これってガン?猫の体のできものは早期発見が大切です。

猫は全身毛に覆われているため、体の「できもの」に飼い主さんがなかなか気づかないことがよくあります。

見つけたときには重症化していた、ということも。

万一それが悪性腫瘍であったとしたら、命に関わる事態になりかねません。

しかも猫は犬に比べて腫瘍が悪性である場合が多く、できるだけ早く見つけてあげることが肝心です。

今回は、猫のできもののうち、主に腫瘍と考えられるものの見分け方と種類、早期発見の方法についてお話します。

猫のできもの

できもの(腫瘍)は、体のいろいろなところにできます。

皮膚だけではなく、口の中や頭の中、体の中にもでき、イボ状のもの、しこり状のもの、潰瘍状のものなど、大きさ、形状、硬さ、色もさまざまです。

良性と悪性の見分け方

良性と悪性を見た目だけで判断することは、実はとても危険です。大丈夫だろうと思って実際検査したら、悪性だったということはよくあることです。

以下はあくまでも目安であって、必ず動物病院で検査し、正確な診断をしてもらうようにしてください。

良性の可能性が高いできもの

  • 色が皮膚と同色である
  • 境界線がはっきりしていて、形が崩れていない
  • 水泡状である
  • 皮膚と一緒に動く(皮膚の表面だけにできものがある)

悪性の可能性が高いもの

  • 赤味がある、黒ずんでいる
  • 液が出てジクジクしている
  • 脱毛がある
  • 境界線が不明瞭で形が崩れている
  • 皮膚の下にもできものが続いているように感じる
  • 急速に大きくなっている(1週間で倍の大きさに、など)

悪性腫瘍であることが多い部位

  • 口腔内
  • 鼻腔内
  • 内臓
  • 指先
  • リンパ腺
  • 皮膚
  • 血液

これもあくまで目安です。下記以外の部位にあるからと言って100%良性であるわけではありません。

しかも良性だからといって、治療が不必要なわけではなく、例えば呼吸器にできものができて大きくなれば、それだけで命に関わります。

猫に多い悪性腫瘍

猫に多い悪性腫瘍について紹介します。

リンパ腫

白血球のうちのリンパ球が腫瘍となるガンで、猫白血病ウイルスに感染している猫に発症率が高いといわれます。

リンパ球が集まる、体のさまざまな場所にできますが、部位によって症状が異なり、消化器型、皮膚型、縦郭型、鼻腔内型などがあります。

体の内部にできる場合、見た目では発見が難しく、食欲不振、下痢や嘔吐といった症状からわかることがほとんどですが、お腹を慎重にさわるとしこりが見つかることもあります。

皮膚型リンパ腫は、皮膚にできるしこりや潰瘍などによって発見することができます。

扁平上皮癌

扁平上皮細胞が腫瘍化するガンで、皮膚や口、鼻の粘膜などにでき、特に毛の薄い部分、耳や鼻、目といった顔の周辺にできやすいとされています。

最初は擦り傷やちょっと皮荒れ程度であったものが、なかなか治らず酷くなっていき、ただれや潰瘍化し、耳に発症すると耳介が落ちてしまうことも。

どんなガンも辛い病気ですが、扁平上皮癌は猫にとっても飼い主さんにとってもとても辛い病気です。

軽い皮膚炎や傷と放置せず、早めに診断を受けるようにしましょう。

乳腺腫瘍

乳腺にできる腫瘍です。

犬よりも発生率は少ないですが、発生するとその9割は悪性とされ、治療が難しいうえ、他の臓器へ転移しやすい腫瘍です。

特にメス猫では、乳腺にしこりがないか定期的に確認したほうがよいでしょう。

猫も気にしてしきりに舐めることもありますので、そのような行動が見られたら触って確かめましょう。

線維肉腫肉腫

線維細胞が腫瘍化するガンで、体のいたるとことに発生します。局所的で転移は少ないのですが、浸潤性が高く再発率も高いガンです。

猫の場合、ワクチン接種後に注射を打った場所にできる「ワクチン関連肉腫」も考慮に入れる必要があります(ワクチン以外の注射でも発生する可能性も指摘されています)。

悪性度が高く、抗がん剤にも反応しにくい治療が難しいガンです。

猫にワクチンを接種する場合はその可能性も含め、接種部位を主治医とよく相談するようにしましょう。

ワクチン接種後は、その部位にしこりがないかしばらく観察することも大切です。

早期発見のために飼い主さんができること

できものやしこりを早期発見するために、日常のケアで飼い主さんにもできることがあります。

数日~1週間に1度はマッサージケアを

できるだけ定期的に猫の全身を触り、できものやしこりがないか確認することが大切ですが、マッサージケアと一緒に行うことがお勧めです。

猫も気持ちいいですし、ただ触るよりも我慢してくれます。顔周り、首から背中にかけて、手足、脇腹、お腹とチェックしていきましょう。

触られることが嫌な猫に対しては無理をせず、受け入れてくれる部位から始め、徐々に範囲を増やしてください。

決して強く揉まず、やさしいタッチで軽く撫でるようにしましょう。もしできものを見つけたら、触りすぎないよう注意してください。

触ることでしこりが成長してしまうこともありますので、そのままにしてできるだけ早く動物病院を受診しましょう。

ちなみに、猫のお腹には4対の乳首があり、人と同じようにおへそもあります。できものと間違えてあわてないよう、普段からどんなものか見ておくとよいでしょう。

猫の様子をよく観察する

日常生活で、以下のような行動や症状が見られないか日々確認するようにしましょう。

  • 毛づくろいのときしつこく舐めていないか
  • しょっちゅう気にしている場所がないか
  • 痒そうにしていないか
  • 歩くとき跛行していないか
  • 嘔吐・下痢がないか
  • 食欲不振がないか
  • 体重が減少していないか

自己判断せず、動物病院で検査を受けましょう

できものを見つけたら、できるだけ早く動物病院で検査を受けて、腫瘍なのか、悪性か良性かを判断する必要があります。

悪性腫瘍であれば、早期に治療を開始することが良い予後につながるからです。

受診の際は、いつ発見したのか、発見してから形状や大きさにどのような変化があったのか、他にどのような症状があるのかを獣医師に伝えるようにしましょう。

獣医師に聞くべきこと

悪性腫瘍であった場合、治療方法、治療期間に加え、副作用やリスクも確認してください。

費用を聞くことも大切で、場合によっては数十万円かかることもあります。

愛猫の性格を考慮し、できるだけ長くQOLを保つ方法を探しましょう。場合によってはセカンドオピニオン、サードオピニオンを活用し、多くの意見・選択肢の中から選ぶことも後々後悔しないための1つの方法です。

できものの原因が特定できず経過観察と言われた場合は、患部のケアの方法と、どのような変化があれば再受診すべきかを獣医師に確認しましょう。

まとめ

できものやしこりは、もともと気づきにくいうえに、気づいていたとしても単なる皮膚炎や傷と思って見過ごされがちです。

手遅れにならないように、ちょっとした異変でも獣医師に相談することが大切です。

関連記事

 
 

ABOUTこの記事をかいた人

NEKOCLIP

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。