2016年3月5日更新

【獣医師監修】犬猫のクッシング症候群とは?クッシング症候群の原因、症状、治療について

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クッシング症候群という病名を聞いたことがありますか? 聞きなれない病名だと思いますが、副腎皮質ホルモンの分泌異常で色々な症状が起こるやっかいな病気です。

今回は、クッシング症候群の原因と症状、治療についてご紹介します。

 

クッシング症候群とはどんな病気?

クッシング症候群とは、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることで起こる病気です。副腎皮質機能亢進症という別名もあり、こちらの方が病状については分かりやすいかもしれません。

この病気を理解するには、まず、副腎皮質ホルモンについて理解する必要があります。

副腎皮質ホルモンのひとつであるコルチゾールは、腎臓の上にある副腎という臓器から分泌されます。このコルチゾールの分泌は、脳下垂体によってコントロールされています。

コルチゾールは、炎症の抑制、血液の電解質レベルの調整、炭水化物の代謝など動物の生命活動に広く影響する大切なホルモンです。アレルギーの治療薬の成分として聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

このコルチゾールが過剰に分泌されてしまうのがクッシング症候群です。コルチゾールが働きすぎることによって、さまざまな症状が出てきます。

クッシング症候群の症状

尿量が増え、水をたくさん飲むようになります。ただ、同時に食欲が増進してくるので、初期のうちは、病気であると認識しにくいところが、この病気のやっかいなところです。

症状が進んでくるとお腹が膨れたり、胴部分や耳が左右対称に脱毛してきたり、毛艶が悪くなったりし、さらには筋肉の萎縮、糖尿病などを発症します。

 

クッシング症候群の原因

まず、原因として最も多いものは、腫瘍によるものです。副腎皮質ホルモンを分泌する副腎や、副腎の機能をコントロールする脳下垂体に腫瘍ができると、ホルモンが過剰に分泌されてクッシング症候群を起こします。

また、副腎皮質ホルモンは、アレルギーや腫瘍、炎症などの治療薬としても広く使われています。これを長期使用・服用することが原因で、副腎皮質ホルモンが過剰になり、クッシング症候群の症状が出ることもあります。

クッシング症候群の治療方法

クッシング症候群が腫瘍によるものの場合は、まず、腫瘍へのアプローチが必要となり、腫瘍を切除するための外科手術が検討されます。また、脳下垂体の腫瘍の場合は放射線治療が行われることもありますが、放射能治療は実施可能な施設が限られているのが現状です。

実際には、外科手術や放射線治療が現実的ではない場合がとても多く、その場合には副腎皮質の働きを弱める薬を生涯にわたって服用することとなります。

アレルギー性疾患の治療などで副腎皮質ホルモン剤を長期にわたって使用している場合は、投与を中止しなければなりません。ただし、副腎皮質ホルモン剤はいきなり投与を中止すると副作用が出ますので、獣医さんの指示に従い、徐々に量を減らすことが必要です。

最後に

クッシング症候群は放置すると、糖尿病や免疫不全をはじめとした様々な深刻な合併症を引き起こすので、早めの治療が勧められます。

クッシング症候群は猫に比べれば犬の方が発症しやすく、高齢になればなるほど発症リスクが増えると言われています。初期症状は一見、病気とは思わずに見過ごしてしまいそうなものなので、特に高齢の犬ではしっかりとした観察が必要でしょう。多飲多尿、多食があるのではないかと疑われたら、早めに病院で検査してもらうことが大切です。

また、他の病気の治療で使用している副腎皮質ホルモン剤が原因になる場合がありますので、治療に副腎皮質ホルモン剤を使用する場合は、獣医さんに副作用として起こりうる症状を確認しておきましょう。また、投与量や投与期間を厳守することが大切です。

 
 

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