2016年3月5日更新

【獣医師監修】口の中のガン。犬の口腔内悪性黒色腫の症状・原因・治療法について

犬の口腔内悪性黒色腫はこんな病気

口腔内悪性黒色腫は別名「口腔内メラノーマ」とも言われ、口の中にできる皮膚がんの一種です。メラノーマとは、メラノサイトと呼ばれる、メラニン色素を形成する細胞の腫瘍をさします。犬には良性メラノーマ、悪性メラノーマともに発生することが知られていますが、口腔内に発生するものはほぼ全て悪性メラノーマであるといわれています。

人はこの口腔内メラノーマを発症する確率はかなり低く、10万人に1人という割合ですが、犬はもっと高いとされています。

犬の口腔内悪性黒色腫の症状

メラノーマは初期段階ではほとんど自覚症状がありません。

  • 口臭がひどくなる
  • 口から出血する
  • よだれが多くなる

といった症状がみられるころには、腫瘍がかなり大きくなってしまい大掛かりな手術が必要になってしまっていたり、治療が困難な状況になっていたりする可能性があります。

また、この腫瘍は進行が非常に早く転移も起こしやすい腫瘍です。息切れ・咳などの症状があらわれることもありますが、このような症状が見られる時は、がん細胞が肺に転移してしまっている可能性があります。転移をしてしまった場合には手術をしても、残念ながら完治は見込めません。

メラノーマは肉眼で発見することが可能です。犬の口腔内に「色が黒っぽいまだら」で「形がいびつ」な「じわじわと大きくなっている」腫瘍ができていたら、メラノーマの可能性を考えます。

犬の口腔内悪性黒色腫の原因

犬の口腔内悪性黒色腫は、メラニン色素を産生するメラニン細胞の腫瘍です。いわゆる「ホクロ」と間違われがちですが、メラノーマはホクロよりも大きく盛り上がり、境目がはっきりとしていないのが特徴です。

なぜメラニン細胞が悪性腫瘍化してしまうのか、原因ははっきりとわかっていません。

外部からの慢性的な刺激は原因のひとつと考えられています。ドッグフードや骨ガム、噛むおもちゃなど固いものによる日常的な刺激が原因の一つである可能性もありますが、はっきりしたことはわかっていません。

またメラノーマは口腔内だけでなく、肉球や四肢の指にも発生することがあり、こちらもアスファルト等による刺激が原因ではないかと考えられています。

犬の口腔内悪性黒色腫の治療

残念ながら、発見時にはすでに治療の施しようがないほど悪化してしまっていることもよくあります。

早期に発見できれば患部を切除することで治療可能です。ただし顎の骨まで腫瘍が達していると顎の骨ごと切除しなければなりません。

抗がん剤などの内科的治療もありますが、治癒を期待することはできません。

治療困難な場合にもできるだけ生活の質を保つことをめざしましょう

口腔内悪性黒色腫は死亡率がかなり高い病気です。それでも愛犬とよりよい時間をできるだけ長く過ごせるよう、飼い主さんと獣医さんとでしっかり協力し、愛犬の日々の生活のサポートをしていきましょう。

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