2017年6月19日更新

暖かくなったら要注意!犬のノミやダニ、シラミなどの寄生虫について【獣医師監修】

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外が暖かくなると活発になるのは犬や猫や人間だけではありません。ノミやダニといった犬や猫の体表に付着して生活する寄生虫も活発に活動を始めます。

これらは外部寄生虫とよばれ、犬や猫に害をおよぼすことが多々あります。

一方、消化管など動物の体内に侵入して生活を行う寄生虫もいます(内部寄生虫)。これらの寄生虫の被害は犬や猫だけでなく、飼い主である人間にも及ぶことがあります。

今回は、犬や猫を飼う上で注意が必要な寄生虫についていくつか紹介します。

 

外部寄生虫

ノミやダニ、シラミなどの外部寄生虫は、いくつかの内部寄生虫が動物に寄生する過程で重要な役割を果たしています。そのため、犬や猫が外部寄生虫に寄生されてしまうことは、内部寄生虫にも寄生されてしまうことにつながります。

また、外部寄生虫に寄生されることがアレルギー性皮膚炎の原因になってしまうほか、多数の外部寄生虫による吸血が貧血を引き起こす可能性もあります。

外部寄生虫は様々な病原体を媒介し、その中には人間がかかる病気もあります。

例えば、ノミはペスト菌をはじめ、様々な病原体を媒介します。また、ノミに寄生されたネコに引っ掛かれることでネコの爪や牙からバルトネラという「ねこ引っかき病」の原因となる病原体が体内に入ってしまい、発熱、リンパ節の腫れといった症状が出ることがあります。

さらに、数年前には、マダニが媒介する病気として「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」が話題となったことを記憶されている方もいらっしゃるでしょう。

また、外部寄生虫のほとんどは人間からも吸血をし、痒みや炎症など不快感の元となってしまいます。人間の生活を守る為にも、しっかりと駆除、予防をしましょう。

内部寄生虫

動物の体内に寄生している寄生虫、すなわち内部寄生虫による病気については、寄生する場所によって症状は様々です。

代表的な内部寄生虫

瓜実条虫

日本でもっとも普通にみとめられる犬、猫の条虫です。ノミが感染源であり、ノミに吸血された時の痒みで吸血された場所を口で咬んだり、グルーミングをしたりした時にノミを経口摂取することで体内に入り込み感染します。

感染箇所は小腸で成犬・成猫は無症状であることがほとんどですが、若齢の動物に多数の瓜実条虫が寄生した場合には激しい下痢を引き起こすことがあります。古くなった片節がお尻から排泄されるため一度目にするとびっくりしてしまうでしょう。

感染源である、ノミやハジラミの駆除、予防を確実に行いましょう。

回虫

犬回虫や猫回虫が日本で広くみとめられる犬と猫の回虫です。これらは、感染した動物から排泄された糞便中の回虫卵を飲み込んでしまうことで感染します。

感染した回虫は小腸に寄生するほか、一部は犬や猫の全身の組織に寄生します。そして、胎盤を通しての感染や母乳を介した感染も起こします。

主な症状は下痢ですが、成犬や成猫ではあまり激しい症状を起こさないことが多いです。

感染動物の糞便は直ちに処理しましょう。また、胎盤、母乳を介した感染の予防は困難ではありますが、繁殖を行なう場合には親犬や親猫の回虫駆除を適切に実施しましょう。

犬糸状虫

蚊が媒介し、 心臓に寄生する内部寄生虫で「フィラリア症」の原因として有名です。

大静脈から右心房、右心室、肺動脈にかけて寄生します。無症状のこともありますが、心不全や呼吸不全を引き起こし、命にかかわることもあります。

蚊にさされる事を防ぐことは困難ですので、フィラリア症予防薬の確実な投与を行いましょう。

コクシジウム

原虫の一種で感染している動物の糞を食べることで感染してしまいます。糞を食べる癖の無い犬や猫でも、お散歩中に糞を踏んでしまうなどした後で毛づくろいをしてしまうと感染してしまうので注意しましょう。

感染しても発症することは少ないものの、若齢であったり免疫機能が低下していたりする動物では下痢や血便などを起こすことがあります。

糞便の速やかな処理を始めとした、清潔な生活環境の維持が予防に役立ちます。

 

まとめ

どの寄生虫も動物病院で適切な検査をすれば発見することができますので、家にお迎えした時や健康診断などで定期的にチェックしてみてくださいね。

また、定期的な予防薬の投与がすすめられているものもあります。ペット、人間がともに健康で快適に暮らせるように、予防できる寄生虫はしっかりと予防をしましょう。