2016年3月3日更新

【獣医師監修】とっても痛い!?愛犬を尿路結石症から守る方法

「あれほど痛い経験はしたことがない」と言う人もいるほどの激痛を伴う病気のひとつに尿路結石症があります。この尿路結石症、実は犬も発症してしまうリスクがあるのです。

ただ痛いだけではありません。全身に悪影響を及ぼし、最終的には死に至るような障害を引き起こすこともあるのです。

今回は尿路結石症についてご紹介します。愛犬の尿路結石症を予防するために、しっかりと対策をしましょう。

尿路結石とは

尿路結石は、多くの場合、臓器の表皮などの核になる物質の周囲に、結晶化した尿中の代謝産物などが層をなして形成されていき、文字通り「石」のような形をしています。

結石の成分により名称が分けられていて、犬に一番多いものは「ストルバイト結石」、次が「ショウ酸カルシウム結石」です。最初は砂のように小さいですが、放置しておくと1㎝以上の大きさになり、尿道を完全に塞いでしまうこともあるので油断してはいけません。

尿路結石症の症状

結石ができる場所によって症状は異なりますが、多くの場合、結石は膀胱で形成され、尿道を通って尿とともに排出されます。膀胱や尿道内に結石があることで、「トイレの回数が多くなる」「1回にする尿の量が減る」「なかなかトイレを済ませない」といった症状が出てきます。

結石が小さいうちはあまり症状がみられないこともありますが、石が大きくなるにつれて、尿路感染を併発する事も多くなり、症状も悪化していきます。そうなると、「尿に血が混じる」「尿の中に小さな石の欠片が目視できる」「尿が臭くなる」「トイレの後に痛がる素振りを見せる」と明らかな異常を訴えるようになります。

併せて「食欲不振、嘔吐」、「お腹がぱんぱんに張っている」、そして何より、「何度もトイレの体勢をとっているのにおしっこがほんの少ししか出ていない、または全く出ていない」といった状態になってしまっていたら、結石が尿道を完全に塞いでしまっているかもしれません。おしっこができないことにより急性腎不全になってしまったら命の危険があります。すぐに動物病院へつれていきましょう。

尿路結石症の治療法

動物病院での治療は結石の種類やサイズ、できている場所によって異なります。

結石が小さければ自然に排出されることもありますが、大きくなると自力での完治は難しいのでまずは動物病院で診察、治療をしてもらいましょう。

尿道に結石がつまっている場合には緊急処置としてカテーテルを挿入し、膀胱内に押し戻したり洗い流したりします。併せて点滴治療を行ないます。膀胱内の結石が大きなものであれば手術で摘出しなくてはなりません。

結石の種類にもよりますが、小さな結石であれば点滴治療や結石溶解のための療法食によって溶解することもあります。あわせて、細菌感染がみられる場合には抗生物質の投与が必要です。

尿路結石症の予防法

尿路結石の原因は食生活、遺伝や体質、尿路感染の三つが主とされています。

食生活の改善

健康的な食生活をおくることは尿路結石症の予防に有効です。 結石の成分となるミネラルの補給について、適度に調節しなければなりません。サプリメントなどもありますが、飼い主さんだけの判断では少し難しいので獣医さんと相談しながら、正しい食事を心がけましょう。

特に、一度尿路結石症と診断されたり、手術や内科治療で結石を除去したりしたことがある場合には、再発を防ぐ為に、結石のもととなる成分を減らした療法食を継続しましょう。

愛犬は尿結石ができやすい体質なのか把握しておこう

結石ができやすいとされている犬種はシー・ズー、ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリアなどです。定期健診や予防注射の際、獣医さんに愛犬の体質について質問してみると良いでしょう。定期的な尿検査も有効です。

尿路感染

細菌性膀胱炎によって結石が生まれてしまうケースも多々ありますので、もし愛犬が細菌性膀胱炎を患っていたら、そちらの早期完治も大切です。

まとめ

尿路結石症は完治しても再発しやすい病気ではありますが、食事療法の継続と定期的な尿検査が再発防止にとても役立ちます。

悪化してしまうと手術が必要になったり、命に関わったりすることもありますので、予防と早期発見、再発防止につとめましょう。

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