猫初心者のための、まるごと「猫の飼い方」手引き。その決断から飼いはじめまで

目次

猫ブームが到来して以来、テレビやネットで猫を見かける機会が格段に多くなりました。

可愛い姿に思わず飼いたいと考える人も多いでしょう。

でも本当のところ、猫を飼うってどういうことなのでしょうか。猫も人も幸せに暮らすためには何を知っておくべきで、何を準備すればよいのでしょうか。

今回は、猫を飼うための心構えから基本的な猫の飼育方法に至るまで、まるごとご紹介します。

飼う前に知っておくべきこと①:猫ってどんな動物?

そもそも、猫とはどんな動物なのでしょう。飼う決断をする前に、猫という動物が自分の性格や生活状況に適しているかをよく考える必要があります。

もし「こんなはずじゃなかった」となれば、猫も人も不幸になってしまいます。

猫とは20年のお付き合い

猫の平均寿命は15歳程度で(2017年日本ペットフード協会調査)、20年以上生きる猫もいます。

そのうち、可愛らしい子猫の時期はほんの数か月。むしろシニア時代が長いといえます。

また、20年後には飼い主さん自身も年をとり、家庭環境や経済状態にも変化があるでしょう。

そのような変化があったとしても、ずっと最後まで、責任を持って飼う覚悟が必要です。

犬とは違う感情表現

猫はもともと単独生活をしてきた動物です。

したがって人間のような社会性はあまりなく、感情表現も異なります。犬のようにずっと近くで一緒に過ごしたり、ストレートな愛情表現を求めるたりすることは、猫には苦手と考えてください。

しかし、違った形で猫も飼い主さんを愛しますし、強い絆を築くことができます。

猫に飼い主さんが合わせる

猫は基本的に人や犬のような社会動物ではないため、ボスの命令を聞くという感覚はありません。

しつけようとして叱っても信頼関係を損なうだけです。むしろ飼い主さんが猫の生活スタイルに合わせなければならない場面が多いことを念頭におきましょう。

してほしくないことがある場合は、そうさせない環境を飼い主さんが整えることが大切です。

飼い主さんは「同居人」

猫にとって飼い主さんは「ご主人」ではありません。

赤ちゃん猫から飼えば親代わりとはなりますが、基本的には「言うことを聞いてくれる大切な同居人」という関係です。

といっても、もちろん飼い主さんに対して深い愛情を示してくれます。

捨てられたら生きていけません

野良猫の平均寿命は5年程度とされ、飼い猫のたった1/3。

野良猫が多いことから「猫は野良でも生きていける」と安易に捨てる人がいます。

しかし、猫だって信じていた飼い主さんに捨てられれば心に大きな傷を負いますし、なにより生き延びること自体難しいのです。

猫は人によって「家畜化」された動物で野生動物ではありません。人の元で生きる動物であると認識しましょう。

飼う前に知っておくべきこと②:飼うための条件

昨今の猫ブームで「猫は犬より飼いやすい」と安易に飼育を勧める風潮がありますが、猫に限らず生き物を飼うということは、非常に大きな責任を伴うことを覚悟しなければなりません。

