2016年3月5日更新

【獣医師監修】目頭にピンク色の異物?目ヤニや涙の原因、犬のチェリーアイの症状・原因・治療法について

目頭にピンク色のできものができたように見えるチェリーアイ。

目頭という顔の中心に近く、よく目立つ部分に、ある日突然発症しますので、初めて見た時には驚かれる方も多いです。これは、腫瘍のようなできものではなく、目頭の内側にある第三のまぶたと呼ばれる部位にある「第三眼瞼腺」が飛び出しているのです。

飛び出した部分は腫れて眼球に刺激を起こしますので、それによって目ヤニや涙の増加などの目のトラブルを起こしてしまいます。

そんなチェリーアイの原因や治療方法についてご説明します。

チェリーアイの原因

起こりやすい犬種が明らかにされており、遺伝性とも考えられています。また、外傷により起こる事もあります。

遺伝

コッカースパニエル、ビーグルボストンテリアフレンチブルドッグシーズーチワワなどに起こりやすいとされています。

生後半年から2歳までの、比較的若いうちに最初の発症が起こることが多いです。

外傷

外傷によってチェリーアイを発症してしまうことがあります。また、他の目の病気の合併症として発症することもあります。

チェリーアイの治療方法

目ヤニなどへの対症療法のみを行なうケースから、飛び出した第三眼瞼線を元の位置へと整復するケースまで様々です。

犬によって発症の仕方は様々です。そのため、症状や発症してからの経過、再発をくりかえすかどうかなどによって治療方法が変わってきます。

外科手術を行なわない整復のみ

点眼麻酔のみで、外にでてきてしまっている第三眼瞼腺を元の位置に押し戻します。

手術を行なわない整復だけでは、完全に治すことは難しいことが多く、整復してもすぐにまた出てきてしまうケースも多々あります。

外科手術による整復

全身麻酔下の手術で、眼瞼を一部切開し、逸脱した第三眼瞼線を元の位置に戻して縫合します。

高齢の場合などでは、全身麻酔自体のリスクもあり、健康状態によっては実施が難しいこともあります。かかりつけの獣医さんとよく相談してから治療方針を決めましょう。

対症療法のみ

目ヤニなどの分泌物の過多が改善されるように、点眼薬や内服薬で炎症を抑えたり、目を保護したりする治療のみを行ないます。

手術が難しいとされた場合には、対症療法のみで症状を抑えていくこともあるでしょう。

第三眼瞼腺が飛び出て、常に眼球を刺激されている状態ですので、犬もそれが気になり、前足で掻いてしまったり床に擦りつけたりしてしまいます。このことによって、角膜炎など、別の目の病気を起こす可能性がありますので、エリザベスカラーなどを装着しての生活がすすめられます。

一方で、長い間チェリーアイを患っている犬の場合は、次第に気にならなくなり、特に不自由なく生活を送れているケースもあります。そのため、チェリーアイそのものは完治できていなくても、そのままでいいと判断して、特に治療を行なわない飼い主さんもいらっしゃいます。

チェリーアイという病気自体は完治させるのが比較的難しいとされていますが、治療のオプションはいくつかあります。それぞれの愛犬に合ったつきあい方を獣医さんと相談しながら見つけてあげてください。

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

関連記事

【動物看護師が徹底解説!】愛犬の目に目やにが!何か病気のサイン?取り方は?

ある日突然、愛犬の眼に目立つ目やにが。でも、目やには毎日出るものだし、病気ではないはず?では、病気との見分け方はどうしたらいいのでしょうか?また、目やにが眼頭へ流れずに眼の中にとどまるように……

犬の目の病気

【獣医師監修】失明の可能性も!犬の緑内障について知っておこう

眼の病気のうち、白内障とともに有名なものとして「緑内障」があります。緑内障とは、眼球の内部の圧力(眼圧)が上昇することで視神経と網膜に障害が発生し、視力障害を起こしてしまう病気です。 ……

