子猫を飼うとき、譲るとき、何か月齢が適切?子猫の親離れとは

猫の親子関係においても、人と同じように「親離れ」という時期を迎えます。

それまでは母猫も子猫も互いにべったりの関係だったのに、離乳後、母猫は子猫が鬱陶しくなり、近づくことも嫌がるようになります。

また、子猫も母親に依存することが少なくなり、距離を置くようになります。

今回は、子猫や母猫にとって親離れとは何かについてお話しします。

子猫を飼う時、あるいは子猫を譲渡する時、どのくらいの月齢になるまで待つべきか、参考にしていただければ幸いです。

子猫を育てるのは母猫の役割

家で飼育されている場合はオス猫が子育てに参加することもありますが、基本的に父親は子猫に無関心です。

つまり、母猫が単独で子育てすることがふつうです(親族のメス猫が共同で世話をすることはあります)。

食事・排泄の世話はもちろん、暑さ・寒さ、そして危険から子猫を守り、さらには衛生状態も維持してくれるなど、母猫は子猫にとってまさに命綱。

この濃密な関係は、子猫が離乳するまで続きます。

子猫の成長と社会化

子猫は生後1か月ごろから社会化期が始まり、兄弟や母猫との遊びを通じて、猫としてのルールや社会性を獲得していきます。

本来動物は同種間内で社会化が起こりますが、猫は家畜化されているため、人や犬といった他の動物に対しても社会化が起こります。

猫同士であれば、生後3~6週、人に対しては2~7週が社会化の感受期とされています。

ただ、犬と違って終わりの時期ははっきりとしておらず、ある程度大きくなってからも多少は社会化できるとされています。

社会化期を過ごすことは子猫にとって大切なこと

猫にとって社会化期に親兄弟と共に過ごすことは非常に重要で、もし社会化期が終わる前に無理に親兄弟から離されると、子猫に噛み癖がついたり、神経質な性格になるなどの問題が起きると考えられています。

そのため、動物管理法によっても49日齢(56日に改正予定)を経過しない子猫の販売や販売のための展示・引き渡しは禁止されています。

親離れとは

猫の親離れは、子猫の社会化期後、3か月~6か月齢の頃に起こるとされています。

そのきっかけは、子猫の離乳です。

離乳時期になると母猫のお乳は徐々に出なくなり、子猫は離乳を始めますが、完全に離乳して授乳することがなくなると、母猫のホルモンバランスが変化し、子猫に対する関心が薄れていきます。

子猫もどんどん活発になり、母猫から離れても平気になります。

また、遊びが乱暴になるため、母猫はますます子猫が嫌になり、近づくと威嚇や攻撃行動をとるように。

子猫はそのような冷たい態度に耐えられなくなって母猫の元を去り、親離れとなります。

親離れは必要なこと

猫は基本的には縄張りを持つ単独生活者であり、成長した子猫が独立して新しい縄張りを求めてよそへ行くことは自然なことと言えます。

なぜなら、縄張り内の餌の量は限られていますし、もし子猫がオス猫であれば、近親交配がおこるかもしれないからです。

したがって、特にオス猫は母猫から強制的に追い出されることとなり、離れたところで新しいテリトリーを見つけなければなりません。

そうしなければかなりひどい争いが起きてしまうこともあります。

ただ、野良猫の場合は出ていくことができますが、飼い猫で同居する場合はそうもいかないので、ケンカを避けるためにも子猫と母猫、両者の避妊・去勢が重要となります(争いが完全におさまらないこともあります)。

親離れしないケースも

もし、母猫のテリトリー内に餌が豊富にあるなど環境が許せば、そして子どもがメスであれば、親離れせずに母猫と一緒に生活することもあります。

野良猫では、親族のメス猫同士が同じテリトリーに住み、互いの子猫を共同で子育てすることもしばしば報告されています。

オス猫が親離れしないことはあまりありませんが、まだテリトリーを出ていく決心のつかないオスの子猫が、短期間、母親に嫌がられながらもつかず離れず生活することはあるようです。

早い時期に親離れをする弊害とは

子猫を社会化期よりも前に親や兄弟から離してしまうと、他の猫や人になじめなかったり、神経質な性格となったり、噛み癖などの問題行動が起きる可能性が高いと考えられています。

また、3か月齢前に親から離してしまうと、分離不安(親や飼い主から離されると異常なまでに不安に感じること)やウールサッキング(布を食べてしまう問題行動)が生じやすいともされています。

子猫は3~4か月齢まで親から離さない

野良猫でもともと母猫がいないなどの特別な場合を除き、3~4か月齢以降の子猫を飼い始めることをお勧めします。

早期に子猫を離せば母猫は再び妊娠する準備ができるため、なかには子猫の年齢を偽って販売し、母猫に無理な妊娠・出産を強いる悪質なショップやブリーダーもいます。

子猫を購入する際は、その猫の履歴、そして体重と体格が年齢に合っているかよく確認することが大切です。

まとめ

人間には、100%母猫の変わりはできません。

子猫が可愛いうちに早く欲しいという気持ちもよくわかりますが、離乳前の子猫を育てるのは、大変な労力と時間が必要です。

また、子猫だけでなく、母猫の心身の健康のためにも、特別な事情がない限り3か月齢になるまで待ってあげることも、飼う、または譲渡する人の責任と考えましょう。

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NEKOCLIP

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。