1.終生飼育の責任

猫が老いても、病気をして介護が必要となっても、最後のその時まで精いっぱい幸せに飼育してあげなければなりません。

2.完全室内飼育の徹底

最近の道路事情や虐待事件のことを考えると、猫を外に出すことは大変危険です。

感染症が伝染する可能性もありますし、糞尿などで近隣トラブルとなることも。完全室内飼育を徹底しましょう。

猫は敏捷であるため脱走しやすく、一度脱走すると見つけることが難しい動物です。

脱走防止策を同時に考える必要もあります。

3.避妊・去勢を行う責任

猫は繁殖力が強く、一度に3~5頭、多い時は8頭の赤ちゃんを産みます。

現在日本では年間3万5000頭もの猫が殺処分となっています。

1頭でも不幸な猫を減らすためにも、避妊・去勢を行うことは飼い主としての責任です。

4.ワクチン接種の責任

飼い主には伝染病を予防し、拡大させない義務があります。

犬の狂犬病ワクチンのように法的な罰則はありませんが、定期的なワクチン接種と寄生虫予防薬等の使用によって、感染症を予防する必要があります。

また、人畜共通感染症に対する正しい知識を身につけ、感染防止に努めなければなりません。

5.愛情のある適正な飼育

猫という動物の習性や生態について正しい知識を持ち、猫にとって安全で安心できる環境を提供し、健康に飼育しなければなりません。

愛情を持って、猫が幸せと感じられるように飼ってあげましょう。

6.近隣に迷惑をかけない

糞尿の臭いや鳴き声、毛の飛散、足音など、特に集合住宅で飼育する場合は気を付けなければなりません。

猫の安全のためにも近隣住民に迷惑をかけず、よい関係を築くようにしましょう。

7. 経済的余裕

猫を飼うにはそれなりにお金がかかります。一生にかかる費用は、猫が15年生きたとしてだいたい150万円前後と考えてください。

病気になった場合は、さらに数万円単位(場合によっては数十万円)の医療費も必要となります。

◆猫を1頭飼うための費用:

  • 初期費用 4万5000円程度+猫を入手する費用
  • 食器、トイレやベッドなどの生活用品費 3万円~
  • 健康診断 1~2万円程度
  • ワクチン接種費用 5000~1万円程度

◆年間飼育費用:9万円程度

  • フード 5万円
  • 猫砂 1万円
  • 寄生虫駆除薬 1万円
  • 健康診断 5000円
  • ワクチン接種 5000円~
  • その他ウェットティッシュなど 1万円

◆その他医療費:

  • 避妊・去勢手術費 1.5万~3万円
  • シニア期以降や病気にかかった場合は、医療費や処方食などの費用や介護用品費が別途かかります。

8. 家族全員が猫を受け入れることに賛成している

家族の中に誰か一人でも猫を飼うことに反対していれば、猫もその感情を察知して居心地の悪い日々を過ごすことになります。

皆が幸せに暮らすためには、家族全員が猫を飼うことに同意していることが大切です。

また、猫アレルギーは意外と多くの方が持っているので、飼う前に家族全員アレルギーがないことを確かめてください。

そうでないと、飼い始めて初めてアレルギーに気づき、泣く泣く猫を手放さなければならない事態に。猫にとっても可哀そうなことになります。

9.在宅時間が確保できる

あまりに留守の時間が多いと、猫とはいえ寂しい思いをさせてしまいますし、健康管理もしっかりできなくなります。

また猫が病気になった際、通院や看病できる時間を確保できるか、あるいはそうできる人を用意できるか考えなくてはなりません。

10.猫を飼える環境にある

特に集合住宅の場合、ペット可住宅であることは最低条件です。

また、近い将来引っ越す予定がない、家族構成に変化がないなど、猫が安心できる場所と環境を安定して提供できるかを確認してください。

これだけはしてはいけないこと

衝動買い

ペットショップやインターネットのサイトで見かけて、その可愛い姿につい「今すぐ欲しい」という気持ちになるかもしれません。

しかし、猫を飼うということは、実際は大変なことも多いのです。もしトイレのしつけがうまくいかなければ、粗相の後始末をし続けなければなりません。病気になれば、何か月にもわたって看病ということも。

猫を飼うのは、赤ちゃんが一人増えたという感覚に近いものです。よくよく考え、家族とよく相談したうえで決断しましょう。

飼育放棄

とても残念なことですが、行政による猫の引き取り原因のうち、飼い主による飼育放棄の割合は2割近くにも達します(環境省自然環境局平成29年度統計資料)。

さらに最近は高齢飼育者の病気や死亡による引き取りも増えているそうです。

猫を飼ったら最後まで責任をもって飼う。それが飼い主としての最低限の心得です。

飼わない決断も大切

経済的余裕がない、家族の協力が得られないなど心配事が1つでもあれば、飼うことを延期したり、あきらめる決断も大切です。

どんな猫と一緒に暮らす?

