犬の健康にも良い!?ココナッツを与えるときの注意点とは【獣医師が解説】

健康に良い食品というイメージの強いココナッツ。「愛犬の健康にも良いのでは?」と思ったことはありませんか?

ココナッツは犬が食べてもいい食材であり、いくつかの健康面でのメリットがあります。

その一方、犬にココナッツを与えるには少し注意点が必要となります。

今回の記事でココナッツについて知り、犬に安全にココナッツを食べさせるための注意点について勉強してみましょう。

ココナッツとは?

なんとなく健康に良いイメージのあるココナッツ、どんな食材なのでしょうか?

犬が食べても大丈夫?

ココナッツは犬が食べても大丈夫な食材です。またココナッツは食べるだけでなく、ココナッツオイルなどは保湿剤やシャンプーの成分として犬の健康維持に使われることもあります。

部位や加工方法によって違うココナッツ成分は?

ココナッツは、食べる部位や加工方法によって、大きく3種類の食材に分類されます。

ココナッツウォーター

ココナッツの内部に含まれる水の部分です。安全な飲料水を手に入れることの難しい熱帯では、水分補給のために飲料として使われることが多いです。

ココナッツウォーターには、電解質やミネラルが豊富に含まれており、「飲む点滴」と言われるほど栄養価の高い水となります。

ココナッツパウダー

種子の栄養成分が詰まった部分である「胚乳」(はいにゅう)を乾燥させて粉にしたものがココナッツパウダーです。

ココナッツパウダーには、ビタミン・ミネラルに加え、食物繊維と中鎖脂肪酸が豊富に含まれています。

ココナッツミルク(オイル)

成熟した胚乳を煮て裏ごしし、荒布で絞った成分がココナッツミルクと言われます。

ミルクの成分のうち油分だけを抽出したものがココナッツオイルとなります。

ココナッツミルクには、脂質の他にビタミンやミネラル、食物繊維が含まれています。ココナッツオイルには良質な脂質が非常に多く含まれます。

ココナッツを与えるメリット、デメリット

ココナッツは犬にとってメリットもデメリットもある食材です。

メリット

ココナッツを犬に与えるメリットは以下の通りです。

ミネラルやビタミンが豊富

ココナッツにはミネラルやビタミンが豊富に含まれており、ココナッツから作られるどの食材からもミネラルやビタミンの補給が可能となっています。

ミネラルやビタミンは体の調子を整えるために重要な微量栄養素であり、ドッグフードよりもおやつを多く食べている犬では不足することが多くなります。

太りにくい

ココナッツオイルには多くの中鎖脂肪酸が含まれます。

中鎖脂肪酸は脂肪の一種ではありますが、エネルギーに変わりやすく太りにくい脂肪だと言われています。

脂肪分が好きな犬でも太りにくいおやつやトッピングとしてココナッツを食べさせてあげることができます。

また、ココナッツには多くの食物繊維が含まれています。

食物繊維は消化吸収しにくいため、ココナッツは犬に低カロリーでも満腹感を与えてくれます。

デメリット

一方で、犬にココナッツを与えるデメリットもあります。

食べ過ぎると太る

中鎖脂肪酸は太りにくい脂肪成分ではありますが、全く太らないわけではありません。

ココナッツミルクなど脂肪分の多い加工品を食べすぎると肥満になりやすくなりますので、注意してください。

消化に良くないケースもある

ココナッツは、食べ過ぎると消化不良から下痢やおう吐をすることもあります。一気に大量に与えないようにしてください。

ココナッツを犬に与える際の注意

与える量

ココナッツは犬に危険なものではありませんが、食べさせすぎると消化不良を起こしたり太ったりします。

あまり大量に与えないようにしましょう。

ココナッツを与えてもいい量の決まりはありませんが、少量ずつ与えるようにしてください。

ココナッツの加工品の注意点

ココナッツからとれるそれぞれの加工品の注意点は以下の通りです。

ココナッツウォーター

カリウム含有量が多いため、腎臓病を持っている犬や薬を飲んでいる犬には与えない方がいいでしょう。

ココナッツパウダー

食物繊維と脂肪酸が多いため、大量に与えると下痢をします。便の調子を見ながら与えるようにしましょう。

ココナッツオイル

カロリーが高いため、食べ過ぎると肥満や消化不良の原因となります。カロリーオーバーにならないよう与えてください。

ココナッツを与えた後の注意点

ココナッツを犬に与えた後には、以下のような点に注意してください。

下痢や嘔吐はないか

ココナッツは脂肪酸を多く含むため、特にココナッツオイルやココナッツミルクは消化不良から下痢やおう吐を起こしやすいです。

食べた後の便の状態や食欲などを注意して見てあげてください。

皮膚の痒みや赤みはないか

ココナッツを含むナッツ類は、比較的強いアレルギー症状を引き起こす可能性のある物質です。

特に最初の数回はアレルギーが出る可能性がありますので、食べて24時間以内に皮膚の痒みや赤みなどが出てこないか注意して見てあげてください。

アレルギー反応が出てしまった場合には動物病院で診てもらいましょう。

また、アレルギー反応は2度目、3度目の方が激しくなることがあるので、ココナッツを食べてアレルギーが1度でも出た場合には次からは食べさせないようにしましょう。

ココナッツはわざわざ食べさせる必要はない

健康にとってメリットもあるココナッツですが、わざわざ犬に与える必要はありません。

ドッグフードだけでも栄養は十分

ドッグフードには犬に必要な栄養素はしっかり含まれています。

そのため、質の良いドッグフードを与えることの方が、ココナッツを与えることよりも犬の健康には役立ちます。

ただし、おやつやコミュニケーションのために与えることは悪いことではありません。

その場合には、上記の点に注意をして与えるようにしてください。

まとめ

ココナッツは人にも犬にも健康にメリットのある食材です。

しかし、与え方や量を間違えると犬の健康を害する可能性もゼロではありません。

ココナッツを犬に与えた方がいいというわけではありませんが、もし与える場合にはこの記事を参考にその量や与え方をしっかり守って与えるようにしてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

後藤大介

岐阜大学農学部・獣医学科(現応用生物科学部・共同獣医学科 ) 卒業。大阪・北海道の動物病院に勤務し、2018年、岐阜市にアイビーペットクリニックを開業。生まれ育った地元で、ペットと家族の幸せのためのお手伝いをしたいと考えています。病気の治療だけでなく、ペットの健康のための情報発信や、地域の飼い主さん同士が交流できるような動物病院を目指しています。