2015年6月8日更新

【獣医師監修】子どもが産めなくなってしまう病気。犬のブルセラ症について

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

 
 

犬のブルセラ症はこんな病気

ブルセラ症はブルセラ菌という細菌に感染すると発症する病気です。

犬だけでなく牛や豚などの家畜にもみられる病気で、犬ブルセラ症・牛ブルセラ症・豚ブルセラ症など、動物種によって症状もそれぞれ異なってきます。

人獣共通感染症として知られており、犬ブルセラ症は人に感染することがあります。ほとんど症状はありませんが、時に風邪と似たような症状が見られるほか、精巣炎を起こし無精子症となることがあります。

犬が感染してしまった場合には、雌雄関係なく子どもを作ることができなくなってしまう恐れがある病気です。

犬ブルセラ症の症状

ブルセラ症を発症しても、発熱・嘔吐・下痢といった症状は一般にみられません。重症化することもなく、命にかかわる事態になることはあまりありません。

ただし、オスは精巣炎を起こした後、精巣が萎縮し精子を作れなくなってしまう無精子症となってしまいます。

また、メスは妊娠30日以降の流産や死産を繰り返すようになってしまいます

 

犬ブルセラ症の感染ルート

ブルセラ菌は消化器や生殖器の粘膜から感染します。感染した犬の排泄物に鼻や口を近づけたり、感染した犬と交尾したりすることによって感染が広がってしまうのです。

一般の家庭犬でも交配などにより感染の拡大は起こりますが、複数の犬と接触する恐れがあるドッグランや、ペットホテルなど犬が多く集まる場所で感染してしまうケースが多いようです。

犬ブルセラ症の治療

ブルセラ症の根本的な治療法は存在しません

抗生剤を3~4週間投与することで細菌は検出できなくなることが多いものの、投薬をやめると数週間で再び増殖してしまい、再発してしまうこともあります。

多頭飼いをしている場合には、ブルセラ症にかかってしまった犬を隔離する必要があります。さらに他の犬への感染を抑えるため、去勢・避妊手術を行うことも検討しなければなりません。

犬ブルセラ症の予防

効果的なワクチンはありません。感染している犬に近づかないことが一番の予防になるでしょう。

ただし感染犬を見かけで判断することは非常に難しいといえるでしょう。

感染が広がらないようしっかりと対策を取りましょう

「うちの犬は子どもを作る予定がないから問題ない」と思ってはいけません。ブリーダーの方にとってブルセラ症はまさに死活問題の病気なのです。また、人への感染も問題となる病気です

いつ、どんな形で感染が広がるかわかりませんので、感染が確認された場合に飼育環境を十分に消毒することはもちろん、そうでない場合にも飼育環境は常に清潔にしておくといった対策をしておきましょう。

 
 

関連カテゴリ