2015年9月24日更新

【獣医師監修】犬の潜在精巣の原因・症状・治療法・予防法

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オスの子犬の陰嚢(袋)を触ると、左右で感触が違うということが時々あります。

もしその犬が生後半年以上たっていれば、精巣(睾丸)が片方しか陰嚢に降りてきていない「潜在精巣」かもしれません。片方の精巣は体の中に残されたままになっており、将来、腫瘍化する恐れがあります。

犬の潜在精巣の原因、症状、治療法、予防法をご紹介します。

 

潜在精巣の症状

潜在精巣は、精巣が陰嚢に正常に降りてこない病気です。

停留精巣、陰睾という名前で呼ばれることもあります。片方だけ精巣が降りてこないこともあれば、両方ともという場合もあり、残された精巣は腹腔内や鼠径部に存在しています。

正常な位置にない精巣では精子がうまく作れず、生殖機能が低くなります。

潜在精巣自体は痛みやかゆみもなく、犬の生活に支障を及ぼしませんが、体内に残った精巣は年齢を重ねるにつれ腫瘍化しやすくなります(精巣腫瘍)。

精巣が鼠径部にあれば比較的発見しやすいですが、腹腔内だと腫瘍が大きくなるまで見つけにくく、腫瘍に対する処置が後手に回る可能性があります。

潜在精巣の原因

潜在精巣の原因は遺伝だと考えられています。精巣は母犬のお腹にいるころに腎臓のそばで発生し、通常、生後2ヶ月ごろまでには性ホルモンの作用で鼠径部を通って陰嚢まで降りてきます。

しかし、潜在精巣の犬は遺伝的にそのプロセスに問題が生じます。遅くても精巣が生後半年までに陰嚢に降りてきていなければ、潜在精巣である可能性が極めて高いといえます。

 

潜在精巣の治療法

体内に残った精巣を本来あるべき場所に入れ直すのが理想ですが、潜在精巣は遺伝するため、去勢手術で精巣自体を取り除く方法が一般的です。

体内の精巣は将来腫瘍になりやすいので、なるべく若い内に手術を行いましょう。精巣は陰嚢に降りてきているものも体内に残っているものも、両方とも取り除きます

潜在精巣の予防法

潜在精巣の発症要因は遺伝的であるため、潜在精巣になっている犬を繁殖させないことが、将来に向けた唯一の予防になります。

潜在精巣に気づいたら、なるべく早く去勢手術を

犬の陰嚢に精巣が降りてきていないと気づいたら、絶対に放置してはいけません。

体内に残った精巣は犬が年を取ると高い確率で腫瘍化し、さらに劣性遺伝するため、去勢手術で取り除く必要があります。

去勢手術を行うと、精巣腫瘍だけでなく、前立腺肥大や会陰ヘルニアといった他の病気も防ぐことができます。

「元気な子にメスを入れるなんて…」と迷っている方は、動物病院で去勢手術のメリットとデメリットについて相談してみてください。