2016年3月3日更新

【獣医師監修】お口のトラブルは全身トラブル!?注意したい愛犬のお口の病気の症状・予防方法をご紹介

最近、愛犬の口が臭い・・・。思わず顔を背けてしまう事ありませんか?

健康な犬の歯は白く、歯茎と舌はピンク色で、口臭もないのが普通です。歯や歯茎の病気は、食べる事に支障をきたすだけでありません。

たとえば、歯周病菌は血管内に入り込み、血流に乗り全身に流れます。そして心臓や腎臓に悪影響を及ぼす原因となる可能性があると、近年の研究で分かってきました。また、体に隠れた病気が口の状態に影響していることもよくあります。

そこで今回は、口のトラブルからわかることと、口のトラブルでよく見られる歯周病の予防方法をご紹介いたします。

口のトラブルとそこから見つかる病気とは

口臭が強い

口内炎や歯周病、口の中の腫瘍がある場合に、口のにおいが強くなります。また、口の中に異常がないにも関わらずにおいがする時には、肝不全や腎不全などが疑われます。

よだれが出る

よだれが多い時は、口内炎など口の中の異常の他、中毒、胃腸障害や麻痺性の嚥下障害(飲み込めない状態)の可能性も考えられるため、全身の状態の観察が特に大切です。

口を閉じない

歯が抜けかけて引っかかっていたり、異物が奥歯に挟まっていたりする事が考えられます。また、口の中の炎症が酷くなっていたり、あごが骨折していたりする時も口が閉まらなくなります。

口元をひっかく

口の中に異物があったり(口腔内腫瘍も含まれる)、歯肉が何らかの炎症を起こしたりしているなど、口そのものに問題がある時にも口を気にする仕草をします。

しかし、アレルギー反応で口の周りの皮膚が痒いときにも、口元を引っ掻くことが多いようです。食事内容をチェックしてみる必要があるかもしれません。また、稀に金属製の食器に反応してしまう犬もいるようです。

歯茎の色がおかしい

歯茎の色が青白くなっていたり青紫色になっていたりするときは、すみやかに動物病院につれていきましょう。命に関わる問題がある可能性があります。

青白くなっている時は、何らかの原因でショック状態に陥っている可能性を疑います。また、青紫色になっている時には、呼吸器疾患や心臓疾患などで血液中の酸素濃度が低下していると考えられます。

歯茎の色が黄色になっている時も、病気の可能性を考えます。肝臓疾患により黄疸が出ていることがあるので、できるだけ早く動物病院へ行きましょう。

歯茎が赤くただれていたり腫れたりしている時は、歯肉炎の可能性があります。

歯が抜ける

成犬の場合、歯槽膿漏や歯肉炎の悪化の疑いがあります。生後4~7か月の子犬は歯の生え変わりの時期ですので心配はいりません。

口のトラブル、特に歯周病の予防方法

犬は、本来虫歯にはなりにくい生き物ですが、歯周病はとてもよく見られます。

人と生活を共にするうちに人の食べ物を、おすそ分けしてもらい、甘くて美味しいものを学習しているケースもあるでしょう。ケーキやアイスクリーム等を少し舐めさせた経験はありませんか?それは犬にとっては美味しい記憶になります。どんなに遊びに夢中でも、パッケージを開封する音には飛んでくるでしょう。

また、ドッグフードも多様化しており、ウエットタイプ、セミモイストタイプなどのように食後に歯に残りやすい物があり、これらを日常的に食べていると知らず知らずに歯垢が溜まっていきます。

この歯垢がトラブルの元凶です。歯垢の中にひそむ細菌が歯周病を引き起こします。

犬の歯磨きの方法

最近は、歯磨きガムのようなオヤツも充実していますが、歯と歯の隙間、根本までは綺麗になりません。定期的に歯磨きをしましょう。

犬用の歯みがきジェルやヘッドの小さい歯ブラシがあります。とはいえ、いきなり歯ブラシをお口に入れたらビックリしてしまいますので、まずは口元に触れる事に慣らす事から始めましょう。

慣れてきたら、歯みがきシートやガーゼなどを飼い主さんの指に巻いて優しく歯の表面を拭いましょう。これにも十分慣れたら、いよいよ歯ブラシを使ってみましょう。最初は毎日1本ずつはじめるなど、焦らず少しずつやってみましょう。

どうしても磨かせてくれない場合はトリミングサロンで歯磨きをしてくれるお店もあるようですので、トリミングの時にお願いしてみても良いかもしれません。

また、既にたくさん歯石が付いてしまった状態の場合は、動物病院でとってもらうしかありません。しかし、施術には全身麻酔が必要なため、獣医さんとよく相談して愛犬に一番良い方法を見つけてあげて下さい。

歯磨きや口元の観察は、歯周病の予防や口の病気の発見ができるだけでなく、口以外の病気を見つけるのにも役に立つことがあります。日常的なケアを愛犬の健康維持に役立てましょう。

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

関連記事

【獣医師監修】お口のトラブルは全身トラブル!?注意したい愛犬のお口の病気の症状・予防方法をご紹介

最近、愛犬の口が臭い・・・。思わず顔を背けてしまう事ありませんか? 健康な犬の歯は白く、歯茎と舌はピンク色で、口臭もないのが普通です。歯や歯茎の病気は、食べる事に支障をきたすだけであり……

犬の歯周病

6/4~10は歯と口の健康週間。愛犬・愛猫のお口の健康について獣医師が解説!

6月4日〜10日は「歯と口の健康週間」です。以前は、「6月4日は虫歯予防デー」とも言われていましたよね。ところで、愛犬や愛猫の歯や口のケアは十分できていますか?犬や猫も歯磨きによる歯と口のケ……

犬の歯周病リスク

【獣医師監修】ちゃんと歯磨きしてますか?犬だって虫歯になるんです。症状・原因・治療法について

犬って虫歯になるの? 人にとって虫歯はかなり身近な病気ですよね。実は犬も虫歯になることがあるのです。 ただし虫歯になってしまう確率はとても低いでしょう。なぜかというと 犬の唾……

犬の歯周病

【獣医師監修】うちの愛犬は大丈夫?大人のイヌの8割がかかっている『歯周病』の対策法。

みなさん、飼い犬の歯磨きはしたことがありますか?犬の歯のトラブルで多いのが歯周病です。犬は自分で歯磨きができないので、愛犬が大事な歯を永く健康に使えるように、飼い主さんがしっかりと歯周病のケ……

犬の歯・口の病気

【必見!】愛犬の口臭ケア・対策グッズ10選

愛犬の息、口がにおう……気になったことはありませんか?口腔内は、細菌が繁殖しやすい場所です。 愛犬の口臭は内臓からきている(消化不良、胃腸の不具合、肝臓や腎臓の病気など)場合もあり、歯……

犬の歯・口の病気

【獣医師監修】愛犬の歯を健康に保つための方法。手遅れになる前に対策してあげましょう。

「愛犬の口臭が気になる」「歯石がつくのを予防したい」「犬の歯磨きってどうしたらいいの?」 と思っている方へ、今回は愛犬の歯を健康に保つために、愛犬の歯磨きの方法をご紹介します。 歯石予防……

犬の歯・口の病気

【獣医師監修】小型犬は要注意!乳歯遺残の症状や影響について解説します

乳歯遺残。聞きなれない言葉かもしれませんが、漢字だけでも何の事だかイメージがつく方も多いかと思います。 わんちゃんも人間と同じように、子犬の頃に乳歯だった歯が成長とともに抜けて、大人の……

犬の歯周病