2016年3月5日更新

【獣医師監修】犬にとっても重大な病気。前立腺腫瘍について紹介します

犬の前立腺腫瘍はこんな病気

前立腺腫瘍は人にとっても犬にとっても重大な病気です。腫瘍は発生しても体への影響の少ない「良性腫瘍」と、発生すると体に悪影響を及ぼす「悪性腫瘍」の二つに分けられます。

前立腺腫瘍のほとんどが「悪性腫瘍」つまり「ガン」なのです。

さらに前立腺腫瘍は発見が遅くなりやすく、気付いたときにはガンが全身に転移し、手の施しようがない状況になってしまうことが多いのです。

犬の場合、人よりは発生率が低いようですが、いざというときのために前立腺腫瘍について学んでおきましょう。

犬の前立腺腫瘍の症状

前立腺で発生する腫瘍には「前立腺癌」「血管肉腫」などのいくつかの種類があります。また、膀胱腫瘍が前立腺に転移しているケースもあります。

このうち一番多いものが「前立腺癌」で、前立腺で発生する腫瘍の大半は前立腺癌といえるでしょう。

腫瘍が小さい時には、ほとんど症状はありません。徐々に進行して腫瘍が大きくなると主に次の症状がみられます。

  • 排尿が困難になる
  • 尿に血が混ざる

ただし、このような症状は前立腺肥大でもみられますので、これだけでは判断が困難です。

さらに悪化すると

  • 多飲、多尿
  • 嘔吐
  • 歩行異常(後ろ脚の歩幅が小さくなる)
  • 発熱
  • 元気喪失、無気力

といった全身症状が見られ始めます。

さらに病気が進行し、腫瘍が破裂してしまうと敗血症、腹膜炎といった重篤な事態を引き起こし、死亡してしまうこともあります。

犬の前立腺腫瘍の原因

原因は分かっていません。中高年齢の犬に発生が多いことから、ホルモンバランスが崩れることにより、腫瘍が発生するのではないかと言われています。

犬の前立腺腫瘍の治療

残念ながら有効な治療法はありません。発見時にすでに他の組織に転移をしていて、厳しい状況であることが多くあります。化学療法・放射線治療も効果的とはいえません。

犬の前立腺腫瘍は根治治療も予防も困難

去勢手術を行なうことで予防ができる腫瘍はいくつか知られています。しかし、前立腺がんに関していうと、残念ながら去勢手術で予防はできないとされています。

発生率は高くないものの、原因不明であり、明確な予防法も確立されていません。多くの場合は根治を望むことが難しいため、生活の質をできるだけ保って過ごすことを第一に考えて、治療や看護などのケアを行なうことになるでしょう。

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