猫を飼うと決めたら、次に考えることは「どんな猫をお迎えすべきか」ということでしょう。

子猫か成猫か、雑種か純血種か、オスかメスか、などさまざまな選択肢があります。最も大切なのは、自分のライフスタイルに適した猫を選ぶことです。

子猫を飼う場合のメリット・デメリット

◆メリット:

  • 子猫時代特有の可愛らしさを見られる
  • 飼い主さんを親のように思う
  • 成長過程を見られる
  • よく遊ぶ

◆デメリット:

  • 体調が安定しない(免疫力が弱い)
  • お世話やしつけが大変
  • 事故が起こりやすい
  • 遊び相手が必要

成猫を飼う場合のメリット・デメリット

◆メリット:

  • 性格がわかっている
  • 体調が安定していてお世話にあまり手がかからない
  • トイレなどのしつけができている

◆デメリット:

  • なつくのに多少時間がかかることも(猫の性格による)
  • 去勢・避妊手術の時期が遅かった場合、性行動が収まらないことも
  • 子供時代を見られない

雑種?純血種?

猫の純血種は犬ほど品種が多くありませんが、それでも公認されているだけで50種以上の猫種がいます。

純血種は人の手で交配されてきたため、性格も人懐こい猫が多く、飼いやすいとされます。

また、猫種ごとに性質や性格があるため、飼う際に自分に適した猫を探しやすいというメリットがあります。

その反面、純血種には遺伝性疾患のリスクが高いとされています。

雑種猫は大人になるまで性格がわからない面がありますが、遺伝性疾患のリスクは低いとされます。

入手先は?

純血種では、基本的にペットショップかブリーダーから購入ということになりますが、中には生後49日未満の子猫を販売したり(動物愛護管理法施行規則によって禁止されています。

将来的には56日となります)、禁忌とされる交配(遺伝性疾患が生じる交配)をしたり、母猫を使い捨てするような悪質なショップやブリーダーもいますので、購入する際は良心的なショップやブリーダーをよく探すようにしましょう。

雑種の場合はペットショップも扱うことがありますが、日本では何万頭もの保護猫が里親さんを待っていますので、保護団体から譲り受けることも社会貢献の1つです。

猫を飼うための準備物

猫をお迎えしたその日から必要となる猫グッズもたくさんあるので、事前に揃えておきましょう。

1.猫用フード

猫は完全肉食動物(植物性の物は全く必要としない)であり、人間とは必要な栄養素が異なります。

手作りフードでは猫が必要な栄養素をすべて満たすことは難しいため、基本的にはキャットフードを利用することをお勧めします。

キャットフードには次のような種類があり、さらに年齢別になっていることもあります。

目的の違いによる分類

  • 総合食:日々の主食となるフードで、これと水を与えさえすれば健康を維持できる栄養バランス(年齢やライフステージで設定されている)でつくられています。
  • 療法食:獣医師が病気の治療を補助することを目的としてつくられたフード。獣医師の指示の元与えます。
  • 間食:おやつとしてごく限られた量を与える設定でつくられたフード。与えすぎに注意しなければなりません。
  • その他:上記に該当しない、カロリー補給や嗜好性を高めるために、総合栄養食と一緒に与える目的でつくられたフードです。

形態の違いによる分類

  • ドライフード:水分が10%程度とされる粒状のフードで、加熱処理されています。カビが繁殖しにくく、他の形状のフードよりも保存期間が長く設定されます。ただし水分が少ないので、水をよく飲めるようにしておかなければなりません。
  • ウェットフード:水分量が80%程度の、風味がある柔らかいフードです。自然の食事に近く、好む猫は多いですが、水分が多いため栄養価はドライフードよりも低くなります。また、開封後はできるだけ早く消費する必要があります。

プレミアムフードとは

市販フードの中に、プレミアムフード(現在ではスーパープレミアムフードもあります)というジャンルがあります。

一般的なフードに比べて高価ではありますが、安全面に配慮され、化学的な酸化防止剤や保存料が使用されず、オーガニックにこだわったもの、原材料や産地、人の食べ物と同等の質にこだわったものなどがあります。

