2015年5月7日更新

【獣医師監修】死亡率の高い恐ろしい犬猫の病気。パルボウイルス感染症の特徴・症状と対処法

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パルボウイルス感染症という病名を聞いたことがありますか?

混合ワクチンで予防できるウイルス感染症のひとつとして知っている飼い主さんもいると思います。このパルボウイルス感染症は、感染力が強く、致死率が高いうえに、ウイルスに対する直接的な治療法がない怖い病気です。

今回はパルボウイルスから可愛いペットを守るためにどうしたら良いか紹介しましょう。

 

パルボウイルスの特徴

パルボウイルスとは自然界に生息するウイルスの中でも特に小さい部類のウイルスです。犬パルボウイルス、猫パルボウイルスなど、各動物種に感染するウイルスの種類は決まっており、犬のウイルスが人に感染するなど種を超えて感染することはないと言われています。

パルボウイルスは生存力が特に強く、私たちがいる日本の環境下では、炎天下でも半年から1年は生き延び、執拗に広まって行きます。犬の場合は1歳未満で発症することが高いのに比べ、猫は年齢に関係なく発症するとも言われています。

感染ルート

パルボウイルスに感染した動物の便などから同種の動物に感染します。「家の中で1頭だけで飼っているので大丈夫」と思うのは間違い。外を出歩いた飼い主さんの靴底にウイルスが付いてきて感染することもありますので、油断できません。

また、感染力が非常に強いので、多頭飼いの家では特に注意が必要です。

 

パルボウイルス感染症の症状

それでは、一体どんな症状が出たらパルボウイルス感染症を疑えば良いのでしょうか。

パルボウイルス感染症は潜伏期間が2日〜14日であると言われ、発症すると最初は喉(咽頭や喉頭)のリンパ節で増幅、やがて血液中に入って腸、骨髄など細胞分裂のさかんな臓器に移り、そこで増幅して細胞を破壊します。

飼い主さんが確認できる初期症状は激しい嘔吐です。最初は1日5回〜6回ぐらいの頻度で、病状が進むに従って嘔吐の回数が増えていきます。

発症して1日以内に下痢が始まり、5日目ぐらいにはトマトジュースのような水状の血便が出るようになります。その頃には骨髄細胞でもウイルスは増殖しており、白血球減少を引き起こします。その後衰弱し、ショック症状や敗血症となり死に至ります。

パルボウイルス感染症の治療や予防

パルボウイルス感染症を直接治療する方法は今のところありません。特に子犬や子猫の場合、体力がなく免疫力が弱いため、一旦発症すると致死率は80%を超えるとも言われています。

発症したペットを救う唯一の道は、早期に治療を開始することです。嘔吐などパルボウイルス感染症を疑う症状が見られたら、速やかに動物病院に連れて行きましょう。

治療の中心は、下痢や嘔吐で脱水した水分を補給する点滴、二次感染を防ぐための抗生物質の投与などです。ペット自身の免疫力を高めるためのインターフェロンの投与を行なうこともあります。ペット自身の力でウイルスの攻撃に耐えることができれば数日〜数週間で回復します。

ただし、回復した後も罹患したペットからはパルボウイルスが排出されますので、トイレの充分な消毒、多頭飼いの場合は隔離などが必要です。パルボウイルスはアルコールに対しては抵抗を示すため、次亜塩素酸を含む消毒剤を用いましょう。

この恐ろしい病気を防ぐ方法は、ワクチンの接種です。子犬、子猫のときは特に、ワクチン接種により確実に予防することが大切です。

 
 

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