犬にもある眉毛。その意外な役割やお手入れ方法とは【獣医師が解説】

犬の顔は毛で覆われており、ヒトのようにはっきりとわかる眉毛はありません。

しかし、よくよく見てみると、実は犬にも眉毛があるのです。

犬の眉毛は犬種によってさまざまなタイプがあり、眉毛が長い犬・眉毛が濃い犬・眉毛がほとんどわからない犬など個性も多彩です。

今回は犬の眉毛についての記事です。犬の眉毛の役割やお手入れ方法についても詳しく解説いたします。

 

犬には眉毛がある?

犬の眉毛は非常にわかりずらいですが、基本的にすべての犬に眉毛は存在します。

犬の眉毛は数本

犬には、ヒトのように密集した眉毛は存在せず、目の内側(目頭の方)の上方に数本長い毛が生えています。

そのため、ぱっと見では犬には眉毛がないように見えるので、しっかり観察しないと眉毛を見つけることはできません。

眉毛の色はばらばら

犬の眉毛の色は犬によってさまざまです。顔の毛と同じ色の犬もいれば、顔の毛と違う白や黒の眉毛を持つ犬もいます。

時々、「眉毛犬」や「マロ犬」などといって、ヒトの眉毛のように目の上に周囲と色の違うラインが入った犬がいますが、それは単なる柄であり、眉毛とは違います。

眉毛と顔面の毛との違い

犬の眉毛には、顔面に映える普通の毛と比べ、以下のような違いがあります。

  • 眉毛は他の毛よりも太い
  • 意識的に動かすことができる
  • 触覚毛とも呼ばれ、単に皮膚を覆うだけでなく触覚としての働きもある
 

犬種による眉毛の違い

眉毛に特徴を持つ犬種は以下の通りです。

眉毛が濃い犬種

以下のような犬種は濃い眉毛を持ち、おじいさんのように目に覆いかぶさるように伸びることもあります。

  • ミニチュアシュナウザー
  • ヨークシャーテリア
  • シーズーなど

長く強い眉毛を持つ犬種

以下の犬種は、比較的しっかりとした長く強い眉毛を持っていることが多いです。

  • 柴犬
  • ゴールデンレトリーバー
  • コリーなど
 

犬の眉毛の役割

犬の眉毛には、以下のような役割があると言われています。

触覚

犬の眉毛には感覚機能が備わっており、眉毛が振動したことを感じることができると言われています。

そのため、何かが近づいてきたりすると、見ていなくても眉毛で感じることができます。

下を向いていたり目を閉じていたりした時の、視覚の補助になると考えられています。

感情の表現

犬は言葉をしゃべることができないため、感情の表現のために体を使います。動物の中でも犬は表情筋が発達しており、感情を表現する顔の表情を色々と作ることができます。

眉毛が動くときの一つの感情表現が、怒りの表情です。犬が怒って威嚇するときには、鼻の上にしわを寄せるのと同時に眉毛を寄せた表情になります。

それ以外には、大好きな飼い主さんを見たときには、犬は左の眉毛を上げるという調査結果もあるようです。

愛犬の眉毛の動きに一度注目して確認してみて下さいね!

 

眉毛のお手入れ

犬は基本的に眉毛のお手入れは必要ありません。

ただし、

  • ミニチュアシュナウザー
  • ヨークシャーテリア
  • シーズー

など眉毛が濃い犬種では、時に眼に入ったり毛玉ができてしまうことがあるため、眉毛のお手入れが必要になります。

お手入れ方法

カット

眉毛が伸びすぎた場合には、目に入って目やにや結膜炎の原因となります。眉毛が長くなり過ぎたらカットしてあげましょう。

ブラッシング

眉毛に汚れが付いていたり、毛玉になりかけている場合にはブラッシングも効果的です。

お手入れ時の注意点

目にハサミやブラシを当てない

目の表面は非常に繊細です。ハサミやブラシが当たってしまうと、目の表面に傷ができる角膜潰瘍になってしまうことがあります。

ひどい場合には、角膜に穴が開く角膜穿孔や、最悪、眼球破裂をしてしまう可能性もあります。

犬はじっとしてくれないので、注意深くゆっくりお手入れしましょう。

皮膚を切らない

犬の皮膚は薄く伸びます。

瞼の毛をカットしたりブラッシングするときには瞼の周りの皮膚が伸びますので、一緒にカットしたり、ブラシで傷つけてしまわないように注意してください。

必要以上にカットしない

犬の眉毛には感覚の補助の機能もあります。

野生で生きて行かなくてもいい現代の犬ではあまりその能力は重要ではないですが、目が不自由な犬では、眉毛で何かが近づいているのを察知している可能性があります。

目が不自由な犬では特に、必要以上に眉毛を切らないようにしましょう。

まとめ

犬の眉毛は、その見た目や役割がヒトの眉毛と大きく異なります。

しかし、どの犬にも眉毛があり、その形や動きで愛犬の表情を作っています。この記事を参考に、一度愛犬の眉毛に注目してみてください。

眉毛の意外な動き方を発見したり、今まで気付かなかった愛犬の感情がわかるかもしれませんよ!

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ABOUTこの記事をかいた人

後藤大介

岐阜大学農学部・獣医学科(現応用生物科学部・共同獣医学科 ) 卒業。大阪・北海道の動物病院に勤務し、2018年、岐阜市にアイビーペットクリニックを開業。生まれ育った地元で、ペットと家族の幸せのためのお手伝いをしたいと考えています。病気の治療だけでなく、ペットの健康のための情報発信や、地域の飼い主さん同士が交流できるような動物病院を目指しています。