2015年11月28日更新

【獣医師監修】犬のジステンパー〜原因・症状と対策

ニホンオオカミの絶滅理由にもなったとされる犬ジステンパーは、犬ばかりだけでなく、多くの動物にとって感染の危険性がある感染症でもあります。また、死亡率も高いため、まずは感染させない為にも、ワクチンの接種がすすめられます。ここでは、犬ジステンパーにかかる原因と症状、そして対策について紹介します。

犬のジステンパーの原因

犬ジステンパーは、ジステンパーウイルスに感染することで起こりますが、接触感染や飛沫感染でも広がるため、子犬や高齢犬は特に注意したい感染症のひとつでもあります。

もともとは、ニホンオオカミの時代に感染があったとされ、絶滅の原因にもなったと言われるほどの感染症なのです。また、犬だけでなく、ネコ科、そればかりかほとんどの食肉動物にも感染します。

接触感染と飛沫感染

ジステンパーウイルスに感染している犬の目ヤニや鼻水、尿や便などに接触し、ウイルスが鼻やのどから新たな犬の体に入ります。ウイルスはリンパ節を通して、全身に広がり、様々な症状が出ます。

もちろん、ウイルスを体内に吸い込むことでも感染してしまうため、すでに感染している犬の咳やくしゃみも危険なのです。

免疫力が低下している犬は注意

免疫力が低下している犬は、ジステンパーウイルスにも感染しやすく、特にワクチンをしていない子犬には注意が必要です。感染力が強く、体全体にウイルスが運ばれてしまうため、死亡率も高く、注意したい感染症のひとつなのです。

犬のジステンパーの症状

犬ジステンパーの症状には様々なものがあります。まずは、風邪をひいたような状態で調子が悪くなります。ワクチンを接種している犬の場合は、無症状で終わってしまうことも多いものですが、発熱や元気がないといった風邪に似た症状が最初にあらわれます。

全身症状が出る場合

ワクチンをうっていない犬や、すでになんらかの病気にかかっていて体力や免疫力が落ちている犬の場合、さらに様々な症状が出てくることがあります。

感染して1週間ぐらい経つと、咳やくしゃみの他にも嘔吐や下痢など全身症状が出てきます。全身にウイルスが運ばれるため、結膜炎や角膜炎を起こすこともあります。呼吸が荒くなるなど、呼吸器系の症状としては肺炎にも注意が必要です。

重症な場合

さらに重症の場合は、痙攣やてんかん発作、麻痺を起こしてしまうこともあります。この時にはすでにウイルスは神経系にも達してしまい、命に関わる状態になります。助かっても後遺症が残るケースもあります。

犬のジステンパーの対策

犬ジステンパーウイルスの対策としては、ワクチンを欠かさずにうつことが一番です。実際に、ワクチン接種をしてない子犬の時期にかかってしまうことが多くありますが、動物病院でできることは検査を行い、対症療法を行うことが中心になってしまいます。

死亡率が高い病気だからこそ、時期や回数をしっかり決めてワクチンをうつことが大切になるのです。

二次感染への対策

犬ジステンパーは、他の犬にも感染しやすいという危険性があります。多頭飼いをしている場合は、部屋を別々にするなど、感染が広がらないよう対策を取る必要があります。また、排泄物を片付ける際は、手袋やマスクを着用して、ウイルスを吸い込まないように注意しましょう。きれいに片付けた後は消毒を行い、手洗いも徹底することが大切です。

犬ジステンパーの疑いがある場合は、動物病院でも個別に対処する可能性があります。これは感染予防の為です。受診する前に、連絡をしておくとよいでしょう。

まとめ

犬ジステンパーは、無症状で終わることもありますが、重症化すると非常に危険な感染症です。死亡率も高いからこそ、ワクチンでの予防が強くすすめられている感染症でもあります。

犬ジステンパーの対策の為にはワクチンをうつことが大切です。万が一、子犬や高齢犬など、犬ジステンパーにかかっている可能性がある場合は、すぐに獣医師に相談するようにしましょう。

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