もちろん高価ならなんでも良いというわけではありませんので、原材料をパッケージでしっかり確かめてから購入するようにしましょう。

猫に適したフードを選ぶ

キャットフードであれば、なんでも良いというわけではありません。

猫の食性に適した、高タンパク質のフードを選ぶ必要があります。低価格のドライフードの中には穀類の含有量が高く、猫にとって栄養バランスが良くないものもあります。

ドライであれば、グレインフリー(穀物不使用)のものを選ぶのも1つの方法です。

始めて猫を飼う場合は獣医師に相談し、その猫の年齢や健康状態に合うフードを聞いてみるのもよいでしょう。

お迎え直後の食事

猫は食に対する好みが激しく、新しいフードに対して警戒心が強く、食欲自体を無くすこともよくあります。

特にお迎え直後は猫も緊張していますし、また、急にフードを変えると下痢をおこしてしまうことも。

したがって、初めて猫をお迎えするときは、それまでその猫が食べていたフードと同じものから始め、2週間くらいかけて徐々に切り替えていくようにしましょう。

2.猫用トイレとトイレ砂

猫は同じ場所に砂を掘って排泄する習性があるため、トイレのしつけは比較的楽です。

猫用トイレは、トイレ本体以外に、その本体に入れる砂が必要で、それぞれさまざまな種類があります。

トイレ本体

トレーだけのトイレ

猫砂を入れるトレーだけのトイレ。中に猫砂を敷いて、排泄ごとに砂を取り除きます。

狭い空間での排泄が苦手な猫にはこのタイプがよいでしょう。ただし、砂が飛び散りやすいという面があります。

フードつきトイレ

トレーをすっぽり覆うフードのついたトイレ。閉じた空間で排泄したい猫にはこのタイプがお勧めです。

砂が飛び散らず、臭いも拡散しづらいですが、中に臭いがこもるため嫌がる猫もいます。

最近は出入口が側面ではなく、上面にあるものもあります。

システムトイレ

トレーが上下二重構造になったトイレ。

下段には専用の尿取りシートを敷き、上段はメッシュ状になっていて、そこに専用の猫砂を敷き、尿はメッシュを通って下段のシートに吸収される仕組みです。

シートは1週間に1度取り換えればよいので、お掃除は一般のトイレよりは楽です(糞は他と同様その都度お掃除が必要です)。

猫砂

猫砂の種類もいろいろあります。それぞれ捨て方も違うため、廃棄方法はお住いの自治体に確認しましょう。

鉱物系

粘土鉱物を使用した猫砂で最も自然の砂に近く、猫に人気のタイプです。

固まりやすくて処理しやすい反面、重たく、不燃ゴミとして処理する必要があり、飼い主さんには扱いづらい面もあります。

紙系

紙を粒状に整形したものですが、粒が大きめで苦手な猫もいます。

固まりにくいですが、軽いうえ、トイレに流せたり、可燃ゴミ扱いであったりすることが多く、人にとっては処理しやすい砂です。

木系

木材でできていて、固まるタイプと固まらないタイプがあり、固まらないタイプは主にシステムトイレで使います。

粒が大きく苦手な猫もいますが、飛び散りが少なく、可燃ゴミ扱いでトイレに流せるものもあります。

おから系

豆腐のおからでできた猫砂です。紙や木製の猫砂より粒が小さめで固まりやすく、しかもトイレに流せます。

シリカゲル系

食品などについている乾燥剤と同じ成分の猫砂で、他の砂と違い、おしっこの度に掃除するのではなく、2,3週間ずっと使い続けることができます。

粒が小さく猫が好む大きさですが、飛び散りも多いタイプです。

猫の好みにあったトイレを選ぶ

つい人間側の都合で選びがちですが、まずは猫の好みを優先してあげてください。

猫の健康にとって排泄は大切です。いろいろ試してみて、ストレスのないトイレ環境を整えてあげましょう。

1頭飼いであっても、うんちとおしっこを別でしたい猫もいますし、少しでも汚れていたら排泄できない猫もいるので、複数用意してあげるとより良いでしょう。

3.その他最低限用意すべきもの

  • 食器類:ひげが当たらない、口の広いものを用意しましょう
  • キャットタワー:猫は広さよりも高さが必要な動物です。上下運動ができる環境を整えましょう
  • 猫ベッド:ふつうのベッドの他に、ハウス型のもの、潜り込めるもの、ツボ型のものなどがあります。その時の猫の気分によって選べるよう、複数あるとよいでしょう。段ボール箱を好む猫もいます。
  • キャリーバッグ:通院などのお出かけ時の必需品。決して抱っこだけで外に出ないでください。たとえ首輪やハーネスをしていても、猫はパニックになると、するっと縄抜けして脱走してしまいます。
  • 爪とぎ:爪とぎは、爪のお手入れだけでなく、マーキングの意味もあり、猫にとって大切な行為です。猫の好むいろいろな種類のものを複数用意し、壁や柱などしてほしくない場所に設置すると良いでしょう。

猫に安心・安全な環境を整えましょう

猫はその習性や身体能力から、思いもよらない事故が起こることがあります。

また、脱走にも配慮しなければなりません。猫にとって安心かつ安全な環境とはどのようなことなのでしょう。

1.脱走防止

猫は頭さえ入れば、ちょっとした隙間から脱走してしまうため、実際毎年かなりの数の猫が迷子になっています。

そうならないためにも、玄関前には脱走防止扉(猫用に背の高いもの)をつけたり、窓には柵や金網を設置するなど工夫が必要です。

2.閉じ込め事故防止

知らない間に部屋に入ってしまい、閉じ込めてしまうことは猫によく起きる事故です。

夏場でクーラーも効かない場所であれば、熱中症の危険もあります。ドアストッパーをうまく活用し、猫が出入りできる場所は閉まらないように、反対に出入りできない場所は開かないようにすることが大切です。

