2016年3月2日更新

【獣医師監修】愛犬の熱の計り方のコツ、注意点は?発熱した時の対処法は?

愛犬がくっついて寝ると体が熱いと感じたことはありませんか?人間の平均体温が36.8~37度くらいと言われていますが、犬はそれよりも高く37.5~39度が平熱といわれます。

愛犬の体が熱く感じても人間よりも平熱が高いので当然のことといえますね。

しかし、明らかにいつもと様子が違ったり、ぐったりと苦しそうにしたりしている場合は発熱している可能性もあります。自分で犬の検温ができれば病気の早期発見におおいに役立つのでぜひ覚えておきましょう。

測り方は?何度から病院に連れて行くべき?

犬の体温は直腸で測ります。危険ですので口では測りません。

人間が使用する水銀体温計や電子体温計を動物用として使用することができます。動物が暴れてしまって体温計を落としてしまったりすることもあるので、電子体温計の方が安全に使いやすいかもしれません。

犬猫用で先がゴム製になっているタイプだと動いた時にも安心ですね。

計り方の具体的な手順

1.体温計の先に少量のオイル (サラダオイルやオリーブオイル) を塗ります。滑りがよくなるので苦痛を和らげます。
2.尾を軽く持ち上げ体温計を肛門に真っ直ぐに2.5cmほど差し込みます。
3.体温計にあわせて正確な時間で測ります。片手で体温計を持ち、もう片方の手で愛犬を支えておきましょう。動くようでしたら慣れるまで2人で行うといいでしょう。

結果の目安は次のとおりです。
36.7度以下  すぐに保温して病院へ
37.5~39度前後  平熱
39~40度前後   発熱
41度以上   すぐに冷やして病院へ

幼犬は成犬よりも、多少体温が高い傾向があります。また、興奮時も体温は高くなりますので、愛犬の様子とともに判断をする必要がります。あくまでも目安ですので、愛犬がきつそうにしているなら動物病院で診てもらって下さい。

すぐ行けない時はかかりつけの動物病院に電話して、愛犬の状況を伝えて応急処置の指示を仰ぎましょう。

41℃以上の高熱や36.7℃以下の低体温は、いずれも命に関わる状況となっていることがほとんどです。早急に対処して下さい。

嫌がって暴れる。測れない時の対処法は?

慣れていない愛犬の場合は、体温を測ろうとすると怖がって怒ったり暴れたりしてしまい、検温できないかもしれません。2人がかりならば検温できるということもあるかもしれませんが、いつもそうとは限りません。

そういう時は無理に検温せずに一度中断して仕切り直しましょう。

まずは愛犬に大丈夫だということ理解してもらうことです。

いきなり検温するのではなく背中や首を優しくマッサージしてリラックスさせます。それでも直腸での検温を嫌がる場合は、愛犬を横に寝かせて脇の下や後ろ足の付け根に体温計を挟んで測る方法もあります。

不正確ではありますが、直腸の体温よりも4度ほど低くなる事が多く、これを目安にしてもよいでしょう。

発熱して苦しそう。どこを冷やせばいいの?

病院に行って薬を処方してもらってもすぐに熱は下がりません。

すぐ病院に行けない時や、薬を処方してもらったけれどまだ熱が下がっていない時、苦しそうにしていれば、体を冷やしてあげましょう。動脈がある脇の下や後ろ足の内股(鼠径部)に、タオルで巻いたアイスノンを入れてあげると気持ちよさそうにします。固まるタイプのアイスノンではなくゲルタイプの柔らかいアイスノンがごつごつしないのでいいと思います。

また、発熱して食欲が落ちている時は、脱水しやすいので必ず水分補給をしましょう。犬用のスポーツドリンクを飲ませてあげるのもいいでしょう。ペットショップで購入できます。

気をつけなければいけないのは発熱に加えて嘔吐や下痢の症状がある場合です。これが続けば脱水症状をおこす危険性もあります。ただちに動物病院を受診しましょう。

熱があって病院へ。診察にも治療にも検温はつきものです。

動物病院では緊張や恐怖から興奮して、家で測るよりも体温が高くなっている事があります。獣医さんはそれを見越して判断をしてくれますが、飼い主さんが一緒についていることで、また、普段から検温の練習をしていることで、愛犬は少しでもリラックスして診察、そして治療を受けられるようになるでしょう。

いうまでもありませんが、愛犬自身がリラックスしているという事がどんな治療をするにしても良い結果につながります。

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