2017年7月4日更新

【獣医師監修】猫の膀胱炎の原因と症状、治療法について。

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最近、愛猫がトイレに入っている時間が長い気がする、そして、トイレに行く回数も増えているような…トイレの砂の塊も小さいし、回数の割に塊の数が少ない気もする。臭いもキツいように思うし、やたらとお尻のあたりを毛づくろいしてるなぁ…。

それって、もしかしたら、膀胱炎のサインかもしれません。実は私たちと同じように猫たちも膀胱炎になることが多いのです。猫の膀胱炎は下部尿路疾患と総称され、私たちとは原因が異なり、また、私たちよりも重症になるケースも珍しくありません。

今回は、猫に多い膀胱炎について、人と比較しながらお話していきたいと思います。

 

膀胱炎の原因

細菌感染がメインの原因である私たちとは異なり、猫の膀胱炎は結石の元になる結石の結晶成分が原因となることが大半を占めており、そこに細菌が二次的に感染していることが多いです。

結石のできるしくみには食べ物と体質が大きく関わっています。健康な猫の尿はほぼ中性ですが、体質や食べ物、細菌感染などが原因でアルカリ性、酸性など、尿の性状が変わってしまいます。

尿の性状が正常でなくなると、結晶が析出しやすい環境になります。もともと水を飲む量が少ない猫たち、飲水量が少なくなる冬季にはさらに尿量が減って濃いオシッコになるため、結晶が尿に出やすく、発症しやすいという特徴もあります。

尿道の細い男のコの場合には、結晶が尿道につまりやすく、尿路の閉塞を起こすこともあり、緊急対応が必要な場合もあるので注意が必要です。

また、原因が分からなく、突発的に膀胱炎を起こすことがあり、これは突発性膀胱炎と言われます。猫はとてもナイーブで繊細な動物ですので、ストレスが原因になっている可能性も示唆されています。

膀胱炎の症状

勿論の事ですが、猫は痛みや不快感を訴える事ができません。飼い主である私たちが、いつもと違う仕草や様子の変化を見逃してしまわないように気をつけてあげなければいけません。

人間の膀胱炎を想像してみてください。頻尿・排尿時の痛み・血尿などの症状が出ます。猫の膀胱炎でも同様の症状が起こります。

そのため、膀胱炎にかかった場合、猫の変化で一番わかりやすいのは、猫の排尿状態です。膀胱炎の症状の代表的なものに頻尿が挙げられます。

膀胱は尿を溜める器官ですが、炎症により尿を溜めることができなくなり、少しの尿が溜まっても尿意を感じます。そのため、頻繁にトイレ通いをするようになります。

実際に尿はほとんど溜まっていないことが多いので、排尿姿勢をしていても、ごく少量であるか、ほとんど出ません。また、排尿痛もみられます。

この場合には痛そうに鳴きながらトイレに入ったり、陰部を気にして舐めるという行動をとることもあります。炎症がひどくなれば血尿もみられますが、分かりにくいこともありますので、猫砂を工夫し、白い物であれば、血尿を発見しやすくなりますね。

また、男の子で、尿路が閉塞してしまった場合には、全く尿が出なくなり、とても危険です。苦しそうな様子がみられ、時間の経過に従って元気がなくなり、ぐったりとなります。

食欲は無くなり、吐き気、嘔吐が見られることもあります。尿が出ないと、腎臓に負担がかかるため、急性腎不全になることもあり、最悪の場合には、命を落としかねません。たかが膀胱炎ですが、男の子を飼われている方は注意をしてあげていてください。

 

膀胱炎の治療法

まず、いつもと違う様子が確認できたら、病院に行きましょう。難しいですが、可能であれば尿を持参すると尿検査を行うことができ、原因の特定が早い段階で可能になります。尿検査、エコーによる検査、必要であればレントゲン検査を行い、原因の特定を行います。

治療には、二次感染に対して抗生物質を投与します。また、尿量を増やし、膀胱をきれいにする目的で点滴や注射をする場合が多く、結晶が発見されれば療法食への切り替えを行います。

猫の膀胱炎では療法食でのコントロールが重要で、療法食を与えつつ、定期的な尿検査を行い、管理します。
尿路が完全に閉塞した場合には、カテーテルを通し、膀胱から直接尿を出してあげます。この時、カテーテルの挿入は痛みを伴いますので、鎮静処置、麻酔処置などが必要になることが多いです。

状態がひどければ、しばらくカテーテルから排尿をさせ、膀胱、尿道の回復を待ちます。また、血液検査で腎臓に負担がかかっていることが分かった場合、つまり、急性腎不全に陥っている場合にも点滴を行うため、入院治療が必要になります。

もし、症状が繰り返す場合や長期化する場合は、膀胱炎以外の病気も視野に入れて、再度検査、治療が必要になるかもしれません。

まとめ

猫の膀胱炎についてご理解いただけましたか?家で飼っている猫でも、多頭飼育であったり、排泄は外で済ませるなどどいう場合には、私たちの管理が難しいこともあります。しかし、たかが膀胱炎でも、男の子の場合には命に関わる事もあることを頭の隅に置いておいてあげてください。みなさんが飼われている猫達が健やかに過ごせますように…。

 
 

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