2016年3月5日更新

【獣医師監修】些細な症状も見逃さないことが大切!犬が罹りやすい目の病気と治療方法。

犬には、目が構造的に顔の前方に出ている品種がいくつかあり、そのような品種では目の病気に罹りやすいと言われています。また、目の出ていない構造の品種であっても、犬に発症しやすい眼の病気はいくつかあります。目は繊細な機能を持っている上、粘膜が直接外気に触れるため部分でもあり、感染症にも注意が必要です。今回は犬の目の病気についてご紹介しましょう。

犬の目の病気いろいろ

犬にはさまざまな目の病気があります。そのうちのいくつかをご紹介しましょう。

眼瞼炎

眼瞼とはまぶたのこと。目の周りが赤く腫れたり化膿したり、脱毛したりするなどの症状が出て痒みを伴います。原因はまぶたの外傷や真菌・ブドウ球菌をはじめとした細菌への感染などさまざまです。

眼瞼腫瘍

まぶたにできる出来物を総称します。高齢の犬に見られることが多い疾患です。腫瘍という名が付いていますが、良性であることもあります。

結膜炎

眼球表面の白目の部分からまぶたの裏側を一番外側から覆っている膜が結膜。この結膜が炎症を起こした状態が結膜炎です。結膜炎になると充血したり涙が多く出たりします。原因は異物の混入やウィルスなどによる感染症、アレルギーなどが考えられます。さらにはドライアイや緑内障、副鼻腔炎など、他の病気から結膜炎を発症することもあります。

角膜炎

眼球表面で黒目の部分を覆っている膜を角膜と呼びます。(ちなみに黒目以外の部分には強膜といわれる膜があり、結膜は強膜の上から眼球表面を覆っています。)

角膜炎は激しい痛みを伴います。進行すると角膜の表面がぼこぼことゆがんで見えることもあるほか、痛みのため自分でこすってしまい悪化させてしまうこともありますので、すぐに治療が必要です。

流涙症症

目を潤した涙が流れ込む小さな袋である涙嚢から鼻につながっている細い管を通って鼻腔内へと涙は流れます。この細い管が詰まると、涙が鼻へと流れて行かずに眼から常に溢れ出ている状態となります。涙やけを起こして眼のまわりの毛がくろずんでしまったり、皮膚炎を起こしたりすることがあります。

白内障

白内障は目のレンズが白く濁る病気で高齢の犬に発症しやすいと言われています。緑内障や目の炎症から続発するケース、外傷が原因となるケース、糖尿病等の基礎疾患が原因となるケース等があります。発症したばかりの頃は生活に支障がないために気付かないことも少なくありません。進行すると失明してしまうだけでなく、他の目の病気を併発する場合もありますので、早めの対処が大切です。

緑内障

角膜と水晶体の間は眼房水という液体に満たされていますが、この眼房水が過剰に作られたり排出できなくなったりすると、眼圧が高まり緑内障を起こします。緑内障になると網膜や視神経が圧迫され、視力低下や視野狭窄が起こります。また、痛みを伴ったり眼が赤く充血したりすることもよくあります。

目の疾患の治療

目の疾患の多くは、点眼薬や軟膏などを使って治療することが必要です。
抗生物質、抗ウィルス薬、抗真菌薬、抗アレルギー薬、抗炎症薬など、様々な種類の薬が使われています。眼瞼炎や結膜炎をはじめとした多くの疾患で、これらの点眼薬を適宜選択して使用します。

白内障の場合はタンパク質の変性を防いで白濁を遅らせる点眼薬を使用します。最近では犬の人工レンズが開発されて、手術により濁った水晶体を人工レンズに交換することができるようになりました。ただし、全ての白内障の犬に対して適応できるわけではありません。また、施術できる病院は限られており、術後のケアの問題、経済的な問題も含めて、主治医の先生との相談が必要です。

緑内障に関しては、眼房水を流出させる働きのある点眼薬や眼房水の生産を抑える点眼薬を使用します。投薬治療だけで緑内障を完治させることは難しく、再発することも多いと言われています。場合によっては外科手術を行うことがあります。

わずかな症状も見逃さずに

目の病気は点眼薬で比較的短期間で治るケースもありますし、長期的に治療を続けなればならない場合もあります。進行すると失明する怖い病気もありますので、できるだけ早く病院に行って病名と治療方法を確定してもらった方が良いでしょう。

愛犬の目の異常は、自宅でよく見てあげることで発見できるケースも多いので、飼い主さんが日頃から愛犬をしっかりと観察することが大切です。

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