2017年7月9日更新

柴犬の病気〜獣医師が解説する柴犬のかかりやすい病気〜

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縄文時代から日本で飼育されていたといわれる柴犬は、均整のとれた体格、優れた集中力と俊敏な動きで猟犬として活躍してきました。イキイキとした快活な性格に加え、飼い主に従順で無駄吠えも少なく、日本で人気が高いのはもちろん、近年は海外でも人気が出てきているようです。

 

柴犬の目の病気

緑内障

眼球内部の圧力(眼圧)が上昇することが視神経と網膜に影響し、視力障害を起こしてしまう病気です。急性緑内障を発症した場合には、突然の視力障害に加えて角膜が濁って見えたり、白目の部分が充血したりします。また、強い痛みが起こります。そのまま時間が経過してしまうと、慢性緑内障となり、眼球は大きく腫れて見えるようになります。

点眼薬と、場合によっては外科手術を組み合わせて眼圧を低下させることで視力を回復させ、さらにそれを維持していく必要があります。しかしながら多くの場合は再発を繰り返してしまいます。また、急性期には眼圧を低下させるために注射や内服薬も用います。残念ながら視力の回復が不可能だと判断された場合には、痛みをとる目的で眼球の摘出や義眼の挿入を行なうこともあります。

柴犬の心臓の病気

心室中隔欠損症

心室中隔欠損症は、右心室と左心室を隔てる壁(心室中隔)に穴(欠損孔)が開いている先天性の心臓病です。欠損孔が小さければ、特に症状が見られない場合もあります。欠損孔が大きい場合には、疲れやすくなったり、咳をしたりといった症状が徐々に見られるようになります。発育不全を起こすこともあります。

成長とともに自然に欠損孔が閉鎖するケースもまれにありますが、ほとんどの場合、自然治癒はかなり難しいといえます。内科治療で症状を安定させた上で、根治を目指す場合には外科手術を検討しなくてはなりません。ただし、手術を実施できる施設は非常に限られているのが現状です。また、重度の心不全を起こしてしまっている場合には、手術をすることもできなくなってしまうため、内科治療で心臓を補助してあげることで状態を安定させ、維持していくことになります。

 

柴犬の骨と関節の病気

膝蓋骨脱臼

膝の関節にある、膝蓋骨と呼ばれる骨(いわゆるお皿の骨)が外れてしまい、正常な位置からずれてしまう病気です。外傷によるケースもありますが、膝関節を構成する骨や靭帯といった周辺組織の先天的な異常から脱臼を起こしてしまうケースがあり、遺伝が関与しているといわれています。軽症の場合には無症状であったり、後ろ足を蹴り出すような仕草をして自力で脱臼した骨を元に戻してしまったりといったことがあります。一方、重症の場合には、脱臼した後ろ足を浮かせて歩いていたり、膝をずっと曲げたままでいたりします。

治療としては、軽症の場合には膝関節が正常に動くようリハビリテーションを行なうこともありますが、手術が必要になることも多くあります。特に重度の脱臼が見られる場合には、成長に伴い後ろ足の変形が強くなってしまいますので、早めの手術が勧められます。

柴犬の皮膚の病気

アトピー性皮膚炎

ほこりやちりなどの環境中の物質に対してアレルギー反応を起こす「アトピー体質」による皮膚炎がアトピー性皮膚炎です。アレルギー反応は免疫システムの異常ですが、これを発症する詳細なメカニズムははっきりわかっていません。おなかや顔、手足、脇の下にかゆみを伴う皮膚炎を起こします。脱毛し、赤く腫れたようになった皮膚が、皮膚炎の慢性化により色素沈着を起こしてきます。また、外耳炎を併発することもよくあります。

アトピー性皮膚炎は残念ながら完治は難しい病気です。内服薬やこまめなシャンプーによってかゆみをコントロールしながら付き合っていかなくてはなりません。

柴犬の内分泌系の病気

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンが十分に分泌されなくなる病気です。ほとんどの場合では免疫異常によって甲状腺が変性していくことで起こると考えられています。免疫異常を起こすメカニズムの詳細についてはわかっていませんが、遺伝的な要因もあるようです。甲状腺ホルモンは、体の様々な部位で働いているため、甲状腺ホルモンが不足すると、実に色々な症状が起こります。なんとなく元気がないように見える、なんとなく覇気がない、いつも震えている、といった症状や、脱毛して皮膚炎を起こしやすくなる、皮膚が黒ずんできた、といった症状がある一方で、ほとんどの場合で食欲は旺盛になります。

治療には合成甲状腺ホルモン製剤を投与して、不足している甲状腺ホルモンを補います。変性した甲状腺そのものの回復は困難であるため、投薬は生涯にわたって継続しなくてはならないことがほとんどです。

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