2015年11月13日更新

ウェルシュ・コーギーの病気〜獣医師が解説するウェルシュ・コーギーのかかりやすい病気〜

どことなくキツネを思わせる知的な表情と、がっしりした体に長い胴、短い足が特徴的なウェルシュ・コーギー。イギリスで昔から人気の犬種ですが、近年は日本でも安定した人気を誇っています。ウェルシュ・コーギーは運動能力が高く、意識的に運動をさせないと肥満になりやすいので注意しましょう。特に椎間板ヘルニアは肥満との関連が指摘されている病気のひとつです。その他にも、ウェルシュ・コーギーで気をつけておきたい病気がいくつかありますので、あわせて紹介します。

ウェルシュ・コーギーの目の病気

進行性網膜萎縮

網膜にある光を感じる細胞が徐々に障害され、少しずつ網膜が萎縮していく病気です。これは両目ともに起こります。この病気には遺伝が関与していることが知られています。

この病気を発症すると、まず夜間や暗いところで目が見えなくなる夜盲症がはじまります。やがて病気は進行し、明るいところであっても見えにくくなり、最終的には完全に失明します。初期症状に気がつくことは難しいですが、目が見えにくくなると、散歩を嫌がったり、ふいに触られるとびっくりして噛み付いたりといった行動の変化が見られることがあります。

この病気には治療方法がありません。残念なことですが、進行を止めることもできず、やがて失明してしまいます。進行性網膜萎縮はある日突然に何も見えなくなるわけではなく、少しずつ時間をかけて視力が失われていく病気です。進行性網膜萎縮と診断されたら、まずは生活環境を見直してみましょう。段差や落下の危険のある場所などがあれば、改善しておいた方がよいでしょう。そうすることで慣れた場所であれば、失明してしまっても大きな不自由をすることなく暮らせるでしょう。

ウェルシュ・コーギーの脊髄の病気

椎間板ヘルニア

背骨と背骨の間でクッションの働きをしている椎間板物質が変性してしまい、脊柱管という脊髄神経が走っている空間に飛び出してしまう病気です。これにより脊髄神経が障害を受けます。椎間板ヘルニアは背中だけでなく、首でも起こることがあります。ウェルシュ・コーギーは胴長短足で背骨に負担がかかりやすい体型であることに加えて、肥満になりやすい犬種でもあり、椎間板ヘルニアには特に注意が必要です。

椎間板ヘルニアの症状は発症部位や重症度により様々です。軽症で初期であれば、背中や首の痛みのみというケースもあります。一方で、麻痺によって歩けなくなったり、立てなくなったり、また、排尿や排便がコントロールできなくなったりする場合もあります。

椎間板ヘルニアは、ごく軽度であれば、一定期間安静にすることで改善することもあります。しかし、再発を繰り返す場合や、安静では改善しない場合などは手術が必要です。特に、麻痺の状態が深刻な場合には、速やかな手術がすすめられます。術後にはリハビリテーションを行ないます。状態によっては、手術やリハビリテーションを行なっても完全な回復が困難なケースもあります。

ウェルシュ・コーギーの骨と関節の病気

股関節形成不全

股関節形成不全は生まれつき股関節が緩く、亜脱臼を起こしてしまっている病気です。成長とともに亜脱臼が進行するほか、股関節が不安定であることで関節炎も起こります。この病気には遺伝が関与しているとわれています。ほとんどの場合は両側で発症します。

股関節形成不全の症状は成長期にはじまります。後ろ足がうまく使えず、おすわりが上手にできなかったり、ぴょんぴょんとウサギのように跳んで歩いたり、また、モンローウォークといって腰を振って歩いたりします。散歩にいきたがらなかったり、段差を嫌がったりといったこともあります。多くのケースで、成長後に一時的に症状が落ち着きますが、股関節の関節炎が進行していきますので、後に再び症状が見られるようになります。

軽症であれば、鎮痛剤やサプリメントを使いながら、体重管理やリハビリテーションで症状をコントロールし、病気とつきあっていくことになります。滑りにくい床材を使うなど、生活環境の改善も有効です。その一方で、外科手術が必要になるケースも多くあります。股関節形成不全の手術にはいくつかの方法があります。年齢や体格、股関節の状況などを考慮して手術方法を選択していくことになりますが、とても厳密な適応基準が決められている手術もありますので、かかりつけの動物病院でよく相談をしましょう。

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