犬のやきもち。その原因・症状・対処法とは【獣医師が解説】

人のことが大好きな犬は、他の人や動物などに対してやきもちを焼くことがあります。

犬同士の関係を大切にする社会性動物である犬は、人にも気に入られていい関係を築きたいという欲求があり、それがやきもちにつながるようです。

今回は、犬のやきもちについてお話いたします。やきもちの原因やそのしぐさ、さらには対処法までしっかり学んでみて下さい。

 

なぜ犬はやきもちをやくのか?

犬は社会性のある動物です。社会の中で人間関係を築く人と同じく、犬も人や他の犬との関係を築きます。

犬は人をボスだと思っていることが多く、そのボスに気に入られることでより安定した生活を送ることができるため、飼い主に可愛がられることは犬にとって本能的にうれしいこととなります。

そのため、その邪魔をするものを嫌い、時にやきもちを焼くことになります。猫は単独行動の動物であり、犬に比べるとやきもち焼きにくいと言われています。

 

やきもちの対象

犬が焼くやきもちの対象は以下の通りです。

人がかわいがるもの

犬は飼い主をボスだと思っていることが多く、そのボスにかわいがってもらうことで喜びを感じます。他にかわいがるようなものに対してやきもちを焼くことが多いです。

  • 他の動物
  • 子ども
  • 恋人など

注意を惹くもの

自分に注目してもらいたい犬の場合には、飼い主が夢中になるような注意をひくものに対してもやきもちをやきます。

  • 飼い主の友人
  • パソコンやテレビ、本など

今まで生活の中になかったもの

今まで自分の生活にない新しいものが入ってきた時に飼い主さんの態度が冷たくなった場合には、その新しいものに対してやきもちを焼きます。

  • 赤ちゃんなど新しい家族
  • 新しいペット
 

犬がやきもちを焼いたときの行動

犬がやきもちを焼いた場合には、以下のような行動を取ることが多いです。

甘える

犬はやきもちを焼くと、人の気を自分に向けようと、飼い主にべったりくっついて甘えるようになることが多いです。

攻撃的な行動

犬のやきもちによる行動で、最も危険なのが攻撃行動です。

犬がやきもちを焼くと、他の人や動物に対して唸ったり攻撃をしたりして、飼い主さんに近づいたり触れ合ったりするのを邪魔することが多いです。

特に赤ちゃんや他のペットなどへの攻撃性は時に重大な事故を引き起こすことがありますので、十分な注意が必要です。

ストレスによる体調不良

やきもちをやくことは、犬自身にとってもストレスであり、そのせいで体調を崩す犬もいます。

やきもちによる体調不良では、ご飯を急に食べなくなってしまったり、元気なく寝ている時間が多くなるということが多いです。

また、ストレスによる体調不良によって、下痢や嘔吐、血便、血尿などをする犬もいます。

問題行動

やきもちによって精神的に不安定になると、トイレの失敗や破壊行動などの問題行動を起こすことがあります。

急な粗相や破壊行動は、何らかの病気が原因になることもありますが、やきもちによって引き起こされることもありますので注意してください。

 

愛犬のやきもちへの対処方法

では、愛犬がやきもちを焼いていると判断した場合には、どうしたらいいのでしょうか?

愛犬をできる限り優先する

特に、子犬や赤ちゃんなど新しい家族を迎える場合、「子犬や赤ちゃんが来たことで自分がないがしろにされた」と犬が感じてしまうと、やきもちを焼いてしまうことが多いです。

できる限り、愛犬との触れ合いを優先して、「子犬や赤ちゃんが来ても自分はかわいがってもらえる」と愛犬が感じられるようにしてください。

やきもちの対象の存在を意識させない

犬が退屈していると、やきもちをやきやすくなります。そ

こで、夢中になって満足感を得られる一人遊びができるおもちゃなどを与えてあげるといいでしょう。

コングなどの知育玩具を与えることもおすすめです。

一人遊びを充実させることで、犬の独立心を育て、飼い主さんへの依存を予防し、やきもちを焼きにくくすることができます。

やきもちの対象と一緒にかわいがる

やきもちの対象がいるときに自分がかわいがってもらえるとわかると、愛犬に仲間意識が芽生えることがあります。

子犬や赤ちゃんがいるときに一緒に愛犬を可愛がってあげると「子犬や赤ちゃんがいる方が自分も可愛がってもらえる」とわかり、仲間意識から攻撃性が低下したり仲良くできるようになることがあります。

やきもち対策がうまくいかないときには

上記のような対策をしてもやきもちが軽減しない時には、以下のようなことを考えましょう。

病気の可能性を考える

やきもちだと思っていても病気が隠れていることがあります。以下のような病気は、やきもちと間違えることがあります。

痛みを伴う病気

関節炎や椎間板ヘルニア、口内炎などの痛みを伴う病気では、その痛みによるストレスから攻撃性や問題行動等、やきもちと同じような症状を出すことがあります。

分離不安症

分離不安症は、飼い主さんと離れることで極度の不安を起こす病気です。

分離不安症の犬は、飼い主さんのいないところで攻撃性や問題行動等を起こすことが多く、やきもちを焼いていると勘違いされることがあります。

分離不安症がエスカレートすると、飼い主さんの注意を引こうとして、飼い主さんが家にいる時にもさまざまな問題行動を取るようになることがあります。

脳腫瘍

高齢犬には脳腫瘍が発生することがあります。

脳腫瘍は発生部位によってさまざまな症状を引き起こしますが、その一つが性格の変化です。突然甘えるようになったり、逆に攻撃性が出て来るなど、やきもちと勘違いしてしまうこともあるので注意が必要です。

動物病院に相談する

病気の可能性がある場合には、まずは動物病院で相談してみましょう。

動物病院では、病気の可能性があるのかどうかの検査をしてもらえるだけでなく、獣医師や看護師から、動物の専門家としてのやきもち対策のアドバイスをいただけることも多いです。

トレーナーに相談する

ドッグトレーナーは犬の行動の専門家です。しつけだけでなく、犬のやきもちなども治したり対策を立ててくれることがあります。

動物病院でいいアドバイスがもらえない場合には、動物病院からトレーナーさんを紹介してもらってもいいでしょう。

まとめ

犬は人といい関係を築きたいと考えるあまり、時にやきもちを焼いてしまうことがあります。

軽く甘えるくらいであればかわいいものですが、やきもちを焼いて子供や他の動物を攻撃してしまうと、犬も家族も不幸になってしまうこともあります。

やきもちの原因を理解しておき、特に新しい家族やペットを迎えた場合には、やきもちがエスカレートしてしまう前にしっかり対策を立ててくださいね!

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ABOUTこの記事をかいた人

後藤大介

岐阜大学農学部・獣医学科(現応用生物科学部・共同獣医学科 ) 卒業。大阪・北海道の動物病院に勤務し、2018年、岐阜市にアイビーペットクリニックを開業。生まれ育った地元で、ペットと家族の幸せのためのお手伝いをしたいと考えています。病気の治療だけでなく、ペットの健康のための情報発信や、地域の飼い主さん同士が交流できるような動物病院を目指しています。