3.誤飲事故防止

猫は、舌の構造から一度口に入ったもの、特にひも状のものを吐き出すことが難しく、誤飲事故の多い動物です。場合によっては緊急処置が必要なことも。

ふだんから猫が誤飲しそうな小さなもの、ひもや糸、おもちゃなどはしまっておきましょう。

4.転落事故防止

マンションなどで飼育する場合、ベランダや窓からの転落事故も少なくありません。

まずはベランダから出さないことが先決ですが、例えば網戸ごと転落しないよう網戸自体を固定したり、手前に金網ネットをつけたりするなどの工夫が必要です。

また、お風呂の浴槽に転落して溺れる事故も起こります。浴槽に水を張っている時は必ず蓋をし、さらに風呂場自体に入れないようにしましょう。

5.火傷事故防止

キッチンや暖房器具での火傷も猫に多い事故です。

コンロはIHヒーターの使用がベストですが、料理中はキッチンに近づけないようにしましょう。

暖房器具も、エアコンをメインにするなど火を使わないものに変えましょう。

6.高い所をつくる

猫は立体的に生活する動物です。広さよりも高さが重要で、キャットタワーなど、高い所との上下運動ができる空間を用意してあげましょう。

7.外を眺められる場所をつくる

外に出られなくても、猫は外を眺めることが大好きです。

これには縄張りの確認という意味もあります。窓の外を眺められる場所を複数用意してあげましょう。

8.日向ぼっこができる場所をつくる

日向ぼっこも猫にとってとても大切な習慣です。日中、日がよく当たる場所に猫ベッドを用意してあげましょう。

反対に熱くなった時に避難できる場所も必要です。

9.隠れ家をつくる

猫にとって身を隠せる場所は安心できる場所です。

体調が悪い時や落ち込んだ時だけでなく、一人になりたいときなど、隠れる場所があると安心できます。

いよいよ猫をお迎えしたら

猫の飼い方の基本についてご紹介します。

猫をお迎えしたらまず初めにすること

1.猫が落ち着くまで待つ

猫は新しい環境に馴染むまで時間がかかります。年齢や性格によってはしばらくケージから出てこないことも。

猫が馴れるまで静かに、ゆっくり待ってあげてください。ケージには布をかぶせ、外から丸見えにならないようにしましょう。

淡々と優しく話しかけ、目を合わせないよう気をつけてお世話してあげてください。

時々猫じゃらしなどで遊んであげると仲良くなるきっかけになります。

2.落ち着いたら健康診断へ

猫が家の環境と家族に馴染んできたら健康診断を受けましょう。

ペットショップやブリーダーで受けていたとしても、その時点で発覚しなかった病気がわかることもあります。

また、マイクロチップの装着もお勧めします。猫が脱走や災害で行方不明になったとき、マイクロチップで飼い主が判明するからです。

ほかに、ワクチン接種や避妊・去勢の時期を獣医師に相談し、今後のスケジュールを決めることも必要です。

獣医師は、近所の評判を聞くなどして、猫の診察を得意とする獣医師や相性の良い病院を探し、かかりつけ医を決めましょう。

猫は病院に行くだけで大きなストレスになりますので、往診も可能な病院がお勧めです。

ワクチン接種は年に1度行い、その際何もなくても健康診断を受けるようにしましょう。

3.室温環境を猫に合わせる

エアコンの温度設定は夏で28℃くらい、冬で24℃くらいにしましょう。

また、猫が過ごしやすい場所を選べるよう、エアコンのない部屋も用意し、行き来できるようにすることも大切です。

ごはんのあげかた

少なくとも初めの1週間は今まで食べていたものと同じものを与え、その後2週間ほどかけて、飼い主さんが選んだフードと少しずつ変えていってください。

フードボールは、トイレから離れた場所で、猫が落ち着ける場所におきましょう。

1日の給与量はフードのパッケージに書かれていますが、これは運動量の多い猫を目安にしていますので、やや少なめでかまいません。1日の量を2~3回に分けて与えましょう。

