さまざまある猫のウェットフード。適切な選び方、与え方とは?

かつて猫のウェットフードといえば、まぐろの缶詰ばかりでしたが、最近はさまざまな素材を使い、食感や形態もいろいろあります。

あまりにも種類が多くて、いったい愛猫に何を当たればよいのか迷っている人も多いでしょう。

今回は、現在販売されているウェットフードを紹介、その選び方と与えるときの注意点についてお話します。

 

ウェットフードとはどんなフード?

キャットフードは、製法と水分含有量によって、ドライフードとウェットフードに分かれます。

水分含有量が80%程度と高く、アルミトレーやレトルトパウチ、缶詰などに詰められた後に殺菌処理されたものをウェットフードと呼びます。

ドライフードのように加熱発砲処理されていませんので、肉や魚の素材そのままの風味と食感を残し、多くの猫が好みます。

また、柔らかいので子猫から高齢猫まで食べやすいフードでもあります。

メリット

  • 素材の風味と食感が残る
  • 柔らかく食べやすい
  • 水分含有量が多く、水を飲まない猫でも水分を補給しやすい
  • 栄養バランスが猫本来の自然の食事に近い(高たんぱく・高脂肪・低炭水化物)
  • 比較的低カロリー
  • 開封しなければ保存期間がかなり長い
  • 嗜好性が高い

デメリット

  • 柔らかくて歯に歯垢がたまりやすい
  • いったん開封すると、ドライフードよりも腐りやすい
  • 水分が多いため、重量あたりの栄養価は低いため、たくさん食べる必要がある
  • ドライフードよりもコストがかかる
  • ものによっては添加物が多い
 

ウェットフードの種類①「総合栄養食」「一般食」の違い

ウェットフードには、主食として食べるための「総合栄養食」と、嗜好性が非常に高く、トッピングやおやつで食べる「一般食」があります。

他に、病気の治療をサポートするために獣医師が使用するよう栄養の成分量と比率が調整された「療法食」もありますが、これは飼い主さんの判断だけで与えてはいけないフードですので、ここでは詳しく述べません。

総合栄養食とは

総合栄養食とは、そのフードと水だけ与えていれば、猫が必要な栄養をすべて摂取できるように作られたフードで、ペットフードの栄養基準(日本ではアメリカの全米飼料検査官協会の基準)をクリアしたものに表示できます。

年齢やライフステージによって段階別の栄養基準が設定されていて、「高齢猫用総合栄養食」などと表示されます。

一般食とは

総合栄養食と一緒に与えることを前提に、猫の食欲増進、栄養補給、カロリー補給などを目的に作られたフード。

言い換えれば、それだけでは栄養が偏ってしまうため、必ず総合栄養食などの主食とともに与える必要があります。

パッケージには「栄養補完食」「副食」「カロリー補給食」などと表示されます。

 

ウェットフードの種類②形状

かつてはフレーク状のものばかりでしたが、最近は食感や食べやすさにこだわったさまざまな形状のものがあります。

フレークタイプ

昔からある、ツナフレークのようなものです。水分は少なめで、身がぎっしり入っていて食べ応えがあります。

食感も素材そのままです。缶詰やレトルトパウチで販売されており、一般食のラインナップが多いタイプです。

ゼリータイプ

複数の素材、例えば「まぐろとしらす」など、別々の素材をゼリーで寄せてつくられていることが多いタイプです。

ゼリー分が多いと栄養価が低くなるため、選ぶとき注意が必要です。メーカーによってさまざまな味付けがあり、猫の好みも分かれます。

総合食が多いタイプです。

パテ・ムースタイプ

さまざまな素材を混ぜてパテやムース状に加工したもの。

柔らかく、高齢猫や病気の猫のために水やミルクで溶いたりと、与え方に工夫ができます。

アルミトレイや缶詰で販売されていますが、最近では、固めのパテをタブレット状にしているものもあります。総合食が多いタイプです。

スープ・シチュータイプ

スープに素材を浸してあります。ウェットフードの中でも特に水分が多いため、水分補給に適しています。

レトルトパウチやプラスチックカップで売られており、一般食が多いタイプです。

 

ウェットフードを選ぶポイント

愛猫にあったウェットフードを選ぶためには、次のことが大切です。

目的は何か?

主食として与えるか、食欲増進のためトッピングとして与えるのか、水分補給のために与えるのか、目的を考えましょう。

愛猫の好みは?

魚、チキン、ビーフなど愛猫の好みにあった素材を使用しているフードを探しましょう。

日本でよく販売されているウェットフードの大半はまぐろベースで、チキンだけ、ビーフだけというのはなかなかありません。

もし愛猫の好みが肉系であれば、海外ブランドを探してみましょう。

アレルギー対策など

アレルギーを起こしにくい素材は、ラムやマトン、馬肉やシカ肉などが良いとされています。

もしすでに愛猫が食物アレルギーと診断されているのであれば、獣医師に相談して療法食を処方してもらいましょう。

これは、腎臓病や糖尿病など慢性疾患のある猫も同じです。

買うときの注意点

  • 表示をしっかり確認し、添加物が極力入っていないものを選ぶ
  • 本当に食べるかどうかは与えてみないとわからないので、最初はいろいろな種類を1つずつ買って試す
  • 猫は飽きやすいため、1年分など大量に購入しない

ウェットフードの与え方と注意点

1日のカロリー摂取量を守る

ウェットフードもドライフードと同様、パッケージにカロリーと分量の表示があります。

猫の体重に合わせ、1日のカロリー摂取量を守るようにしてください。

ドライフードにトッピングする場合は、全体のカロリーが1日の摂取量を上回らないよう、きちんと計算することが大切です。

腐りやすいので、残ったら捨てる

ラップなどでしっかり封をして冷蔵庫に入れれば数時間なら保存できますが、ウェットフードは水分が多いため腐りやすく、特に夏場の食べ残しは捨てるようにしましょう。

歯磨きは念入りに

ドライフードよりもウェットフードのほうが歯垢がたまりやすいといわれています。

もしウェットフードしか与えない場合は、歯磨きをしっかり行うほうがよいでしょう。

ウェットフード応用編

  • 温めればより風味がアップ、食欲が増します
  • 高齢猫、病気の猫の介護に。高栄養ミルクで溶いてシリンジで与える
  • 投薬に。粉薬を溶かしてシリンジで与える(そのままでもよいが、多くの猫は臭いで警戒して自らは食べないことが)
  • 長期保存ができ、嗜好性も高いため、災害時の非常食として便利。

まとめ

ウェットフードは、猫本来の食性に近い栄養バランスで、嗜好性も高く、病気や高齢猫、幼猫にも与えやすい、とても便利なフードです。

そのいっぽう、重量当たりにすると栄養価が低い面もありますので、ドライフードとうまく組み合わせて、それぞれのデメリットを補って与えるのも上手な活用法です。

とはいえ、猫の好みは一筋縄ではいかないのも事実。いろいろ試して愛猫が気に入るご飯を見つけてください。

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NEKOCLIP

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。