2016年3月5日更新

【獣医師監修】ペットが突然痙攣を起こしたら? ペットの「てんかん」の原因と治療

「てんかん」の原因とは?

「てんかん」とは「てんかん発作」といわれる体の痙攣に代表される発作を繰り返してしまう疾患のことをさします。「てんかん」では、脳そのものに腫瘍や炎症といった病気がないにもかかわらず、何らかの原因で脳神経が一時的に異常興奮することにより、痙攣発作をはじめとするさまざまな発作が起こると考えられています。
一方、「てんかん様発作」とは、「てんかん」とは別の疾患が原因で起こる痙攣発作のことをさします。脳以外の病気による発作もこれに含まれます。肝臓や腎臓など解毒機能を持つ臓器に疾患が起こったために体内に毒が溜まり、その毒が脳に作用して痙攣を起こさせるというものはその一例です。

小動物には「てんかん」を起こす割合が少なくなく、犬の場合は2~3%、猫の場合は0.5%の割合で発症すると言われています。今回は、痙攣発作を繰り返す疾患のひとつである「てんかん」についてご紹介します。

「てんかん」の発作にもパターンがある

「てんかん」の発作時には…

  • 手足を左右対称に突っ張る
  • 痙攣する
  • 意識が薄らぐ
  • 口から泡を吹く
  • 失禁、脱糞する
  • 手足の屈伸など同じ動作を繰り返す

などの症状が起こります。これらの発作は脳全体の神経が興奮して起きる全般発作と呼ばれる発作です。
さらに強い痙攣で全身の筋肉が突っ張る「強直性痙攣」、小刻みな痙攣を繰り返す「間代性発作」と呼ばれる発作が犬ではよく見られます。

また一見「てんかん発作」には見えませんが、脳の一部のみが異常興奮することで起こる部分発作もあり、この場合は、顔面や肢のみの痙攣、よだれなどの症状が表れます。

病院へ行く前に

痙攣発作を起こして動物病院に行く場合には、発作に関する飼い主さんの観察が診断の大きな助けになります。特に「てんかん」による発作では、発作中には見ていられないほど激しく痙攣しますが、発作が治まるとケロッとしていることが多いからです。

まず、痙攣発作を起こしたら…

  • どのくらいの時間、痙攣発作が続いたか?
  • 意識はあったか?
  • どんな発作だったか?
  • 発作後の様子は?

などについて記録しておくようにしましょう。痙攣発作を繰り返す場合にはその頻度についての情報も大切です。ペットが痙攣発作を起こすと、動揺してしまうとは思いますが、痙攣発作の様子をビデオに撮っておくのも良い方法です。
痙攣発作が「てんかん」による「てんかん発作」であるのか、その他の疾患による「てんかん様発作」であるのかによって治療方法は異なるため、確実な診断が大切なのです。

「てんかん」の治療

まず、痙攣発作の原因を特定する必要があります。「てんかん」によく似た症状の疾患もありますので血液検査、神経学的検査などを行い、「てんかん」以外の疾患の可能性原因を丁寧に除外していく必要があります。

「てんかん」と診断された場合の治療には、脳神経の興奮を抑える抗てんかん薬を使います。投薬は継続して行なう必要があるためには、血液検査や肝機能検査などを並行し副作用をコントロールする必要があるでしょう。

「てんかん」は完治が難しいことがほとんどです。薬はあくまでも発作の頻度を抑えるものと理解しましょう。また、勝手に投薬をやめると、かえって症状が重くなることもありますので獣医さんと充分に相談することが大切です。

「てんかん」のペットには落ち着いた対処が大切

「てんかん」に限らず、痙攣発作は見た目がショッキングなため、多くの飼い主さんが慌ててペットを抱きかかえたり揺さぶったりしてしまいがちです。しかし、大切なことは、まずは落ち着いて見守ることです。不用意に手を出すと、飼い主さんであっても噛まれてしまうこともあります。飼い主さんにできることは発作を観察することと、もし高い場所にペットがいるならば落ちないように支えてあげたり、周囲に危険なものがないか確認したりして、ペットと飼い主さん自身の安全を確保することです。ただし、5分、10分と痙攣発作が続いてしまうような場合には、命に関わることもあります。毛布などを用いて安全を確保しつつ、速やかに動物病院を受診しましょう。
「てんかん」の場合は、生涯病気と付き合っていく必要があります。何度も発作を経験してしまうという場合もあるでしょう。投薬で治療するにしても、経過観察するにしても、おちついてペットを見守る姿勢が求められます。

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