2016年3月5日更新

【獣医師監修】おじいさん犬は要注意!犬の会陰ヘルニアの症状・原因・治療・予防法

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犬の会陰ヘルニアはこんな病気

会陰(えいん)部とは肛門と外陰部の周辺を指します。この部分にある筋肉の隙間に、直腸や膀胱が入り込んでしまった状態のことを「会陰ヘルニア」といいます。

発症すると排便が困難になるなどの症状が出てしまうほか、膀胱が入り込んでしまった場合には尿毒症による重篤な症状を起こすこともある病気です。

犬の会陰ヘルニアの症状

骨盤隔膜といわれる骨盤周囲の筋肉がうすくなることでできた隙間(ヘルニア孔)からお尻の部分の皮下に直腸が飛び出してしまいます。時には膀胱も反転してヘルニア孔から飛び出してしまうことがあります。

会陰ヘルニアの主な症状は、直腸や膀胱がヘルニア孔に入り込んでしまう事でおこります。

直腸や膀胱がヘルニア孔に入り込んでしまうことで、便や尿がスムーズに排泄されなくなってしまいます。特に膀胱が入り込んでしまった場合には、排尿ができなくなることによる生命の危険がありますので緊急的な処置が必要です。

便秘のみが症状である場合にも、放置しておくと便秘症状はどんどん悪化していってしまい、手術による整復も難しいものになってきてしまいますので、早めの処置が大切です。犬がトイレに時間がかかるようなときには、注意した方がよいでしょう。

また排便困難にまで至らなくても、肛門の周りや横が通常よりも膨らんでいるという状態で発見されることもあります。排便困難がなければ通常は毛に覆われているので発見しづらいかもしれません。

 

犬の会陰ヘルニアの原因

未去勢のオスでは、加齢とともに骨盤隔膜といわれる骨盤周囲の筋肉がうすくなりやすく、そこに隙間(ヘルニア孔)が形成されます。

便をするときに力を入れなければならなくなってしまった時に、ヘルニア孔に腸・膀胱が入り込んでしまうとされています。

会陰ヘルニアになりやすい犬

会陰ヘルニアを発症する犬のほとんどが、未去勢で5才以上のオス犬です。犬種は関係なくどの犬でも発症する可能性はあるでしょう。

犬の会陰ヘルニアの治療

食物繊維の多い食事を与えたり、便の緩下作用のある食品や緩下剤を使ったりして、排便のコントロールをする内科治療をとることもありますが、根本的な解決にはなりません。

会陰ヘルニアを完治させるには外科手術により、飛び出した臓器を元の状態に戻し、ヘルニア孔を塞がなければなりません。

ヘルニア孔のサイズや飛び出してしまった臓器の状態により、手術の方法やその難易度は様々です。また再発防止には去勢が有効とされているので、同時に去勢手術を勧められることがあるでしょう。

予防には去勢手術が効果的です

会陰ヘルニアの予防には去勢手術が最も効果があるとされています。愛犬が未去勢で繁殖を考えていないのであれば、病気の予防の観点から、一度去勢手術について検討してみてはいかがでしょうか。