2017年5月17日更新

パピヨンの病気〜獣医師が解説するパピヨンのかかりやすい病気〜

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フランス語で「蝶」という意味を持つパピヨン。美しい毛で飾られた耳が蝶のようであることから名付けられ、その名の通りの優美な姿で昔から愛されてきました。豊かな被毛で覆われた体はとても華奢なので、骨折に注意しましょう。また、他の人気犬種と比べると少ないですが、気をつけたい病気がいくつかあります。今回はパピヨンで知っておきたい病気をご紹介します。

 

パピヨンの目の病気

眼瞼内反症

眼瞼のふちが内方(目の方向)へと反転してしまう病気です。下まぶたに起こることが多いですが、上下ともに起こる可能性があります。パピヨンではこの眼瞼内反症が先天的に発生することがあります。

先天性眼瞼内反症は目の開いたばかりの子犬でも見つかります。目やにや涙が多かったり、目をしばしばさせていたりすることで気がつくでしょう。まぶたが内側へ巻き込まれたようになっているため、まぶたの被毛やまつげが角膜に触れて、角膜炎や角膜潰瘍を起こしやすくなります。

あまりにも若い子犬の場合にはすぐに手術することが難しいため、眼軟膏などで角膜を保護します。手術が可能になったら、内反してしまっている部分のまぶたを切除する手術を行ないます。

進行性網膜萎縮

光を感じる網膜の細胞が徐々に障害されていき、網膜が萎縮していく遺伝性の病気です。

進行性網膜萎縮は、夜間や暗い所で物にぶつかりやすくなるなど、夜盲症と呼ばれる症状からはじまります。病気が進行するに伴って、明るい所でも見えづらくなっていき、完全に失明してしまいます。

残念ながら、進行性網膜萎縮には効果的な治療法がありません。直ちに視力を失うわけではありませんが、最終的には失明してしまいます。進行性網膜萎縮と診断されたら、生活環境の中に危険な場所はないか見直しておきましょう。そうすることで、住み慣れた場所であれば、大きな不自由なく暮らせる可能性があります。

パピヨンの骨と関節の病気

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、「膝のお皿の骨」と言われる、アーモンド型をした骨が外れてしまう病気です。パピヨンの場合、膝関節を構成する骨や靭帯、腱などの組織に先天的な問題があることがあり、それにより膝蓋骨脱臼を起こしやすいことが知られています。膝蓋骨脱臼の発症には遺伝が関与しています。

膝蓋骨脱臼の症状は重症度によって様々です。軽症であれば、ほとんど症状がなく、たまにスキップのような歩き方をするケースや、一時的に脱臼しても後ろ足を後方に蹴り出す仕草をすることで自力で治してしまうようなケースもあります。一方で重症化すると、後ろ足が変形してしまい、膝は常に曲げたままで着地できないような状態になってしまいます。

治療は年齢や重症度を考慮して決定します。軽症であれば、リハビリテーションのみを行なうケースもあります。一方、重症の場合や後ろ足の変形が始まっている場合には、早急な手術が勧められます。成長にしたがって後ろ足の変形は強くなってしまい、手術の難易度もあがりますので、早期発見と早期治療が大切です。

パピヨンについて詳しく知りたい方はこちら
【ペットシッターが解説】パピヨンとの暮らしで注意すること

 
 

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