2015年6月11日更新

【獣医師監修】猫の後ろ脚が立たず、苦しんでいる!もしかしたら血栓症かも…

ペット生活 獣医師



獣医師

ペット生活編集部の獣医師アカウント。ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

 

突然、猫の脚が立たなくなって、苦しげにもがき始めたら、原因は血栓症の可能性があります。血栓症だとしたら一刻を争う病ですので、すぐに獣医さんに診てもらわなければなりません。

血栓症とはどんな病気なのでしょうか?また、飼い主さんができることはあるのでしょうか?
今回は血栓症の症状や原因についてご紹介します。

 

血栓症とはどんな病気?

血栓症とは心臓内や血管でできた血の塊が体のどこかの血管に詰まってしまった状態のことで、血栓塞栓症とも呼ばれます。

心筋症を患っている猫の場合、心臓内の血液が渋滞しやすいため、血の塊ができやすく、血栓を形成しやすいと言われています。

また、人間の場合、血栓は脳にできることも多いのですが、猫の場合はお腹の大動脈から両足に向けて分岐する部分で血栓ができやすいため、後脚が麻痺しやすいのです。

愛猫に心筋症などの心疾患があるのであれば、血栓の形成を予防することが大切です。心疾患があって、後ろ脚が立たなくなって苦しんでいるようであれば、血栓症を疑った方が良いでしょう。

血栓症が起きるとどんな症状が出るの?

血栓が後脚への血流を妨げるため、後脚の麻痺が起こります。血の流れが減少、もしくはなくなるため、脚の脈拍が確認できなくなり、脚が冷たくなります。

ピンク色の肉球の猫の場合、肉球の色が白っぽくなることもあります。また、呼吸が苦しくなり口を開けてもがくこともあります。

後ろ脚が立たなくなる病気は神経系の病気、脊椎損傷、糖尿など他にもいろいろありますが、血栓症の場合、発症した時の痛みが強いため、猫は暴れたり大きな声で鳴き叫んだりしますし、後ろ脚に触られることを嫌がります。

 

治療方法はあるの?

治療には外科的手術による血栓除去や、血栓を溶かす薬の点滴などの方法があります。

また、最近ではカテーテルによる治療やレーザー光線を使った治療なども行われているようです。

いずれにせよ、血流の止まった後ろ脚が壊死しないうちに処置する必要がありますので、一刻も早い診察が必要です。

ただし、血栓症は死亡率が高く、助かっても再発する可能性が高いので、症状が回復した後も充分な注意が必要です。

予防法はあるの?

血栓自体はいつ形成され、どこに詰まってしまうか予想がつきませんので、予防は難しいのですが、原因となる心筋症があるかどうかを知り、心筋症の病状次第では、抗凝固剤や抗血小板薬などを服用すれば、血栓症のリスクを減らすこともできるでしょう。

血栓症は猫にとっても、そばで見ている飼い主さんにとっても非常に辛い病気です。定期健診は必ず受けるようにし、病気のリスクを減らすよう対処することが大切です。