2015年5月31日更新

動物の癌のプロ『腫瘍科認定医』とは?腫瘍科認定制度について。

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編集部

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いまやペットの死亡理由のトップに上げられる腫瘍。犬の場合は約半分が、猫の場合は約1/3が、腫瘍が原因で死を迎えていることを考えると、腫瘍にどう向き合うかが、これからの飼い主さんの課題であると言っても良いでしょう。

こんな環境下で登場したのが、日本獣医がん学会が認定する「腫瘍科認定医」の制度ですが、一体、どんな資格なのでしょうか。今回は腫瘍に悩むペットの飼い主さんにとって耳寄りな腫瘍認定医の存在について紹介しましょう。

 

腫瘍認定医はどうやって生まれる?

腫瘍認定医とは、数ある獣医学会の中の「日本獣医がん学会」が学会の実施する認定医試験に合格した獣医に与える認定で、現在、認定医Ⅱ種と認定医Ⅰ種の2種類があります。

認定医Ⅱ種は、認定委員会の推薦があり、所定の審査に合格した上で、認定医Ⅱ種の講習を受け、さらに筆記試験に合格した獣医に与えられます。

認定医Ⅰ種は、認定医Ⅱ種に合格して認定医Ⅱ種の資格を持ち、さらに認定委員会が行う口述試験や診断、治療といった実技試験に合格しなければなりません。

実技試験では、実際の腫瘍症例の写真、X線写真、血液検査結果、細胞検査結果などを元に実際の治療に必要な診察能力や治療技術を試されます。

2015年5月現在、Ⅰ種の資格を持つ認定医は全国で37名しかいません。

認定医の目的は?

腫瘍がペットの重大な病気のひとつとなり、さまざまな治療方法が生み出されるにつれて、獣医さん側も飼い主さん側のより高度なニーズに応える必要が出てきています。

人間の医療には家の近くにあって幅広い医療に対応するかかりつけ医と、専門医がいる大病院があり、役割分担が進みつつありますが、動物病院の場合、かかりつけ医が腫瘍など専門性の高い病気にも対応しているのが現実です。

そこで、日本国内の腫瘍学分野の向上と発展を目指して、高度な専門知識と治療能力を持つ専門医を育成し、獣医学全体のレベルアップを図るために生まれたのが、この制度なのです。

 

認定医のしくみは?

認定医は、一度認定されても生涯その資格を保有できるわけではありません。

資格の有効期限は4年とされていて、更新するためには認定医として働く4年の間に日本獣医がん学会が実施する教育プログラム8回のうち原則4回以上出席する必要があります。

また、学会を退会したり、獣医資格を失ったり、認定医としての資格に欠けると認められると資格を取り消されることもあります。

認定医との付き合い方

現在、Ⅰ種では37名の認定医が活躍していますが、その分布は、東京に7名、神奈川県に9名、大阪に4名、岩手県に1名、茨城県に1名、福岡県に2名、三重県に1名、兵庫県に1名、千葉県に2名、新潟県に1名、宮城県に1名、香川県に1名、愛知県に1名、群馬県に1名、岡山県に1名、埼玉県に1名、静岡県に2名、長野県に1名です。(内2名が2県重複/1名は海外)

こうして見ると、まだまだ認定医のいないエリアもあるわけで、それでも認定医に診察の希望する場合、遠くまで通院する必要があり、ペットの体力やストレスを考えると現実的ではないでしょう。

やはり飼い主さんとしては、自らペットの病気について学び、近くの獣医さんと二人三脚で病気に向き合うのが一番かもしれません。

その上で、認定医がセカンドオピニオンに対応してくれるのであれば、飼い主さんだけで訪れるという選択もあるのではないでしょうか。

 
 

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