2016年3月1日更新

【獣医師監修】小型犬がかかりやすい危険な病気と予防法

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小型犬は大型犬、中型犬と比べるとなんだか病弱そうなイメージを持っていませんか?

実際は、体が小さいからといって、他の犬種よりも際立って病気に弱いということはありません。しかし、遺伝的に小型犬に起こりやすい病気もいくつか存在します。今回は 小型犬に発生しやすい病気を2つ紹介させていただきます。

 

水頭症

脳脊髄液が脳内の脳室と呼ばれる部分に過剰に溜まってしまい、脳が圧迫されることでさまざまな症状が現れます。先天性のものは、小型犬の中でもチワワやヨークシャー・テリアなどのトイ種やパグなどの短頭種で多く見られます。

症状

ボーとして意識が遠くなったり、沈鬱になったり、歩行異常や旋回運動、時にはけいれんをおこしたりします。また、性格が凶暴化することもあります。

発育障害を起こして、子犬のころから食が細く、やせており、知能が発達しないといった症状も起こります。

予防と治療

明確な予防法はありません。

小型犬に多い「先天性水頭症」が重度の場合には、成長期に発症することが多々あります。愛犬の行動や生活に注視し、少しでも異常があれば、早めに動物病院で診察してもらうことが大事です。

残念ながら完治は期待できませんが、内服薬の投与や手術により症状をおさえていくことをめざします。

僧帽弁閉鎖不全症

心臓内の僧帽弁(左心室弁)に異常が生じ、左心室から左心房へ血流が逆流することにより心臓に負荷がかかり、さまざまな症状を起こします。進行すると命に危険を及ぼす可能性の高い病気です。

老齢の小型犬がかかる心臓病の中で圧倒的に多いのがこの病気です。中でも、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルや、マルチーズでは遺伝的な要因があるとされています。

症状

はじめは、興奮したときなどに軽い咳が出る程度です。病気が進行すると、疲れやすくなった、息切れが激しい、 吐き出すように激しい咳をする、といった症状が見られます。

そのまま放置してしまうと、最悪の場合突然死を起こしてしまう可能性もあります。

予防法と治療

明確な予防法はありません。

高齢も原因の一つなので、症状が見られなくても、8歳を超えたら定期的な健診を受けるようにするのがベストです。これにより早期発見が期待でき、早期に投薬開始することは病気の進行を遅らせることにつながります。

また、左心不全により起こる呼吸困難が見られる場合には、こちらに対しても内服薬での治療を行ないます。

基本的に完治する病気ではありません。症状をできるだけ抑えて生活の質を維持することをめざします。

塩分過多にならないよう、食生活にも気をつけましょう。動物病院で手に入る、心疾患に配慮したフードを試してみるのもいいかもしれません。