2016年3月6日更新

【獣医師監修】様々な病気を併発する病気。クッシング症候群について

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クッシング症候群ってどんな病気

クッシング症候群とは「副腎皮質機能亢進症」の一種で、毛が左右対称に抜けてしまったり、お腹がぽっこり膨らんだりといった、 特徴的な見た目の変化が症状となる病気です。

しかし、問題は見た目の変化だけではありません。治療しないでいると、全身に様々な異常をきたし、命にかかわることもある病気なのです。

クッシング症候群の症状

クッシング症候群は「左右対称に毛が抜ける」「お腹がぽっこりと膨らむ」という見た目の特徴的な症状がありますが、それ以外にも、

  • 多飲、多食になる
  • 尿の量が増える
  • 毛艶が悪くなる
  • 皮膚が薄くなる、弾力がなくなる
  • 運動の量が減る、息切れがする
  • 発情が止まる
  • 睡眠時間が増える

といった様々な症状が起こります。

また、合併症も多く、「皮膚炎」「膀胱炎」「糖尿病」「甲状腺機能低下症」などを併発することがあります。

 

クッシング症候群になりやすい犬種

クッシング症候群はすべての犬におこりうる病気です。そのなかでも特に

  • ダックスフンド
  • プードル
  • ポメラニアン
  • ボストンテリア
  • ボクサー

が発症しやすい傾向があります。また、若齢犬より老犬に発症しやすいとされています。

クッシング症候群の原因

クッシング症候群は多くの場合、「脳下垂体」に腫瘍ができると発症してしまいます。「脳下垂体」に腫瘍ができることで、副腎皮質刺激ホルモンが過剰に分泌されてしまい、コルチゾールと呼ばれるホルモンを作り出す臓器である「副腎」から、コルチゾールが過剰分泌されてしまいます。

また「副腎」そのものに腫瘍ができることで、コルチゾールが過剰分泌される場合もあります。

いずれにしても過剰に分泌されたコルチゾールにより、全身に様々な悪影響が及んでしまうのです。

他にはステロイド剤という薬剤が原因の「医原性クッシング症候群」もあります。

クッシング症候群の治療

腫瘍によるクッシング症候群の場合は、脳下垂体・副腎にできた腫瘍を取り除く外科手術や放射線治療を行うこともあります。しかし腫瘍の位置によっては手術や放射線治療が不可能なケースもしばしばあり、内科治療が一般的です。

これは薬によって副腎皮質の機能を弱める治療であり、基本的に一生涯投薬を続ける必要があるでしょう。投薬量には注意が必要で、適切な投薬量を維持するために、定期的に検査を受ける必要があります。

また医原性クッシング症候群の場合は原因となる薬剤を徐々に減らしていきます。自分の判断だけで薬剤投与をやめることはとても危険なので、絶対にしてはいけません。

また、合併症を起こしている場合にはその治療も同時に行なわなくてはなりません。

他の病気を併発する前に治療をしましょう

クッシング症候群には明確な予防法はありません。見た目の変化だけでなく、全身に重大な影響を及ぼす可能性のある病気ですので、重篤な合併症を起こす前に早期発見・早期治療をこころがけることが大切です。