犬の目の病気

【獣医師監修】些細な症状も見逃さないことが大切!犬が罹りやすい目の病気と治療方法。

犬には、目が構造的に顔の前方に出ている品種がいくつかあり、そのような品種では目の病気に罹りやすいと言われています。また、目の出ていない構造の品種であっても、犬に発症しやすい眼の病気はいくつか……

犬のチェリーアイ

【獣医師監修】目頭にピンク色の異物?目ヤニや涙の原因、犬のチェリーアイの症状・原因・治療法について

目頭にピンク色のできものができたように見えるチェリーアイ。 目頭という顔の中心に近く、よく目立つ部分に、ある日突然発症しますので、初めて見た時には驚かれる方も多いです。これは、腫瘍のよ……

犬の目の病気

【獣医師監修】犬にもものもらいがあるんです。犬のマイボーム腺炎の症状・原因・治療法

「ものもらい」という言葉を耳にしたことのある人は多いのではないでしょうか。「ものもらい」とは、「マイボーム腺炎」の一種で、まつげの生え際に整列して並ぶマイボーム腺の炎症のことです。 マ……

犬の目の病気

【獣医師監修】高齢犬に多い目の疾患。犬の白内障の原因・罹りやすい犬種・症状・治療について

白内障は人間の高齢者でしばしば問題となる目の疾患ですが、犬も高齢になると白内障になります。 人間の場合は手術で治療することが多いのですが、犬の場合はどうなのでしょうか?今回は犬の白内障……

犬の目の病気

【獣医師監修】目の中にサクランボが!?犬のチェリーアイの症状・原因・治療法について

犬のチェリーアイはこんな病気 チェリーアイは別名「第三眼瞼腺逸脱」と呼ばれ、犬の「第三眼瞼腺(がんけんせん)」または「瞬膜腺(しゅんまくせん)」というまぶたの内側にある組織が腫れて、目の外……

犬のチェリーアイ

【獣医師監修】うちの犬、もしかしたら目の病気かも…急に目やにが増えた原因と対処法

「最近、愛犬の目やにが増えた気がする…」「目の病気かもしれない…」 こんな風に思ったことがある飼い主さん、多いのではないでしょうか?あまりにも目やにが出ていると、目の病気ではないかと心配に……

犬のチェリーアイ

【獣医師監修】愛犬の目がなんだかおかしい!もしかしたらホルネル症候群かもしれません!

ある日、ふと愛犬の目の様子がいつもと違うことに気付くことがあるかもしれません。 まぶたが少しだけ下がっていたり、目がおちくぼんでいたり…。言葉にはしづらいけども、とにかく違和感がある。……

犬の目の病気

【獣医師監修】犬の白内障について症状や原因から治療・予防法まで

犬にも高齢化の時代がおとずれています。高齢になると、歩き方がゆっくりになったり、毛が白っぽくなっていたりしてくるほか、眼が白くなっているように見えることもあるでしょう。 今回は、眼が白……

犬の目の病気

【獣医師監修】目の中に寄生虫が! 東洋眼虫についてまとめました

東洋眼虫ってどんな寄生虫? 東洋眼虫は主に犬・猫の結膜嚢と呼ばれる場所に寄生する虫ですが、稀に人の目にも寄生することがあります。 体長は8mm~16mm程度で、色は白の半透明で細い糸……

犬の目の病気

【獣医師監修】犬のドライアイについて原因や症状から対策・予防法まで

近年、CMなどでもよく耳にするドライアイ。「何秒以上目を開けていられないとドライアイの可能性」などと言われているのを聞いたことのある方もいるでしょう。このドライアイは、犬にも起こるのです。 ……

犬の目の病気

【獣医師監修】暗くなると目が見えづらくなる。犬の進行性網膜萎縮の症状・原因・治療法と好発犬種について

夕方など、暗くなってから愛犬とお散歩に行くと、時々物につまずいたり、ぶつかったりするなど、少しドジな行動が見られるようになった…。それは、進行性網膜萎縮という遺伝性の病気が始まったサインかも……

犬の目の病気