犬にも消化の良い野菜「カブ」。与えるときに気を付けたいこと【獣医師が解説】

春の七草の一つ、スズナこと「カブ」。冬が旬の野菜です。しゃきしゃきの食感は犬が好むことも多く、カブを食べるという犬もいます。

カブは犬が食べてもいい野菜ですが、いくつかの注意点があります。カブの特徴や犬に与える際の注意点を知り、安全に犬に与えられるようにしておきましょう。

カブとは?

カブはアブラナ科に分類される野菜です。

犬が食べても大丈夫?

カブは犬に与えても問題のない野菜です。野菜の中では比較的消化吸収も良く、犬に安全に与えられる野菜です。

しかし、いくつか注意点はありますので、しっかり守って与えるようにしてください。

カブに多く含まれる成分

カブは葉っぱも根も食べることのできる食材です。それぞれに少し栄養組成が違いますが、以下のような成分が多く含まれています。

ビタミンC

カブの葉にも根にも多く含まれているのが、ビタミンCです。

アミラーゼ

アミラーゼは唾液や膵臓から出る消化液に多く含まれる消化酵素です。

アミラーゼはデンプンなどの炭水化物を分解する消化酵素であり、アミラーゼを多く含むカブは犬にも比較的消化が良い野菜となります。

β-カロテン

β-カロテンは特にカブの葉に多く含まれる栄養素であり、ビタミンCと同じく体の老化に関わる酸化を防いでくれる成分です。

また、粘膜の機能を高めてくれるビタミンA働きも補ってくれるため、免疫力の向上にも役立つ栄養素です。

イソチオシアネート

イソチオシアネートカブの独特の辛みのもとであり、殺菌作用があると言われています。

また、イソチオシアネートは消化機能を高める働きも持っています。

カブを与えるメリット、デメリット

カブを犬に与えるのには、メリットっもデメリットもあります。

メリット

カブを犬に与えるメリットは以下の通りです。

野菜の中では消化がいい

肉食に近い食性を持つ犬にとって、野菜はあまり消化のいいものではありません。

しかし、カブにはアミラーゼやイソチオシアネートなど消化を助ける成分が多く含まれています。

そのため、カブは他の野菜に比べると、犬が消化しやすい野菜であり、消化不良を起こしにくいと考えられます。

皮膚や粘膜の健康に良い

皮膚に優しいビタミンC、粘膜の健康を維持するβ-カロテンが豊富なため、カブは皮膚や粘膜にとって良い食材です。

免疫が弱い犬にも、粘膜を健康に保ち、殺菌成分を含むカブは健康に良い食品だと言えるでしょう。

デメリット

一方で、カブには以下のようなデメリットもあります。

アレルギーの可能性がある

カブの成分に対し、アレルギーを起こす犬もいます。特に、犬に初めてカブを与える場合にはアレルギー反応に注意が必要です。

消化不良を起こす可能性もある

野菜の中では消化に良いカブではありますが、犬にとって消化が得意な食材ではありません。アミラーゼでも食物繊維は分解することができないため、大量に食べると消化不良を起こすことがあります。

甲状腺機能低下症に注意

カブにはゴイトロゲンという成分が含まれており、胃腸からのヨウ素の吸収を妨げ、甲状腺ホルモンの合成に影響する可能性があると言われています。

犬の甲状腺に対するカブの影響は不明ではありますが、甲状腺機能低下症と診断されている犬や、甲状腺機能低下症が起きやすい高齢犬ではカブを大量に与えないようにしましょう。

カブを与える際の注意点

カブを犬に与える場合には、以下のような点に注意をしてください。

与える量

アレルギーや消化不良の可能性がありますので、最初は少量から与えるようにしてください。

特に食べた後に問題がなければ少しずつ増やしていってもいいですが、小型犬であれば1日10~20g、大型犬でも50g程度にしておいた方がいいでしょう。

それ以上食べると消化不良や栄養バランスの崩れなどの心配があります。

腎臓や心臓などに持病を持っている犬では、与えすぎによるミネラルバランスの崩れを起こしやすいので、健康な犬よりも少なめに与えることが大切です。

調理方法

カブには以下のような調理方法があり、犬にはカブおろしや葉のおひたしがおすすめです。

カブおろし

生のカブをすりおろした、大根おろしならぬ「カブおろし」は、熱に弱い酵素をしっかり取れる食べ方としておすすめです。

そのままでは食べない犬も多いので、フードなどにかけて食べさせてあげてください。

カブの根をスライスして与えるのも、すりおろしと同じくビタミンや酵素を壊さずに食べるためによい方法です。

葉のおひたし

カブの葉を2~3分煮たおひたしは、食物繊維が多く犬の満腹感を高めてくれるため、ダイエット中の犬にはおすすめです。

ピクルス(漬物)

カブのピクルス(漬物)も犬に食べさせてもいいですが、塩分が多いので少量にしておいてください。

カブを与えた後に注意をすること

カブを与えた後には、以下の点に気を付けて見てあげましょう。

下痢・嘔吐

特に食物繊維の多いカブの葉をたくさん食べさせると、消化不良を起こすことがあります。食べた後の便の状態や嘔吐物の有無、さらには食欲の変化などはしっかり見ておく必要があるでしょう。

皮膚の痒みや赤み

カブを初めて与える場合には、アレルギー反応である皮膚の赤みや痒みに要注意です。

もし、カブを与えて数時間~1日程度で皮膚に異常が出る場合にはアレルギーの可能性があるので、以降はカブを与えないようにしましょう。

カブはわざわざ食べさせる必要はない

カブは比較的与えやすい野菜ではありますが、わざわざ犬に与える必要はありません。

ドッグフードには必要栄養素がすべて含まれる

良質のドッグフードには、犬に必要な栄養成分はすべて含まれています。

そのため、カブを与える意味はあまりなく、わざわざ与える必要はありません。それでも与えたい場合には、注意事項を守って与えるようにしてください。

まとめ

カブは野菜の中では消化の良い食材であり、犬にも比較的安心して与えられる野菜です。

根にも葉にもいろいろな栄養素が含まれており、ダイエット中の犬の満腹感を増してあげるフードとしても有効です。

わざわざ与える必要はありませんが、与えたい場合には注意事項を守りながら、体調不良がないことを確認して少しずつ与えるようにしてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

後藤大介

岐阜大学農学部・獣医学科(現応用生物科学部・共同獣医学科 ) 卒業。大阪・北海道の動物病院に勤務し、2018年、岐阜市にアイビーペットクリニックを開業。生まれ育った地元で、ペットと家族の幸せのためのお手伝いをしたいと考えています。病気の治療だけでなく、ペットの健康のための情報発信や、地域の飼い主さん同士が交流できるような動物病院を目指しています。