猫はよく吐くので、食べた直後にすぐ吐いてしまう猫の場合は、1回の量を少なくし、小分けにして与えてください。

お水の与え方

猫はあまり積極的に水分を取りたがらない動物ですので、工夫が必要です。

また、食事と同じ場所で水をとらない習性もあり、食事場所以外にも複数個所水場を用意してください。

猫の通り道に置いたり、休む場所においてあげましょう。

容器もいろいろなタイプを用意してあげると良いでしょう。それでも飲まないときは、水の温度を変えてみるのも1つです。

猫にトイレを教える

猫は1日に3回程度おしっこをし、1、2回程度ウンチをします。

トイレを探すときは、あてもなくウロウロしたり、ウンチの時は鳴いたりもします。

そんな仕草をしたら、トイレに連れて行ってあげましょう。

そして用を足したあとは静かに優しく褒めてあげましょう。基本的にはそれだけで猫はトイレを覚えます。

トイレは、安心して静かに用を足せる場所に置きましょう。猫は清潔好きで臭いにデリケートです。

ごはんの場所から遠く、人や他の動物の出入りが少なく、隠れた所を選んでください。頭数+1個が適切なトイレの数とされています。

排泄したら、できるだけその都度片づけてあげましょう。

また、1~2週間に1度はトイレ本体を洗い、猫砂を全て取り換えるようにしましょう。

猫と良い関係を築くために

人とは違った社会性やルールで生きる猫と上手にコミュニケーションをとるにはちょっとしたコツがあります。

おもちゃを使って良く遊ぶ

猫は遊び好きで、遊んでくれる相手を好きになります。おもちゃを使ってできるだけ遊んであげましょう。

かまって欲しい時だけかまう

猫が寝ている時や一人でいるときに、無理にかまうと嫌がられます。

猫から甘えにきたときに、好きなだけ甘えさせてください。そして「もういい」というそぶりを見せたらすぐに引きましょう。

信頼されるまで目を合わさない

目をじっと見つめられることは猫にとって敵意の表れでもあります。

信頼関係が築かれる前はあまり目を直視しないようにしましょう。一方、猫がうっとりとした目で見つめてきたときは信頼の証です。

いつも穏やかでいる

大声を出したり、ドタバタとうるさく動かれることは、猫は苦手で、恐怖を感じることもあります。

いつも穏やかな声と動作を心がけましょう。

猫の感情を読み取る

猫は耳としっぽで感情を表します。耳を伏せたり、しっぽを素早く振る動作は嫌な気分の表れです。

そのようなときは、していることを中止し、一人にしてあげましょう。

猫のお手入れと健康チェック

お手入れは、同時に健康をチェックするよい機会です。異常があればすぐに獣医師に相談しましょう。

猫の耳垢は赤茶色っぽい色で、健康でも多少の耳垢はあります。

汚れが目立ってきたらウェットティッシュなどで軽くふき取りましょう。この時、無理に耳の奥まで突っ込まないようにしてください。

耳垢がいつもより多かったり、ベトベトしていたりしないか、しょっちゅう頭を振る動作がないかチェックしましょう。特に折れ耳の猫は注意が必要です。

多少の目ヤニや涙(乾燥すると赤茶色になります)はウェットティッシュで軽くふき取れば大丈夫ですが、量が多ければ要注意です。

