2016年3月5日更新

【獣医師監修】愛犬の度を越した多飲多尿。もしかしたら尿崩症かもしれません

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犬の尿崩症はこんな病気

排尿の回数、量がともに異常に多くなり、併せて水を飲む量も以前とは比べ物にならないほど多くなってしまう病気です。

犬の尿崩症の症状

上でも紹介したように、「尿の量、回数が激増」「水分の大量摂取」という症状が尿崩症の特徴です。

どちらも通常では考えられない量です。大き目のバケツや洗面器の水はすぐに空になってしまい、与えた水を際限なく飲み続けるようになります。

尿を一晩我慢することもできなくなるなど、飼い主さんが失禁と間違えることもあります。

少しでも飲み水が不足すると、脱水症状に陥ってしまう恐れもあるでしょう。

健康な犬の場合の飲水量の目安は、体重1kgあたり60ml以下、尿量の目安は体重1kgあたり20〜45mlですが、体重1kgにつき100ml以上水を飲む場合には、または体重1kgにつき50ml以上の尿をする場合には、尿崩症にかかっているとされています。

 

犬の尿崩症の原因

尿崩症は「脳」と「腎臓」のいずれかのトラブルに起因するとされています。

脳のトラブル

脳下垂体に炎症や腫瘍などのトラブルが起こると、抗利尿ホルモンという尿の量を調整するホルモンが正しく分泌されず、尿がとめどなく作られてしまう状態になります。また、明らかな炎症や腫瘍といった異常が見つからず、基礎疾患のない特発性と呼ばれるケースもあります。

これらは「中枢性尿崩症」といいます。

腎臓のトラブル

抗利尿ホルモンが正しく分泌されていても、腎臓での抗利尿ホルモンへの反応性が低下することがあります。するとやはり尿の量が適切に調整されず、尿崩症を引き起こしてしまうのです。

腎盂腎炎、慢性腎不全、クッシング症候群、子宮蓄膿症などが挙げられます。またステロイド剤や抗けいれん剤の副作用で尿の量が増加することもあります。

これらは「腎性尿崩症」といいます。

犬の尿崩症の治療

他の病気によって尿崩症が起きている場合は、その基礎疾患を治療することが重要です。

脳のトラブルが原因の場合で、脳腫瘍など外科治療が難しい病気や基礎疾患のない特発性の場合には、抗利尿ホルモンを投与しながら生活を続けていくこともありますし、ホルモン補充を行なわない場合もあります。ただし、ホルモンの補充をしない場合は特に、常に水を補給してあげ、脱水症状には気を付けておかなければなりません。

尿崩症に予防法はありません。日々のチェックが肝心です

尿崩症には確実な予防法は現在のところありません。重大な基礎疾患がかくれていることもありますので、早期発見・早期治療が大切です。日頃から、愛犬の飲水量・尿の量を気にかける習慣をつけておきましょう。

 
 

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