2015年10月17日更新

【獣医師監修】暗くなると目が見えづらくなる。犬の進行性網膜萎縮の症状・原因・治療法と好発犬種について

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夕方など、暗くなってから愛犬とお散歩に行くと、時々物につまずいたり、ぶつかったりするなど、少しドジな行動が見られるようになった…。それは、進行性網膜萎縮という遺伝性の病気が始まったサインかもしれません。

進行性網膜萎縮は目の病気ですが、結膜炎のようにどんな犬もかかり得る病気ではありません。

では、この病気を発症するのはどんな犬なのでしょうか?原因、症状、治療法、予防法、好発犬種をご紹介します。

 

進行性網膜萎縮の症状

初期では、夕方や夜間など暗い場所で目が見えづらくなり、物にぶつかる、つまずくといった様子が見られます。

この病気は進行性なので、徐々に明るい場所でも目が見えづらくなり、やがて失明します。症状に痛みが伴わないため、飼い主も症状が進むまで病気に気づきにくい傾向にあります。

進行性網膜萎縮の原因

網膜の内側にある光を受容する視細胞が分布している網膜が徐々に萎縮し、視力障害が起きる遺伝性の病気です。

視細胞には暗いところで優位に働く桿体(かんたい)細胞と、明るいところで優位に働く錐体(すいたい)細胞があり、進行性網膜萎縮になると、まず桿体細胞から減り始めます。そのため、最初のうちは暗い場所で目が見えづらくなります。その後、錐体細胞も減って明るい場所でも見えづらくなり、網膜自体も薄くなっていき、失明に至ります。

5歳ごろから症状が現れ、7~8歳くらいで失明することが多いですが、1歳未満で発症することもあります。

進行性網膜萎縮になりやすい犬種

ダックスフンド、プードル、シー・ズー、コッカー・スパニエル、ラブラドール・レトリーバー、アイリッシュ・セターなどが好発犬種です。

 

進行性網膜萎縮の治療法

完治させる方法は現在ありません。少しでも進行を遅らせるために、抗酸化剤などの投与が行われます。

進行性網膜萎縮の予防法

予防法はありません。遺伝性の病気なので、進行性網膜萎縮の遺伝子を持っている犬を繁殖させないことが、この病気から後世の犬を守る唯一の手立てになります。

好発犬種を飼っている場合、暗い場所でつまずくといった症状が見られ始めたら、動物病院での検査を検討しましょう。

病院による定期的な目の検診も効果的ですし、遺伝子検査を実施している会社もあります。早期発見することで、失明までの時間を少しでも引き延ばしましょう。

悪質なブリーダーにご用心!

進行性網膜萎縮は遺伝によって次世代に受け継がれていきます。

もし愛犬の親犬の片方、もしくは両方に進行性網膜萎縮の素因があれば、その犬も病気の遺伝子を受け継いでいる可能性があります。進行性網膜萎縮の遺伝子を持っている犬は繁殖させないようにしましょう。

また、遺伝病の犬でも構わずに繁殖させる悪質なブリーダーもいますので、犬を迎える際はブリーダー自体を厳しい目でチェックすることも大切です。

 
 

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