぎる必要はありません。

しかし、もしヘビが猫の目の前に現れたら、捕まえようとうっかり手をだす可能性はあります。

完全室内飼いを徹底するなどして、そもそも猫がヘビに出会わないようにしましょう。

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NEKOCLIP

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。