2017年6月8日更新

【獣医師監修】犬の血液型と輸血について。血液型ってあるの?

犬にも人間同様、血液型があるとご存知でしたか?ここではあまり知られていない犬の血液型について紹介していきます。

犬の血液型

犬_素材bernese-mountain-dog-1177074_640
犬にも血液型があります。その型の数は今までに確認されているだけで13にものぼります。

しかし、愛犬の血液型を知っている犬の飼い主はほとんどおらず、知っていたとしても特に何をするのでもありません。

犬が重大な病気をして大手術をせざるをえない場合に輸血が必要となりますが、人とは違い自分と同じ血液型の血を輸血しないといけない!という訳でもないのです。

犬は人間と違い、違う型の血液を輸血したとしても赤血球が壊れるような事態は多くありません。まったく起こらないわけではないですが、犬の輸血では型を気にせずに行うことも多いです。

しかし、何も反応が起きないのは初回の輸血だけ!という結果も出てきており、2回目以降に違う型の血液を輸血すると拒絶反応を起こしてしまう事も発見されてきています。

大きな手術を何度もする場合や、下痢や嘔吐により血液中のタンパク質が失われてしまう病にかかってしまった場合は輸血が必要になる可能性が高いです。この場合、輸血に先立ち血液の検査を行い、拒絶反応を回避するように努めます。

人間との違い


血液に含まれる細胞は主に赤血球、白血球、血小板の3つに分けられます。それは人間も犬も同じであり、体内の血液の流れも同じです。

ちなみに、犬の血液型はその犬の赤血球抗原によって分けられていますが、詳しいことはまだ未知な領域なのです。

血液型は人間のABO式とは異なり、DEA式で考えます。DEA1.1型やDEA1.2型、DEA3型、DEA13型というように、1匹が複数の型を持っているのです。

余談ですが人間の場合、占いなどで血液型で性格診断や予想、相性を確かめたりすることもありますが、犬の場合は性格や相性などが血液型で区別出来るようなものではないようですので、性格は飼い主である人間の育て方やしつけの仕方、生活環境などで大きく変わるでしょう。

血液型を調べる方法

犬の血液型を調べる方法は、日本では国際的に認められている犬専用の血液型判定キットを入手する事でしょう。

このキットを持っている多くの動物病院で血液型を判定する事が出来ます。そして動物病院で人間同様に犬も、静脈から採血します。検査結果も1時間程で出るので、簡単に判定出来るでしょう。

犬の血液型を知っておくべき理由


知っておくべき理由は、いくつか挙げられます。まず、緊急の大手術をした時に輸血がもし必要だった場合に安心して輸血を受ける事が出来るでしょう。

そして、輸血用の血液を供給出来ます。血液型を知っておけば、他の血液を必要とする犬を助けられるかもしれません。

最後に、もし母犬と血液と相性が良くない雄犬と交配してしまった場合、母犬の乳汁中の抗体が生まれた子犬の血液中の細胞を攻撃してしまう、新生児溶血を引き起こしてしまう可能性があります。交配時にこのような事態を意図的に防ぐ事が出来るので、交配を予定している場合は愛犬の血液型を把握していることは大切です。

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

関連記事

【獣医師監修】小型犬は要注意!乳歯遺残の症状や影響について解説します

乳歯遺残。聞きなれない言葉かもしれませんが、漢字だけでも何の事だかイメージがつく方も多いかと思います。 わんちゃんも人間と同じように、子犬の頃に乳歯だった歯が成長とともに抜けて、大人の……

犬の健康の基礎

【ドッグマナー協会理事が解説】愛犬たちの健康診断をして今以上に健康管理をしましょう!

愛犬の「健康診断」ですが、みなさんは注意をはらってますか? 私たち人間は職場や学校、行政指導の下で定期的に健康診断が受けられます。 個人的に人間ドックを受けることも可能です。 ……

犬の健康の基礎

寒さに強い犬種、弱い犬種と、防寒対策

寒さは病気諸々の原因 人も寒ければ風邪を引いてしまいます。それは犬も同じで、過度の寒さは体に様々な悪影響を及ぼします。 寒さに強い犬種、弱い犬種 一般的に寒さに対する強弱は犬の原産地に……

犬の健康の基礎

飼い始めの不安を解消!先輩飼い主さんの健康チェック方法をご紹介!

飼い始めは楽しい半面、初めてのことで戸惑う事も多いですよね。一番の不安はやっぱり健康面!そんな不安を解消するため、先輩飼い主さんに健康チェックを教えてもらいました! 「自分の子は自分が……

猫の健康の基礎

愛犬の体調管理、どこに注意して見れば良い?【ペットシッターが解説】

愛犬の体調管理は、普段の様子をしっかりチェックしておくことが大切です。普段からチェックしておくことで、いつもと違う状態に早めに気づくことができます。病気の早期発見にもつながる体調チェックのポ……

犬の健康の基礎

足の毛をかじり切ってしまう!犬や猫の舐め壊しの原因は何?

