2016年3月2日更新

【獣医師監修】大型犬がかかりやすい危険な病気と予防法

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

 

元気に走り回る大型犬を見ていると、体も強そうで、一見病気などしにくいように見えるかもしれません。しかし、当然のことですが、大型犬も病気と全く無縁というわけにはいきません。

小型犬に遺伝が関係した病気がいくつかあるのと同様に、大型犬にも遺伝が関係しているとされる病気がいくつかあります。

今回は大型犬に多く見られる病気を2つ、その対策とともに紹介しますので、愛犬の健康管理に役立てて下さい。

 

股関節形成不全

股関節の発育がうまくいかず、成長にしたがい股関節の変形や炎症が進行し、股関節のゆるみや脱臼を起こす病気です。

ジャーマン・シェパード・ドッグやラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーなどの大型犬で特によくみられます。深刻化すると手術をしなければならないケースもあるので、早期発見と悪化の予防を徹底しましょう。

症状

腰を振りながら歩く、散歩に行きたがらなくなる、足を引きずる、など、歩行に異常が現れますので、散歩中に気を付けて観察しましょう。

また股関節形成不全による症状は、0歳から1歳の急激に体が大きくなる時期に発症することが多いです。

対策

確実な予防は困難です。

股関節形成不全と診断された場合でも、運動制限や鎮痛薬で痛みの管理を行なうほか、適正な体重を維持させることを心がけることで、生涯うまくつき合っていける可能性があります。

肥満は股関節だけでなく、その他の関節にも大きな負荷を与えます。

もちろん、無理なダイエットや過度の運動は禁物です。適切な運動量や運動方法について動物病院で相談してみるとよいでしょう。

拡張型心筋症

心筋が何らかの原因で障害をうけ、心機能不全となる心筋症のうち、心室内腔の拡大がみられるものが拡張型心筋症です。

加齢に伴い発生率は増加しますが、1歳未満の犬でも発生することがあります。ドーベルマン、ボクサー、グレート・デンなどの大型犬が心臓に異常をきたすと、最初に疑われるのがこの拡張型心筋症です。症状が非常に重く、予後も厳しいことが特徴です。

症状

軽症の場合は、基本的に無症状です。重症になると、腹水、胸水がたまることによる腹囲膨満や、呼吸困難などの重篤な症状を突発的に起こします。不整脈が原因で突然死をしてしまい、死亡後に病気が見つかる、といったケースも少なくありません。

普段の生活だけではなかなか発見しづらいので、愛犬の様子を意識して観察する必要があります。

具体的には
1)体重が急激に減る
2)安静時の脈が120以上ある。
こういったことに当てはまる場合には、早めに動物病院を受診することをお勧めします。

対策

残念ながら確実な予防法は確立されていません。

遺伝が関与しているという側面があるため、両親が拡張性心筋症を発症していないか確認しておくとよいかもしれません。

拡張型心筋症と診断された時には、経口薬により心機能を補助する治療を行ないますが、進行性の病気であり慎重で継続的な治療が必要です。