2015年5月7日更新

【獣医師監修】犬や猫もアレルギーになる?ペットのアレルギー疾患の症状と原因、治療方法

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20年ほど前まで、動物病院で「うちの犬、アレルギーじゃないですか?」などと質問すると「犬にアレルギーなんてありません」と言われることがあったようです。

しかしながら、最近ではペットにも人間と同じようなアレルギー性疾患があることが分かってきています。人間同様、ペットでもアレルギー性疾患の完治は難しく、対症療法に頼っているケースがほとんどです。

ペットがアレルギー性疾患と診断されたら、どうすれば良いのでしょうか。

 

なぜ、ペットにアレルギー性疾患が起こるのか?

今や人間の世界では3人に1人が花粉症などのアレルギー性疾患をもつと言われていますが、ペットのアレルギー性疾患とはどんなものなのでしょうか?

アレルギー反応とは、簡単に言えば体の免疫系が特定の物質に対して過剰に反応することで、本来なら攻撃する必要のない外部からの刺激に対して不必要な攻撃を加えることで体に様々な症状が起きてしまう状態を指します。このしくみは人間も動物もほぼ同じです。

人間のアレルギー症状がひとつの疾患として認識されるようになったのは1960年代以降。その後、数十年でアレルギー性疾患の患者数が激増した原因はたくさんあります。抗菌アイテムなど、普段の生活の中で清潔を強く意識するようになったことで、細菌などとの接触が少なくなったことも一因だと言われています。

また、食生活の変化により、添加物の多い食品を摂取する機会が増えたことも無関係ではないようです。ただ、 アレルギー性疾患の直接的な原因はまだはっきりとはわかっていません。

同じことはペットにも言えます。その昔、屋外での飼育が主流であったペット達も、今では家の中で過ごすことが多くなりました。フードも市販のものを使うことが多くなり、栄養のバランスはとりやすくなりましたが、その反面、添加物などの摂取量も増えています。

人間同様にアレルギー性疾患を起こしやすい環境になってきているともいえるでしょう。

どんなアレルギー症状が出るの?

それでは具体的にペットにはどんなアレルギー症状が出るのでしょうか。

症状は人間の場合と似ていて、湿疹やかゆみを伴う皮膚炎や外耳炎といった皮膚症状、下痢などの消化器症状、クシャミや咳、鼻水などの呼吸器症状が主なアレルギー症状として知られています。

ペットを観察してみて、後ろ足で執拗に耳を掻いていたり(そのために耳の後ろがボロボロになる場合もあります)、耳垢が出ていたり、嫌な臭いがしていたらアレルギー性の皮膚炎や外耳炎の可能性があります。

また、涙や目やにが出る結膜炎や角膜炎もアレルギーが原因の場合があります。

とはいえ、アレルギー性疾患の診断は見ただけでは難しいものです。まずはかかりつけの動物病院で相談してみましょう。

最近では動物病院でもアレルギーの原因物質(アレルゲン)を特定する検査をしてくれるところが増えてきていますので、本当にアレルギー体質なのか、またそうであればアレルゲンが何なのかを調べてもらうことが可能です。

 

アレルギー性疾患と診断されたら

アレルギー性疾患に対しては、症状を抑えるための対症療法が多く、根本解決に結びつくような有効な治療方法はまだ見つかっていません。

ペットの治療にはステロイド剤や抗ヒスタミン剤などが使われることが多いですが、治療が長引けば、それらの薬の副作用も心配です。

今ある症状がひどいようならまず、薬でその症状を緩和する必要があります。同時に飼い主さんができることとしては、アレルギーの原因を生活の中から取り除くことが挙げられます。

例えば食物アレルギーなら、自分のペットのアレルゲンを含まない食材を使ったフードを試してみましょう。食材は一種類に偏らず、なるべくいろいろな種類を食べさせることも大切です。

花粉やハウスダストなどに反応するようなら空気清浄機を使ってみるとよいかもしれません。ペットは床に近いところで生活していますので、床にホコリなどが溜まらないように頻繁に拭き掃除するのもおススメです。

無駄なくアレルギー対策を立てるためにも検査で原因を突き止めておくとよいでしょう。

 
 

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