2016年3月6日更新

【獣医師監修】小型犬は要注意!膝蓋骨脱臼という病気

膝蓋骨脱臼という病気の名前を知っていますか。あまり聞きなれない病名ですよね。しかしこの「膝蓋骨脱臼」は、どの犬種にも起こりうる病気です。中でも小型犬では発生率が高く、悪化すると手術が必要になることもある重大な病気なのです。

今回はこの「膝蓋骨脱臼」についてご紹介します。

どんな病気?

「膝のお皿」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。膝蓋骨というのはその「お皿」のことで、膝を伸ばしたり曲げたりするときに使う靭帯の動きをスムーズにする役割を持つ骨のことです。

もしも膝蓋骨が何らかの形で「正しい位置から外れる=脱臼」してしまうと、靭帯が正しく働くことができなくなり、足をうまく動かせなくなってしまうのです。

なぜ小型犬に多いの?

膝蓋骨脱臼の原因には、大きく分けて「先天性」「後天性」の二つがあります。

「後天性」の膝蓋骨脱臼とは、事故などの外傷によるものです。

一方、「先天性」のものは、骨や筋肉の構造の異常が原因で膝蓋骨脱臼を起こすのです。ミニチュア・ダックスフンドやトイ・プードル、マルチーズなどの小型犬は生まれつき膝周りの筋肉、骨、靭帯などの構造、形成に異常があることがありますので、子犬を迎えた時には、歩き方に注意しておくほか、あらかじめ検診を受けておくことが必要になるでしょう。

症状

外的要因(事故など)で脱臼した場合は、痛みを伴いますが、先天性膝蓋骨脱臼の初期症状で自然に外れてしまったときには痛みなどはありません。

小型犬でよくみられる先天性膝蓋骨脱臼では、痛みにより運動したがらないといった症状をみることはあまりありません。

脱臼を起こしたときには特徴的な症状をしめします。脱臼した足をうまく動かせなくなるので、足を引きずる、ぴょんぴょんと跳ねるように歩き出すといった行動が見られます。

膝蓋骨脱臼は症状によりグレード1から4まで分けられています。

  • グレード1 人が指で押すと脱臼するが、指をはなすと自然に元に戻る
  • グレード2 脱臼しても、後肢を伸ばす事で整復が可能
  • グレード3 獣医師の処置により整復できるがすぐにまた脱臼してしまう
  • グレード4 膝蓋骨が常に脱臼した状態でほとんど動かすことができない

グレード1、2では、愛犬は自分で後ろ足を後方にのばすことで、自力で脱臼を直してしまうことがよくあります。グレード3以降では完全に足を上げて歩くようになり、動物病院に行かなければ脱臼を治すことはできません。

愛犬の膝蓋骨脱臼がどのグレードなのか、ということは治療方法の選択に関わりますので、まずは動物病院で触診してもらいましょう。

予防法

外傷による膝蓋骨脱臼については、日頃より事故などを起こさないよう注意することができますが、先天性膝蓋骨脱臼の予防は困難です。

先天性膝蓋骨脱臼と診断されたら、症状を重くしないため、愛犬の足に負担がかからないように配慮しましょう。

アスファルトなどの硬い地面や、フローリングなどの滑りやすい床は、私たちが思っている以上に愛犬の足に大きな負荷をかけています。

アスファルトの上での激しい運動は避ける、フローリングにはカーペットをしいて滑りにくくする、などの生活環境の改善が有効です。

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

関連記事

愛犬の足腰を考えた「滑りにくいフローリング床」新登場!

画像出典:PR TIMES 愛犬を室内で飼う飼い主さんが増えたことで感染症などに罹る犬の数が減り、犬の寿命は年々延びてきています。しかしながら、その反面、室内飼いならではのトラブルもないわ……

犬のニュース

【獣医師監修】小型犬は要注意!膝蓋骨脱臼という病気

膝蓋骨脱臼という病気の名前を知っていますか。あまり聞きなれない病名ですよね。しかしこの「膝蓋骨脱臼」は、どの犬種にも起こりうる病気です。中でも小型犬では発生率が高く、悪化すると手術が必要にな……

犬の膝蓋骨脱臼