2015年11月28日更新

【獣医師監修】犬の心不全~原因・症状と対策

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心不全という言葉を誰でも一度は聞いたことがあるかもしれません。人間でも高齢者などに多い病気で死因の一つにもなっている心不全ですが、実は犬にも起こるということをご存知でしょうか。

犬も心不全になるということを知っていたとしても、どういった症状が出て、どのような対応ができるのかを知っている人はあまりいません。今回はそんな犬の心不全について考えてみましょう。

 

心不全になってしまう原因は病気、高齢、ストレスによるものがほとんど

犬の心不全は心臓に障害が起こり、体に必要な栄養分や酸素を含んだ血液を全身へ十分に送り出せなくなった状態のことを言います。

心臓は通常、全身に血液を送る役割がありポンプのような収縮活動により血液を全身に巡らせることができます。しかし、何らかの原因で心臓が正常に機能しなくなると全身に血液を送り込むことができなくなり、体のあらゆる部分で様々な症状が出るようになります。そして、心臓は体のあちらこちらから伝わってくる悲鳴を聞いて、血液をもっと送らなければと機能障害のある心臓でさらに血液を全身に送ろうと頑張ります。こうなると心臓にかかる負担が大きくなってしまい心不全による突然死という最悪の事態を招いてしまいます。

その心臓が正常に機能しなくなってしまう原因には、フィラリア症や肺気腫、気管支炎、肺血栓塞栓症、肺動脈狭窄症、ガン、動脈管開存、心室中隔欠損症などがあります。また高齢では心臓自体の老化による機能低下やストレスでも心不全になる可能性があります。

心不全にかかった愛犬のサインを見逃すな!心不全の症状とは?

心不全になってしまうと全身の血液のめぐりが悪くなるので、身体のあらゆる部分で病気のステージに応じて様々な症状が出るようになります。

初期の段階

血液が全身に廻らなくなってまだ間もなく、心臓にもそれほど負担がかかっていない状態なので、目立った症状はあまり見られません。

それがだんだんと状態が悪化していくにつれ、疲れやすくなったり、呼吸が乱れやすくなったり、寝ている時間が増えたりし始めます。

そして心臓への負担が蓄積していくほど体内では血液不足が深刻化し、どうにか血液量を正常に保とうと尿の量が減ったり、肺に水がたまったり、運動を全くしなくなったり、食事をとらなくなったりなっていきます。

重度の段階

心臓がいつ止まってもおかしくない状態へと変わってしまうので、愛犬も動くことを嫌がるようになり、寝ていても呼吸困難に陥ったり、失神してしまったりすることもあります。このころになると全身酸素不足のため舌や歯茎の色が紫になっています。

 

愛犬を心不全で苦しめないための対策と治療法

心不全には生まれつきの心臓の強さなどもかかわってくるので100%防げるわけではありません。しかし初期の段階での早期発見、早期治療により愛犬の苦しみを軽減することが出来ます。

また普段の生活の中でも感染症にかからないようにしたり、過度なストレスを与えたりしないように注意することが大事です。定期的な検診で貧血度合いをチェックしたり、不整脈がないかも確認してもらったりするのも早期発見の足掛かりになります。普段の食事では肥満に注意し、塩分の取りすぎにも気を付けるようにしましょう。

それでも愛犬が心不全だと診断されてしまった場合には症状の進行具合に合わせて適切な治療を行っていくことが大事になります。治療法としては薬物療法、運動療法、食事療法がメインになります。日ごろから心臓に負担のかかるような生活を控え、こまめな健康チェックを行うことで愛犬と長く一緒に過ごすことができるようになります。

心不全はどの犬にも訪れる可能性のある病気

心不全は人間であっても犬であっても必ず防げる病気ではありません。生まれつき心臓の弱い犬では比較的若齢から心不全にかかってしまうリスクはありますが、高齢になればほとんどの犬がかかってしまう可能性のある病気です。

大事なのはその症状に早く気付いてあげられることと愛犬に無理をさせないことです。今回ご紹介したようなことを参考に愛犬とのこれからについて生活を見直してみてください。

 
 

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