2016年3月6日更新

【獣医師監修】犬の肺気腫について。症状・原因・治療法をまとめました

犬の肺気腫ってどんな病気?

肺の中で酸素と二酸化炭素を入れ替える働きをしている「肺胞」と呼ばれる組織が、なんらかの原因で正常な働きができなくなることで、空気を取り込みすぎて異常に膨らみ、壊れてしまう病気のことを「肺気腫」といいます。

呼吸困難に陥って死亡する恐れもある危険な病気です。

犬の肺気腫の症状

肺気腫には「慢性」と「急性」の2つがあります。
慢性の肺気腫を発症すると

  • 非常に疲れやすくなる
  • 運動したがらなくなる
  • 涎が止まらなくなる
  • 呼吸困難

といった症状がみられます。時間をかけて落ち着くこともあり、症状が必ず悪化するとは限りませんが、仮に悪化した場合は呼吸困難から死亡することもあります。

急性の肺気腫は上記の症状がかなり激しく、しかも突然発症するのが大きな特徴です。口や鼻から泡を吹いて急激な呼吸困難に苦しみ、そのまま死に至ることもあります。

犬の肺気腫の原因

肺気腫は、肺胞に継続的に負担をかけていることで発症してしまうリスクが高まります。

  • 気管支炎、腫瘍による気管支の狭窄
  • ぜんそくなどの慢性の呼吸器疾患による咳
  • 排ガス、タバコの煙などの刺激

といった原因が慢性的に続いていると、肺気腫を発症することがあります。

また急な運動など突然肺に負担をかけても、肺胞が壊れ肺気腫を起こしてしまうことがあるようです。

犬の肺気腫の治療

一度壊れてしまった(肺気腫になってしまった)肺胞を完全に元に戻すことはできません。現状以上に肺気腫を悪化させないことが重要になります。

具体的には

  • 肺気腫の原因とみられる基礎疾患(気管支炎など)の治療
  • 肺にストレスを与えない環境作り
  • 呼吸困難が激しい場合には、酸素吸引

といった処置を行ない、呼吸状態を安定させます。原因となる病気が治れば、自然と症状も軽減してくることがあります。

しかし壊れてしまった肺胞が多ければ多いほど治療は難しくなり、また治療後も、生活の中で運動制限をはじめとした様々な制限が必要になってしまうでしょう。できるだけ早く発見し、治療することが大切です。

犬の肺気腫の予防

気管支炎などの病気を予防することが大切です。散歩のときはなるべく車通りの少ない場所を選び、犬の周りではタバコを吸わないようこころがけましょう。急激な激しい運動も避けることも意識しておきましょう。

タバコはペットの周りでは厳禁です

肺気腫の予防のためにも、ペット周辺での喫煙はすすめられません。副流煙が肺胞を傷つけてしまう可能性があります。

もちろん、ペットの健康のために気をつけなくてはならないことは、タバコだけではありません。普段から清潔な空気環境を作ってあげることをこころがけましょう。

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