2017年7月4日更新

【獣医師監修】猫のウンチが血便に! 症状から考えられる原因や治療について

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ある日突然、飼っている猫のウンチに血が!そんなことになったら誰でもびっくりするでしょう。

血便とは、便の表面、便中に鮮紅色の血液が見られることをいいます。その原因は腸の下部、大腸の炎症が主なところですが、肛門周囲領域に原因があってもみられます。また、発症年齢によっても原因が違うことも考えられます。
今回のテーマは血便についてです。これを読んで、突然の血便にも慌てず対応できるよう、備えてくださいね。

 

血便の原因

ご存知の方も多いと思いますが、腸は小腸と大腸とに分けられます。小腸は胃から続いており、主に消化吸収を担っています。一方、大腸は腸の出口、肛門に近い部分で、主に水分の吸収を行い、便を溜めます。大腸からの出血がある場合、血便となります。大腸炎が血便の原因としては一般的ですが、大腸炎と言っても、その原因は多岐に渡ります。いわゆる、食あたりのように、食べ物が原因になる場合もありますし、腸の粘膜を傷つけてしまうような異物、猫ちゃんですとトイレ砂など、の誤食も考えられます。若い猫ちゃんの場合には、寄生虫などの感染の可能性も考慮しなければなりませんし、高齢の猫ちゃんの場合では、腫瘍の存在も頭に入れておかなければなりません。また、肛門や肛門周囲の組織、肛門腺などに炎症、腫瘍がある場合にも、血便がみられることがあります。

血便がみられる時の症状

先の項でお話をさせていただいたのですが、血便がみられた場合、原因となる疾患によって症状が異なりますので、それぞれについて進めていこうと思います。
まず、大腸炎を起こしている場合です。大腸炎では腹痛を伴うことが多いので、元気がなくなったり、お腹が張ったように硬くなることがあります。排便回数が多く、少量の粘膜を伴った便がみられることが多いです。残便感があり、何度も排便姿勢をとる、しぶり、もみられます。しかし、血便が原因となって貧血になる、痩せてくる、などという全身へ影響は通常はみられません。
次に、肛門やその周囲組織に原因がある場合です。この場合には猫ちゃんがお尻を気にする仕草、舐めたり、お尻を床や壁に擦り付けるなどが観察されることがあるかもしれません。また、猫ちゃんが座っていた位置に血液が付着していることもあるでしょう。

 

血便の治療

単純な大腸炎の場合には整腸剤や抗生物質の投与を行います。寄生虫や細菌などの感染が確認されれば、それぞれに応じた駆虫薬や抗生物質などを投与します。繊維性の処方食が効果を示す場合もあります。
肛門や肛門周囲疾患の場合にも、それぞれに対応した治療を行います。
いずれの場合も予後は良好であることが多いですが、中には悪性の腫瘍が原因となっていることもありますので、素人判断は禁物です。早めに動物病院へ連れていってあげましょう。

飼い主さんの早めの発見が完治への近道

お散歩の途中でウンチをするわんちゃんと違って、ねこちゃんの排便はトイレや、お外へのお出かけ中に飼い主さんの目の届かないところで済まされることも多いため、血便の発見が遅れてしまいがちです。

特に多頭飼育では、症状のある猫の特定が難しい場合もあるでしょう。

ウンチの異常をいち早く発見し、早めに対処するためにも、日頃からトイレ掃除の際はウンチの様子を注意してみることが大切です。また、猫ちゃんのお尻が便で汚れていないかなどのチェックもしてあげるとよいですね。
何かいつもと変わった様子がみられる場合には、早めに動物病院へ行きましょう。