くるくる変わる猫の瞳孔。どんな仕組み?気づくべき病気の兆候とは?

猫の最大の特徴ともいえる、猫の瞳。針のように細くなったり、真ん丸に開いたり。さまざまな表情を私たちに見せてくれます。

瞳の開閉は、ご存知のように光の量を調節するためになされますが、意外にも感情の動きともリンクしています。

今回は、くるくる変わる猫の瞳のしくみについて詳しくお話します。

しくみを知っていれば、デリケートな猫の目を守るためにも、病気の早期発見につながりますよ。

猫の瞳孔はどうしてそんなに変化をするの?

動物の瞳孔は、丸い形以外にも、猫のように縦長になるもの、ヒツジや馬のように横長のもの、イルカのように三日月形のもの、さまざまな形があります。

これらの瞳孔の形は、それぞれの動物のライフスタイルに合わせて適応した結果と考えられています。

縦長や横長は、丸形よりも開閉の差が大きく、つまり光量を調節する機能に長けています。

丸いと15倍程度の光量の差にしか対応できませんが、縦長、横長だと100倍以上の光量差にも対応できるのだそうです。

猫の瞳も、真ん丸の状態から幅たった1㎜にまで瞳を絞ることができて、わずかな光をとらえることができるデリケートな猫の目を、昼間の強い光から守っています。

しかも縦長の瞳は開閉スピードも速く、優れた光量調節能力を持っているのです。

猫の瞳孔はどうして縦長になったの?

これについては、いくつかの説が考えられます。1つは猫が夜行性であるから。

夜行性であるため、ほんのわずかな光を感じなければなりません。

その実、猫の視細胞は、このわずかな光をとらえる役割の細胞数が多くなっています。そのために光の感受性が強く、ちゃんと調節できないと目を傷めるので、効率の良い縦長の瞳になったと考えられます。

もう1つは、猫にとって高い所への移動が重要であり、そのライフスタイルに瞳孔の形が適応したからとされています。

また、最近の研究で、猫が捕食者であることが、瞳を縦長にする重要な役割を果たしていることがわかってきました。細長い瞳は垂直のラインを際立たせ、水平方向の映像はボケやすいのだそうです。

これは、特に地面にいる獲物を見るときに、獲物との距離感をつかむのに役立っているということです。

[Why do animal eyes have pupils of different shapes?]

どんな時に変化する?

猫の瞳孔は光を調節するときだけでなく、感情によっても変化します。

なぜなら、瞳孔の開閉が自律神経によって行われているからです。

多くの飼い主さんも見たことがあると思いますが、おもちゃを目の前で振ったりすると、カッと目が見開かれ、瞳孔も真ん丸になっていませんか?

獲物やおもちゃなどに対して、興味津々という気持ちになった時に瞳孔は開きます。反対に怒っている時には、キュッと細くなります。

猫の目に関わる病気を見つけるための観察ポイント

目の構造はとても複雑で、まぶた、結膜、角膜、瞬膜、水晶体、硝子体、網膜などさまざまなパーツでできています。

目には、このようなパーツごとにいろいろな病気があり、さらに、物を見るためには脳の機能も大きく関係するため、脳の病気も念頭に置く必要があります。

目の病気や視力の異常を早期に見つけるためには、日常から次のような点に気を配って観察することが大切です。

まぶたに異常がある

まぶたがめくれていたり、内側にはいりこんでいたり、腫れて開きづらくなっていないか確認しましょう。

瞬膜に異常がある

瞬膜が出っぱなしになっている(体調が悪い時も出ます)、腫れていることはないか見てみましょう。

目ヤニが多い

目ヤニには、サラサラした水のような目ヤニ、ドロドロの粘液のような目ヤニがあります。どのような性質の目ヤニなのかをよく観察しましょう。

目に痒みがある/痛みがある

目が痒い、または痛みがあると、猫は前足で目を搔く仕草をしたり、目をどこかにこすりつけたりします。

痛みが酷いと何度も瞬きをし、まぶたが痙攣したように見えることも。痛くて顔を触らせてくれないこともあります。

目の色がおかしい

ぱっと目を見て、赤味がある、白濁しているといった症状がないか見てみましょう。

瞳孔の開き方がおかしい

昼間の明るい時間帯なのに、瞳孔が開きっぱなしになっていたり、瞳孔の開き方が左右で違ったりする場合は、視覚や脳に異常があるかもしれません。

目の動き方

眼球だけが規則的に左右・上下に揺れ動いたり、回転したりしているときは、脳や耳に異常がある可能性があります。

視力低下の早期発見のために気をつけるべき「行動」

目ヤニや目の色の異常は比較的わかりやすいのですが、瞳孔の開き方や目の動きはよく観察していないとなかなか気づきづらいものです。

猫は病気を隠しますし、馴れた空間では多少目が見えづらくても、あまり普段と変わらないように行動できます。

猫の目の異常は脳の病気の可能性もありますし、できるだけ早く見つけることが肝心です。

そのためには、目自体の異常だけでなく、次のような行動の異常にも気を配りましょう。

目と目が合わない

名前を呼んだ時などに、振り向きはするものの、お互いの視線が合わないことがあれば視力の低下が疑われます。

物にぶつかるようになった

高齢でもなく、足腰はしっかりしているのに、物にぶつかるようになったと感じたら、視力が低下しているかもしれません。

高い所にいかなくなった

物が良く見えていなければ、高い所にジャンプすることが難しくなります。

高齢でもなく、足が痛そうなわけでもなく、あまりジャンプしなくなったと感じたら獣医師に一度相談しましょう。

視力の有無を確かめる方法

猫の目が見えているか、見えていないかを調べるとき、猫の顔の近くで何かを動かしたりしても判断はできません。

なぜなら、猫には感度のよいヒゲが備わっていて、動きに伴う空気の振動をキャッチしてしまうからです。

そこで、視力の有無をみるには、離れた場所で音を立てないように手を左右に動かし(手でなくてもかまいませんが、音が出ないものを振りましょう)、猫が手を目で追うかを確かめてください。

鳥の羽や綿など音のしないものを目の前で落とす、という方法もあります。

まとめ

目の病気は、適切に治療しなければ視力障害を引き起こしてしまうこともありますし、脳の病気では一刻を争う場合もあります。

猫の目はとてもデリケート。飼い主さんが日常から注意深く観察し、できるだけ早く病気に気づいて獣医師に相談することが大切です。

特に、視力に問題がある、目を痛がっている、目以外にも全身症状がある場合は早急な対応が必要です。

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NEKOCLIP

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。