2015年8月6日更新

【獣医師監修】処方された犬猫の薬の「効き目」や「副作用」が分かる!腎臓・泌尿器系編

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動物病院に行って処方してもらった薬。特に作用などを気にすることなく、そのまま犬や猫に飲ませている人がほとんどなのではないでしょうか。

自分自身に処方された薬の名前さえ知らないのに、ペットの薬について知らないのは当然かもしれません。

信頼する獣医さんが診察した上で処方してくれる薬に間違いはないでしょう。それでも自分の愛犬、愛猫が長期間に渡り薬を服用しなければならない場合には、処方された薬について知っておくことは大切です。

今回は腎臓病や泌尿器系の病気の際に処方される薬とその効用などについてご紹介しましょう。

※薬については成分名と商品名の両方が記載してあります。薬のタブレットや錠剤に商品名がない場合や成分名については獣医さんにご確認ください。

 

尿路障害治療薬


塩酸オキシブチニン

神経因性膀胱、頻尿、尿失禁など。犬や猫以外に人間にも使用します。


副作用として血小板の減少や麻痺性イレウスが起こる場合があります。また、尿路閉塞により排尿が困難もしくは排尿できない場合、緑内障、麻痺性イレウス、高齢になってからの腸アトニー、重筋力無力症、授乳中の犬、猫に関しては投与時に注意が必要です。


イノベース(東洋ファルマー)、ウルゲント(日本医薬品工業)、コバポラス(小林化工)、デライブ(大正製薬工業)、ネルオス(大洋薬品工業)、ハラレース(大原薬品工業)、パルナキソール(イセイ)、ファンデヒーデ(陽進堂)、ポラキス(アベンティスファーマ)、ポラチール(寿薬品)など

尿酸合成阻害剤


アロプリノール

尿酸結石、リーシュマニア(犬の場合のみ)。人に対しては痛風などに使用します。


食欲不振、下痢、眠気、脱毛、胃もたれ、発熱、発疹、肝臓・腎臓機能障害、皮膚粘膜眼症候群、中毒性皮膚壊死症などの副作用が起こる場合があります。


アイデイト(鶴原製剤)、アデノック(三菱ウェルファーマ)、アノプロリン(アルフレッサファーマ)、アリスメット(辰巳化学)、アロシトール(田辺製薬)、アロチーム(沢井製薬)、アロック(日本ヘキサル)、アロプリノール(興和・昭和薬品化工・東洋ファルマー)、アロリン(東和薬品)、アンジーフ(日本ケミファ)、ケタンリフト(デイコクメディックス)、ケトブンA(イセイ)、ザイロリック(グラクソ・スミスクライン)、サロベール(大日本住友製薬)、タカナルミン(高田製薬)、ノイファン(ナガセ医薬品)、プロデック(大洋薬品工業)、マサトン(全星薬品工業)、ミニプラノール(日本ガレン)、ユーリック(日本新薬)、リボール(日本シエーリング)
 

尿路結石治療薬


ウラジロガシエキス

腎結石、尿管結石の排出促進


比較的副作用の少ない薬だと言われていますが、まれに胃の不快感、下痢、発疹、かゆみが起こることがあります。犬・猫のほかに人間にも使用します。


ウロカルン(日本新薬)

前立腺肥大治療薬


エビプロスタット

前立腺肥大による排泄困難や残尿、頻尿


食欲不振、腹痛、胃部の不快感、発疹、かゆみなどの過敏症状、円形もしくは楕円形の赤い発疹、黄疸などが起こる可能性があります・犬。猫のほかに人間にも使用します。


エピカルス・エピカルスS(シオノケミカル)、エルサメット・エルサメットS(大洋薬品工業)、コスモベック(日本薬品工業)、トリピシッド(ハイゾン製薬)、ナーセット(大正製薬工業)、ハルーリン(共和薬品工業)

酢酸オサテロン

犬の前立腺肥大症


肝機能障害、精液量減少および精子奇形が起こる可能性があります。重度の肝機能障害、肝臓疾患、糖尿病、副腎皮質機能異常がある場合は使用できません。特に猫の場合は副作用に注意が必要です。


ウロエース(帝国臓器製薬)