また、目が赤くないか、腫れていないか、痒がっていないかなども同時に観察しましょう。

ペルシャ猫など短頭種の猫は涙や目ヤニが出やすいため、より小まめなケアが大切です。

猫の鼻水や鼻くそも赤茶色です。

これも多ければ問題ですし、鼻水がネバネバしていたり、黄色っぽい場合、鼻血が出ていれば、すぐに病院へ連れて行きましょう。

口内の異常は猫に多いトラブルです。

口腔内の病気だけでなく、感染症も疑われます。猫は犬と違ってよだれを垂らすことはほとんどありません。

口からよだれが垂れている、粘液質である、口臭が酷い、血が出ている、歯がグラグラしているといったことがあれば、すぐに獣医師に相談しましょう。

歯肉炎や口内炎の予防のためにも、ふだんから歯磨きの習慣をつけることも大切です。

被毛

自分で毛づくろいするため猫は体臭があまりなく、お手入れはブラッシングで抜け毛を取り除く程度で十分です。

お風呂はほとんど必要ありません。ただし、長毛種は短毛種よりも頻繁にブラッシングしてあげないと毛玉ができてしまいます。

また、被毛に隠れて皮膚が見えづらく、病気の発見が遅れることも。被毛をかきわけて皮膚をしっかり確認することが大切です。

発疹や赤味がないか、フケが出ていないか、しこりがないかを確認し、また猫が同じ場所をしょっちゅう搔く仕草をしていないか観察しましょう。

猫の爪は人や犬の爪と違い、伸びるというよりは、サヤがとれて新しい鋭い爪が下から出てくる仕組みです。

したがって爪とぎは爪を「研ぐ」のではなく、その古くなったサヤをとる行為です。

サヤをとれば鋭い爪が出てきますが、そのままだと人もケガをしますし、猫もラグやカーテンに引っかけて危険ですので、定期的に人が切るようにしましょう。

爪の根本には血管が通っており、深く切ると出血して猫も痛い思いをします。そうなると次から爪切りを嫌がるようになりますので、端を少しだけ切るようにしてください。

その他の健康チェック

日常的に、排泄物が正常か(量が多すぎないか、少なすぎないか、色がおかしくないか)、呼吸が正常か(25~30回/1分の呼吸数が正常です)、食事量や飲水量に変化がないかなどをチェックしましょう。

いつもと違うと感じたら、獣医師に相談しましょう。

まとめ

猫は私たちにたくさんの幸せを与えてくれます。

もちろん大変なこともありますが、それさえも大切な時間になるでしょう。

私たち飼い主は、猫がくれる幸せに報いなければなりません。最後のその時まで愛猫が幸せであるように。

そう願って努力することが飼い主としての責任ではないでしょうか。

猫を飼い始めるときに、ぜひ考えていただければと思います。

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NEKOCLIP

博物館に20年勤務していた古生物学系元学芸員。猫は絶滅してしまった化石猫から イエネコ、ライオンに至るまで全部大好き。猫飼い歴ン十年の猫おばちゃんです。 飼育のお悩みから進化学に至るまで、幅広い情報と猫の素晴らしさをわかりやすく お伝えしようと思います。理学修士、ペットシッター資格、愛玩動物飼養管理士2級。 ペット用品販売会社での勤務経験もあります。