現代の犬たちは、人間と同様に日々、様々なストレスが蓄積されています。このような状態が長期間続くと、心が疲れて無気力になったり、様々な問題行動の引き金になったりしかねません。
愛犬の心が「疲れている」と感じたら、うまく解消させて心のケアをしましょう。大切な事は、飼い主さんと愛犬との深い絆です。
ストレスを抱えているときのサイン
- つまらなそうにしていて、元気がない
- 普段やらないような悪戯が増えた
- 頻繁に同じ場所をクルクル回るようになった(自分の尻尾を追う)
- 物を壊す破壊行動が増えた
- 言う事を聞かない(指示に従わない)
- 落ち着きがなくなった
- 散歩で、グイグイ引っ張るようになった
- 些細な事でも、たくさん吠えるようになった
などの普段と違った行動が増えたなら、それは愛犬からのSOSかもしれません。
犬がストレスを感じる原因
- 刺激のない生活(寝ているだけのつまらない時間が極端に長いなど)
- 飼い主さんと離れることへの不安(留守番の時間が長い)
- 運動不足(散歩時間が短い、満足していないなど)
- 落ち着かない環境(留守番中の行動範囲が広すぎるなど)
- コミュニケーション不足(スキンシップの不足)
などです。
原因別のストレス対策方法
刺激のない生活
犬種によって必要な運動量も違いますが、時間がない時は留守番前の5~10分、たとえばゴミ出しの時に愛犬を家の外に連れて行くだけでも、外の風を感じたり、地面の感触を感じたりすることができます。このことは、犬にとっては大きな刺激になり、リフレッシュできます。
また、日替わりで留守番前のオヤツをあげると、「今日は何かな」とワクワクした気持ちになるかもしれません。
飼い主さんと離れることへの不安
犬はもともと、群れで生活をして群れのリーダーに従って行動する生き物です。留守番が得意な犬は本来いないのです。そうは言っても、24時間365日ずっと一緒にいるわけにもいきません。飼い主さんも外出しないわけにはいかないので、飼い主さんと離れることに慣れさせないといけません。
飼い主さんと離れている事に慣れれば、やむを得ない事情でペットホテルに預ける時などのストレスも軽減できます。
そのためには、日頃からスキンシップをとり、信頼関係をしっかりと築く事が大切です。
家での留守番でも、それ以外での留守番でも、時間が来れば必ず飼い主さんが迎えに来る、帰ってくると理解させればいいのです。まさに、有名な物語「ハチ公」がそれです。誰が何と言おうと、ハチ公は主人を待ち続ける、深い絆があったのです。
運動不足
飼い主さんが多忙で、ゆっくりと散歩の時間をとれない時は、室内で散歩に代わる遊びをしてリフレッシュさせてあげましょう。
愛犬の得意なこと、芸などが上手にできたらたくさん褒めてあげましょう。褒められる事で、愛犬は自信を持って、気持ちも満たされます。
落ち着かない環境
愛犬が「ここにいれば安心」と思えるお気に入りの場所を見つけてあげましょう。たとえば、愛犬用のベッドとかクレートなどを用意してみましょう。犬は暗くて狭い場所に入ると安心します。家中を自由に歩き回れるようにしておくことは、実は犬にとっては広すぎて落ち着かない、ということがあります。
コミュニケーション不足
毎日、話しかけるだけでもよいのです。忙しくてあまり構ってあげられない時でも、やさしく声をかけてあげるだけで愛犬は癒されるはずです。
愛犬が静かにおとなしくしている時に声をかけましょう。一日に最低一回は心を込めて愛犬を撫でてあげましょう。それだけで愛犬は安心します。おすわりや待て、といったしつけも、飼い主さんと愛犬の大事なコミュニケーションになります。
小さなことの積み重ねで少しずつ絆を深め、愛犬ができるだけストレスをためないようにしてあげましょう。