高リン血症治療薬


塩酸セベラマー

高リン血症の改善


この薬は人間用の薬ですが犬・猫に使用することがあるようです。腸管閉塞がある場合は使用できません。また、胃腸障害が起こる可能性があります。


フォスブロック(麒麟麦酒)、レナジェル(中外製薬)

頻尿治療薬


塩酸フラボキサート

犬の神経性頻尿、慢性前立腺炎、慢性膀胱炎における頻尿、残尿感


発疹、かゆみ、胃部不快感、食欲不振、吐き気、じんましん、呼吸困難などが起こる可能性があります。十二指腸もしくは腸管の閉塞、下部尿路の通過障害、緑内障、肝障害がある場合は使用できません。


アボラキート(東和薬品)、ウロステート(あすか製薬)、ウロタイロン(大洋薬品工業)、ウロロダン(エムジーファーマ)、サワダロン(沢井製薬)、ジステリンク(陽進堂)、ハルニン(興和)、ハルバーン(佐藤薬品工業)、プラダロン(日本新薬)、フラボサート(ダイト)、フラボネート(日本医薬品工業)、プリメラール(日本薬品工業)、プログット(三和化学研究所)、ボラボラン(鶴原製薬)、ユリナロン(ニプロジェネファ)、ラトボレール(辰巳化学)、ルアダン(ナガセ医薬品)、ロラーム(東洋ファルマー)

慢性腎不全用吸着剤


球形吸着炭

猫の慢性腎不全における尿毒症状の抑制


便秘、食欲不振、悪心、嘔吐、膨満感、下痢が起こる可能性があります。犬に与える場合は特に副作用に注意が必要です。


コバルジン(呉羽化学工業)、キューカル(デイコクメディックス)、クレメジン(呉羽化学工業)、メルクメジン(メルク製薬)

酸性尿改善薬


クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム

犬の低クエン酸尿症におけるシュウ酸カルシウム結晶の生成抑制、慢性代謝性アシドーシスの改善。人間の痛風にも使用する薬です。


下痢、軟便、胃の不快感、悪心が起こる可能性があります。


ウラリット(日本ケミファ)、ウリンメット・ウリンメット-U(メディサ新薬)トロノーム・トロノームU(大原薬品工業)、ピナロック(ナガセ医薬品)、ポトレンド(東和薬品)

中枢性尿崩症薬


酢酸デスモプレシン

犬猫の中枢性尿崩症(脳下垂体から分泌される抗利尿ホルモンが分泌され、尿から水分が再吸収されなくなるために体内の水分が大量に尿中に排出されてしまう病気)


脳浮腫、昏睡、水中毒などを起こす可能性があります。


デスモプレシン(協和発酵工業)

排尿障害治療薬


パラプロスト

人間の前立腺肥大による排尿障害、残尿感、頻尿


人間用の薬ですが犬・猫用に使用する場合があります。人間の場合は副作用がほとんどないと言われ、まれに胸焼けや胃の不快感が起こります。


ウリプロス(小林化工)、パロメタン(トーアエイヨー)

高カリウム血症改善薬


ポリスチレンスルホン酸カルシウム

犬の急性・慢性腎不全による高カリウム血症


腸閉塞や腸管穿孔が起こる可能性があります。既に腸閉塞がある場合は使用できません。猫の場合は特に副作用に注意が必要です。


ミタピラリン(東洋ファルマー)

ポリスチレンスルホン酸ナトリウム

犬の急性・慢性腎不全による高カリウム血症


便秘、腹部膨満感、腹痛、嘔吐、心不全、腸穿孔、胃潰瘍、腸壊死などが起こる可能性があります。


カリセラム-Na(扶桑薬品工業)、ケイキサレート(鳥居薬品)

膀胱、泌尿器系疾患で処方される薬のまとめ

薬は病気の治療に欠かせない大切なものですが、どんな薬でも副作用を起こす可能性があります。動物は体調を言葉で表現できませんので薬を飲んだ後に変わった様子がないかどうかペットの状態を観察することは非常に大切です。

腎臓、泌尿器系の病気の場合、長期に渡って薬を服用することも少なくありませんので病院で処方された薬について調べ、副作用について知識を得ておくことをおススメします。

特に猫の場合、犬に比べると副作用が出やすい薬が多いことは覚えておいた方が良いでしょう。