皮膚の舐め壊しは「ホットスポット」と呼ばれます。自分で自分の毛や皮膚を舐め壊してしまい、脱毛や皮膚炎を起こしてしまっている犬や猫。 なぜそのような行為をしてしまうのか、様々な原因が考え……

犬のストレス

自宅で愛犬の健康診断ができる? 病院嫌いの犬の飼い主さんにオススメの検査キット「愛犬健康チェッカー」

犬の1年はだいたい人間の4年に相当すると言われています。人間よりずっと年をとり、病気の進行や老化も早いため、1年に一度は検診に行って体調チェックするのがベストでしょう。本来なら7歳を過ぎた老……

犬の健康の基礎

【動物看護師が徹底解説!】犬の健康チェック!毎日チェックしたい項目は?

病気は早期発見が大事といいますが、犬は病気になりました!とは言ってくれないので、飼い主さんが病気のサイン見つけなければなりません。病気のサインを見つけるには、日々の健康チェックが必要です。愛……

犬の健康の基礎

【獣医師監修】犬にも免疫力ってあるの?

免疫力 人も犬も日常生活を送る中で、多くの細菌やウイルス、有害物質にさらされています。 大気1㎡中には細菌などの微生物は数百個存在しており、それらがデパートや各種イベント会場など人の……

犬の健康の基礎

【獣医師監修】ただの下痢じゃない!すぐに病院へ連れて行くべき「出血性胃腸炎」

犬はときどき、食べたものを吐いたり、下痢をしたりすることがあります。大抵の場合は様子を見ているうちに治ってしまうことが多いのではないでしょうか。でも時には、すぐに対応が必要な怖い病気にかかっ……

犬の食道・胃腸の病気

【獣医師監修】立ち上がれない、歩けない!犬の首から腰にかけての痛みの原因、椎間板ヘルニアとは?

足の短い犬種が特になりやすいといわれている、椎間板ヘルニア。もちろんそれ以外の犬種でも発症します。 突然歩けなくなる、立ち上がれなくなる、触るだけで痛そうな声をあげる。突然発症してしま……

犬の健康の基礎

【獣医師監修】犬の血液型と輸血について。血液型ってあるの?

犬にも人間同様、血液型があるとご存知でしたか?ここではあまり知られていない犬の血液型について紹介していきます。 犬の血液型 犬にも血液型があります。その型の数は今までに確認されて……

犬の健康の基礎

飼い主さん必見!毎日できる愛犬の健康チェック方法を獣医師が教えます!!

自宅での愛犬の健康チェックの習慣はありますか?愛犬は自由に体や口の中を触らせたり見せたりしてくれますか?言葉を話せない犬の体調の変化にいち早く気づくにはどのようにすればよいでしょうか?今回の……

犬の健康の基礎

愛犬が臭い!もしかしたら、なにかの病気かもしれませんよ!

愛犬の臭いに悩まされている飼い主の方、いませんか?定期的にちゃんとシャンプーをしているのに、強い匂いが取れない場合、もしかしたら愛犬がなんらかの病気になっている可能性があります。 一言……

犬の健康の基礎

【獣医師監修】様々な病気を併発する病気。クッシング症候群について

クッシング症候群ってどんな病気 クッシング症候群とは「副腎皮質機能亢進症」の一種で、毛が左右対称に抜けてしまったり、お腹がぽっこり膨らんだりといった、 特徴的な見た目の変化が症状となる病気……

犬の健康の基礎

治療に迷ったら聞いてみよう!犬や猫の治療にもセカンドオピニオンが大切。

セカンドオピニオンという言葉を知っていますか?何となく聞いたことはある…という人は多いのではないでしょうか。もともと人間の医療においてインフォームドコンセントなどとともに一般に知られるように……

犬の健康の基礎

愛犬、愛猫の健康のために「健康日記」をつけよう

ペットを検診や病院に連れて行った時に獣医さんから細かい症状や発症の時期を聞かれて困ったことはありませんか? 近々のことなら記憶も確かですが、数か月前のことになると記憶があやふやになって……

犬のニュース

愛犬のボディコンディションスコア(BCS)って?

愛犬の肥満度をしめすボディコンディションスコア(BCS)てご存知ですか? 体型から肥満度を判断する基準になっています。 ボディコンディションスコアってなんなんだろう? ボディコ……

犬の健康の基礎

飼い主さん必見!老犬・シニア猫との暮らし方のコツとは(*´ω`)?

一緒に暮らしている犬や猫には長い生きしてずっと一緒にいてもらいたいですね。シニア期のお世話は特別なものがいるのだろうかと心配になったり、寝てばかりいるけどれ大丈夫だろうかと不安になったりする……

老猫・猫の老化