2015年10月14日更新

【獣医師監修】心臓で血液が逆流!?犬の僧帽弁閉鎖不全症の原因・症状・治療法・予防法

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運動後に咳をする、妙に疲れやすい、呼吸が荒くなった…。年を取った小型犬にそのような症状が見られたら、「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓の病気にかかっている可能性があります。

僧帽弁閉鎖不全症はどんな病気なのでしょうか?心臓が血液を送り出すメカニズムとともに、僧帽弁閉鎖不全症の原因、症状、治療法、予防法、なりやすい犬種についてご紹介します。

 

僧帽弁閉鎖不全症の症状

僧帽弁閉鎖不全症の犬では、散歩など運動したときや夜中に咳が出ます。また、呼吸が荒くなったり、疲れやすくなったりし、やがて運動をしたがらなくなります。

横になると咳が出るため、フセのように床に胸をつけた状態で寝ます。悪化すると肺水腫を併発したり、十分に血液が巡らなくなることで全身に悪影響が出たりします。

心臓が血液を送り出す仕組みと、僧帽弁閉鎖不全症の原因

原因を探る前に、まずは心臓が血液を全身に送り出す仕組みからご説明します。

心臓は4つの部屋に分かれており、左手側の上が左心房、下が左心室、右手側の上が右心房、下が右心室となっています。

全身を巡って戻ってきた血液は、右心房→右心室→肺(酸素を取り入れる)→左心房→左心室という順番で移動し、血液は大動脈から再び全身に送り出されます。

僧帽弁は左心房と左心室との間にある、血液の逆流を防ぐ門のようなものです。僧帽弁閉鎖不全症とは、その僧帽弁が変性してしっかり閉じなくなることで、本来は一方通行にしか流れない血液が左心室から左心房に逆流してしまう病気です。

血液の逆流によってじわじわと体に異変が…

まず、逆流した血液が左心房にたまり、心臓が徐々に肥大していきます。すると近くにある気管支が圧迫されて咳が出ます。

また、左心房や左心室に余計な血液がたまることで、肺からの新鮮な血液が左心房に戻りづらくなり、行き場のない血液は肺にたまります。

すると血液中の水分が肺胞に漏れ出し、肺水腫を発症します。肺に水がたまると、肺胞でガス交換できなくなるために息苦しく、犬の呼吸がゼーゼーと荒くなります。

僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種

マルチーズやヨークシャー・テリア、ポメラニアン、キャバリアなどの小型犬が加齢とともに僧帽弁の変性を起こしやすい傾向にあります。ただ、若いころから発症することもあります。

 

僧帽弁閉鎖不全症の治療法

僧帽弁閉鎖不全症を完治させる方法はありません。心臓の負担を減らすために、血管拡張剤などの投薬や塩分を控えめにする食事療法を行い、激しい運動は避けるようにします。肺水腫が出ている場合はその治療も行います。

僧帽弁閉鎖不全症の予防法

僧帽弁閉鎖不全症はある程度症状が進んでからでないと気づきにくい病気です。そのため好発犬種の場合は、動物病院で定期健診を受けて早期発見・早期治療することが大切です。

悪化する前に!気になる症状があれば動物病院へ

僧帽弁閉鎖不全症は完治させられませんが、早く発見すれば、悪化を防いで元気でいられる可能性が高まります。好発犬種はもちろんそれ以外の犬種でも、年齢がまだ若くても、咳が出る、呼吸が荒くなるといった症状が見られたら動物病院で相談しましょう。

 
 

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