2015年11月20日更新

【獣医師監修】犬の角膜裂傷~原因・症状と対策

元気な愛犬が走り回って何かにぶつかってしまったり、他の犬とケンカやじゃれ合った後様子が変わったりしたことはありませんか。やたらと手で目ばかりをかいていたり、歩き方がおかしくなったりするようなことがあれば、角膜裂傷という病気を疑ってみることが大事です。角膜裂傷は愛犬自身がちょっと気にする程度のものから失明に至ることもある重大な病気です。今回はそんな角膜裂傷について詳しく見ていきましょう。

角膜裂傷を引き起こす原因のほとんどは目で見てわかる事故

角膜裂傷はあまり聞きなれない言葉ですが、角膜炎より症状が重い角膜の傷などを総称して言われる呼び名です。角膜が傷ついてしまう原因としては犬同士のケンカや交通事故、物にぶつかってしまう、目のこすり過ぎ、石や枝などの異物混入などの外傷的に外から直接目を傷つけてしまうことで起こります。また、直接目を傷つけなくても、体を何かに強くぶつけてしまうことが原因で体の内部に圧力がかかってしまったり、高いところからの落下などで体内に圧力がかかってしまったりすることで結果的に角膜を損傷してしまうこともあります。

他にもあまり知られていませんが、アレルギーや感染症から角膜裂傷を併発してしまうこともあれば、代謝障害によって体内バランスが崩れることでも発症してしまう可能性はあります。角膜炎や角膜潰瘍が進行しても角膜裂傷は起こるとされていますが、角膜裂傷を引き起こす原因のほとんどは目に見えてわかる事故が原因です。

角膜裂傷の症状は重症度によってさまざま

角膜裂傷は目の表面を覆っている膜が傷ついてしまったり破れてしまったりするような症状のことを言います。その症状や治療方法は角膜裂傷の進行具合によっても異なり、重症の場合では失明してしまうこともある病気です。

軽度の症状

角膜炎のような症状や角膜に小さな穴が開いてしまったような症状、眼球の痛みや異物などを感じるような症状であれば、まだ軽度の状態といえる段階で早期の治療で回復が見込めます。

中度の症状

中度の症状になると眼圧がかかった状態が続くようになり眼房水と言われる液体が流れ出してしまい、角膜を歪ませてしまうこともあります。

重度の症状

光の明るさを調整する虹彩やその他の眼球内部のものが眼球表面に飛び出してしまうこともあります。重度の症状が出るようになると飼い主から見ても明らかに目の異変に気付くようになり、眼球表面に飛び出したり盛り上がったりしている状態がわかるようになります。そして最悪の場合には失明してしまいます。

角膜裂傷になってしまった時の対策と治療法

角膜裂傷の診断は犬の目にライトを照らしたり、核膜の表面を特殊な染色液で染めて傷を確認することで行います。角膜裂傷の症状が軽度の場合は、点眼薬による治療がメインになる場合がほとんどです。軽度といえども状態によっては上下のまぶたを縫い合わせて治療を行いやすくする病院もあります。また点眼薬とあわせて運動制限や医療用コンタクトレンズの着用、エリザベスカラーなどをつけて治療に専念していくところもあります。角膜裂傷の傷が深い場合や穴が開いているような場合には、角膜自体の縫合手術が必須になりまぶたの縫合と合わせて集中的に治療を行っていきます。状態によっては点眼治療だけでなく抗生物質などの投薬により二次感染を予防する内科的治療も行います。

傷が大きく、眼球内部の水晶体が外部へ露出してしまっているような重度の場合では、完全な治療はほぼ見込めず眼球全体を摘出してしまわなくなるケースも多く、完全に失明してしまう場合もあります。

普段から愛犬の行動をよくチェックすること

角膜裂傷は身の回りで起こりやすい病気で、きちんとしつけを行い無茶な行動を起こさせないように気を付けていればある程度は防げる病気でもあります。万が一事故などが起こってしまった場合には、体が平気だから大丈夫と決めつけるのではなく用心して愛犬を観察するようにし、少しでも異変が見られた場合には早急に獣医にかかるようにしましょう。

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